2009年7月31日金曜日

New Technology

8 時起床。珈琲、オレンジジュース、トースト、ソーセージと目玉焼き、 バナナの朝食のあと、出勤。 今日は昨日までに比べて随分と涼しくて過し易い。 9 時半くらいの定時出勤。午前、午後とお仕事。 今日は外に出るのもさほど苦ではないので、 昼食は近所のタイカレー屋さんにて。 ついでに本屋で、「闘うプログラマー」 (G.P.ザカリー著/山岡洋一訳/日経BP社)を買って、社に戻る。

この本は十年以上前の昔、やはりこの A 社にお世話になっていた頃、 A 社の天才プログラマ、十年後の今では「伝説のプログラマ」と呼ばれているようだが、 その K さんのお勧めで読んだ記憶がある。 ごく最近、新装版で再び出版されたので、買ってしまった。 今はもう知らない人の方が多いかも知れない、 "Windows NT" という OS の開発を巡る「激闘」 としか言いようのないドラマを描いたドキュメンタリ。 DEC 社で PDP-11 や VAX の OS 開発に携わった 「伝説のプログラマ」D.カトラーがこのドラマの主人公で、 NT 開発を請け負って Microsoft にチームごと移籍するところから、物語が始まる。 カトラーは当時、既に 46 歳、この業界では「老人」と呼ばれる年代である。 この本を初めて読んだ当時、私も仕事では NT を使っていたので、 まさにこれを作った人たちの話なんだなあ、という実感はあった。 しかし、今またこの本を読み直すと、 また別の種類の感慨がありそうな気がする。

18 時過ぎに退社して、近所の蕎麦屋にて夕食。 稚鮎の二色天盛り(変わり蕎麦は紫蘇切り)。 ヱビスの樽生ビールを飲みつつ、 稚鮎、小玉葱、アスパラガス、コーンのかきあげ、そしてまた稚鮎の天麩羅。 突き出しの蕎麦味噌で、十四代を一合だけいただいて帰る。

2009年7月30日木曜日

見出し

7 時半起床。珈琲、オレンジジュース、トースト、ソーセージと目玉焼き、 バナナの朝食。もうちょっとさらに追加してみようかな……。 今日も好天の中を出勤。朝から眩しくてサングラスがかかせない。 午前、午後とお仕事。昼食はまたビル一階弁当。 17 時過ぎに退社。 近所のスーパーで食材などを買って帰宅。 空調のスイッチを入れて、すぐにお風呂の準備。 夕食は、また冷やし中華を作る。具はトマト、胡瓜、錦糸卵、キムチなど。 赤ワインを一杯だけ。グラスに残ったワインで、 食後にダークチェリーのチーズケーキ。 夜はウィーナーの伝記「情報時代の見えないヒーロー」 (F.コンウェイ&J.シーゲルマン著/松浦俊輔訳/日経BP社) を読んだり。 数学用語がちょっと変だったり、翻訳が少々読み難いが、内容は面白い。

私は新聞の購読をやめて二十年近くになるが、 ニュースは各メディアからのリンクを集めたサイトでチェックしている。 (最近、それもほとんど読む必要がないような気がしてきたが、 それはまた別の話。) ご存知のように、短い一行のヘッドラインが集まっていて、 そこをクリックすると本文記事が読める形になっている。 ときどき、要約され過ぎていて、見出しの意味が分からないときがある。 今日は、「腕ひき空手の習熟度調べる印」 という見出しがあった。 想像するに、腕ひしぎ十字固めみたいな腕技主体の空手の流派があって、 その習熟度を表す帯の色のようなマークが作られたのだろうか? などと思いつつ、クリックすると、そこには思いがけない記事が掲載されていた。 インド南部の公立小学校で、生徒の空手の習熟度を見るため、 子供たちを地面に寝かせ、腕の上をオートバイで走った、とのことである。 保護者同意のもとの楽しいイベントだったとは言え、 当局は危険行為だとして再発防止を指示したそうだ。 「周囲には、教師や保護者と見られる大人たち笑って立っていた」(引用ママ)。 という脱字混じりの記事のしめくくりには、ほのぼのすべきなのか、どう反応すべきなのか……。 大人たち笑って立っていた、って。 複雑な気持ちのまま、「インドは元気だにゃ」とつぶやいて、 プログラミングに戻ったことである。

