昨夜食べ過ぎたので、朝食は珈琲と果物など。 朝風呂に入ってから、午前中は寝台に猫と寝転がって読書。 「赤い箱」(R.スタウト著/佐倉潤吾訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)。読了。 こういう毒に薬にもならないミステリ小説は本当に貴重だ(これは褒めています)。 それはさておき、この「赤い箱」の中で、 ネロ・ウルフが「アラビアのロレンス」ことT.E.ロレンスの「知恵の七柱」 に読みふける場面があって、ウルフらしい意見を述べていた。 ロレンスがアラビア人たちに信用されたのは、 女性に対する個人的な態度が正統の伝統的アラビア人の態度と同じだったからだそうだ。 それは微妙なすれ違いと言えなくもないが……なるほど。
昼食もあっさりと、玉葱酢大豆、焼きピーマン、白菜の漬物、 ちりめんじゃこ、若布と麩の赤だし、御飯。 午後も同じ調子で、勤労感謝の日を勤労に感謝しながら過す。 NHK FM の「今日は一日『名曲アルバム』」を流しつつ、 フェデリコ・カルパッチョものや(「極上の憂鬱」「優雅な倦怠」)、 「わたしは花火師です」(M.フーコー著/中山元訳/ちくま学芸文庫)など。 夕食は、たらちり鍋。あとは饂飩。
たらちりはやはり鍋の王道の一つだなあ……と思う。 勿論この種の鍋では、鮟鱇もしくは九絵、 とおっしゃりたい美食家のあなたの意見も良く分かるのだが、 圧倒的なコストパフォーマンスの良さはさておいても、 たらちりの素朴ながらも端正で豊かな魅力は侮り難い、 ということはお認めいただけるのではないでしょうか。