2009年7月29日水曜日

サイバネティクス

8 時起床。珈琲、オレンジジュース、トースト、ソーセージと目玉焼き、 バナナの朝食のあと出勤。 午前、午後とお仕事。昼食はいつものビル一階弁当。 今日は、先週から考えていたかなり厄介な問題を解決し、 我ながら良くやった感。 とは言え、その成果は、私以外にはおそらく誰も見ることのない、 ソースコードの中の数行に残されるに過ぎないのだが。 近所のカレー屋さんで夕食をとって社に戻り、 夜はミーティングを一つ。 帰宅は 21 時少し前。 これからお風呂。 今日は帰りが遅かったし、目下の問題も解決したし、 湯上がりには冷たいビールにしよう……

今日の読書。 「情報時代の見えないヒーロー 【ノーバート・ウィーナー伝】」 (F.コンウェイ&J.シーゲルマン著/松浦俊輔訳/日経BP社)。 ウィーナーの名前は、確率論を勉強している人にとってはお馴染どころか、 超ビッグネイムだが、 それ以外の人にとっては、 「サイバネティクス」という昔流行った学問の提唱者と言えば、 そんな人もいたっけなあ、という程度だろう。 この本はそのウィーナーの本格的な伝記でなかなか面白い。 特に、神童がそのまま成長した大天才、というイメージしかなかったので、 こんなに不遇な人だったとは思わなかった。

2009年7月28日火曜日

冷やし中華

7 時起床。普段ならすぐにかけ寄ってくる猫も流石に食欲がないようで、 よっこらしょという感じでやってくる。 ジノリの皿を見ると、昨日与えたキャットフードが珍しくまだ残っていた。 いつもの量まで追加してやったが、あまり食べる気がなさそうだった。 まあ、そもそも、あまり朝には食べない猫なのだが。 競争相手のいない一匹猫だからか、 キャットフードを与えたときは少し口をつけるだけで、 残りは一日かけて食べたいときにゆっくり食べているようだ。

自分の朝食は、珈琲、オレンジジュース、トースト、ソーセージと目玉焼き、バナナ。 すぐに出勤。言っても無駄だが、今日も蒸し暑い。 しかし、帝都に働く紳士たるもの、毅然と頭を上げ、 上唇を固くして、困難に立ち向かわねばならない。 困難にあるときこそ、その真価が発揮されるとは、 原家の男子について巷間に良く言われることである。 私は太陽をきっとばかりに睨みつけ、 知的な感じに蝙蝠傘をピシリと手の平に叩きつけると、 決然として会社に向かうのであった。 今日は 8 時半くらいに出社。 午前、午後とお仕事、昼食はビル一階弁当。17 時過ぎに退社。

蒸し暑い曇り空の中、スーパーで食材などを買って帰宅。 すぐにお風呂に入ってから、夕食の支度。 夕食は冷やし中華。具はトマト、胡瓜、茹で卵などに、胡麻だれのスープ。 ようやく我が家にも冷やし中華あり升。 食後に珈琲と、ダークチェリーのチーズケーキ。

2009年7月27日月曜日

二種類の仕事

7 時半起床。珈琲、トースト、ベーコンエッグ、バナナの朝食のあと、出勤。 今日もいい天気だ。午前、午後とお仕事。昼食は近所のタイ風チキンカリー。 17 時半くらいに退社。いつの間にやら外は雨。熱帯湿潤気候の中を帰る。 以前、ヨーロッパやアメリカから日本に駐在する外交官には「熱帯手当」がつく、 という話を聞いて、 一種の "P.C." (「政治的に正しくない」)ジョークなんじゃないかと思ったことがあるが、 最近は真実に違いないと思う。 スーパーで買い物をして、不快指数100パーセントの中を帰宅。 数学者で哲学者で平和運動家だったバートランド・ラッセルによれば、 人間の仕事には、物を動かして他の物に対する相対的な位置を変える仕事と、 人に命じてそうさせる仕事の二種類しかなくて、 前者は不快で賃金が安く、後者は快適で賃金が高い、そうだ。 私の仕事はどちらでありましょうか、母上さま……一休。

帰宅してすぐにお風呂に入る。そのあと、夕食の支度。 わりと気合を入れてオムライス。赤ワインを一杯だけ。 今日もまたチキンライスを作り過ぎてしまい、 夕食はオムライスをおかずにチキンライス、みたいな感じになってしまった。 夕食は少なめに、と心がけているところなのに、年寄の冷や水じゃったかのう……。 関西人だからか、出自の卑しさゆえか、 お好み焼きをおかずに御飯とか、饂飩をおかずにかやく御飯とか、 餃子をおかずにラーメンをスープにして炒飯とか、炭水化物攻撃は嫌いでない。 いやむしろ好きだ。

2009年7月26日日曜日

世界最悪の数学者

8 時起床。珈琲、トースト、ベーコンエッグ、バナナの朝食。 今日も良い天気で気温もかなり上がるそうだが、 外に出る予定がないので、大変けっこうなことだ。 午前中は掃除機がけの他は、少し数学など。 昼食は野菜炒麺と赤ワインを少し。 午後はまず昼寝から。30 分くらいのつもりだったが、 いつものように軽く二時間寝てしまった。そのあとの午後は読書など。 「エンプティ・チェアー」(J.ディーヴァー著/池田真紀子訳/文春文庫)。 夕食は御飯を炊いて、オクラ、沢庵、じゃがいもの味噌汁などの粗食。 食後に珈琲と小さなチーズケーキ。 夜は、C.L.ドジソンの翻訳仕事など、と思っていたが、体調不良のため、 寝転んで本など読みながら身体を休める。ただのサボリ病だとは思うけど。 さあまた明日から頑張りましょう。

シャーロック・ホームズの宿敵と言えば、 「犯罪界のナポレオン」こと、モリアーティ教授である。 おそらく、世界最悪の数学者であろう。 「人喰いハンニバル」こと、 ハンニバル・レクター博士も趣味で超ひも理論の研究をしているようだが、 実際、数学の教授職を勤めていた正当性からして、 モリアーティ教授に軍配が上がりそうだ。 コナン・ドイルは作品の設定に、 現実の事件や出来事を盛り込むのが常だったのでモリアーティ教授にも、 モデルだろうとされている実在の人物がいる。 アダム・ワースという犯罪プランナーで、 実際「犯罪界のナポレオン」と渾名されていたそうだ。 しかし、あくまでワースは、モリアーティ教授の犯罪側でのモデルだ。 ワースは数学を研究していたわけではない。 とすると、モリアーティ教授の数学面でのモデルは誰か、という謎が残る。 モリアーティ教授は、まず二項定理についての論文を書いて認められ、 イギリスの大学で教授職についた。 そのあと、犯罪に手を染めるようになり、大学周辺での「不穏な噂」 によって、辞職に追い込まれる。これが犯罪界への本格デヴュのタイミングかも知れない。 初めは主に級数の研究をしていたが、あとには、 「小惑星の力学」という有名な本を出版したことになっている。 これは非常に高度な純粋数学の専門書らしいので、 モリアーティは今で言うところの、力学系の研究をしていたのだ。 このモリアーティ教授のモデルになった数学者はいたのだろうか?

2009年7月25日土曜日

イタリア人 / アートとサイエンス

9 時起床。ああよく寝た。珈琲、トースト、ベーコンエッグの朝食。 今日は久しぶりに良い天気。外に出る予定がないので、けっこうなことだ。 少し体調が良くないので、今日一日は仕事をしないでぶらぶらしていることにする。 洗濯をして、外干しをする。 昼食は、ナポリタン。ちょっと手元が狂って、大量に作ってしまった。 皿の幅よりも盛りの高さの方が長いくらい。 昔、漫画かアニメでイタリア人がこんな感じのナポリタンらしきスパゲティの超大盛りを、 フォークにソフトボールくらいの大きさまで巻きつけて、 「ママのスパゲティは世界一だね!」とか言いながら食べているシーンを観たような気がする。 どこまでリアリティがあるのか分からないが……。 ちなみに、イタリアに留学していた知人によると、 本当に、イタリア人の男性はしょっちゅう電話でママとラブラブな会話をするそうだし、 本当に、横に座った女の子が誰であれその腕を撫で続けるそうだ。

昼食のあとは当然、昼寝。 ほんの半時間くらいのつもりだったが、二時間くらい寝ていた。 夕方になって、昼風呂に入り、湯船で読書。 「文芸的プログラミング」(D.E.Knuth 著/有澤誠訳/アスキー)より、 Turing 賞記念講演「芸術としてのプログラミング」(1974年)を読む。 何度読んでも、何か考えるところのあるエッセイである。 この中で、クヌースは、我々は常にすべてのアートをサイエンスに移しかえる努力をすべきだ、 なぜなら、そのプロセスでアートが進歩するからだ、と言っている。 サイエンスに移しかえろ、と言っているのではなくて、 そうする努力を常にすべきだ、それがアートのためになる、と言っているのだ。 深い。わたしたちは概ね、職人的、芸術的な手法と、 科学的、定量的手法を対立するものとして考えている。 ワインの老舗の作り手が昔ながらの作り方を守っていることを喜び、 科学的な調査と改良を試している、などと聞くと、眉をひそめたりするものだ。

最近は身体に負担をかけないように、 朝食を多めに、そして夕食をあまり食べないようにしている。 若い頃には体調が良いのが当たり前で、それに気付きもしなかった。 しかし今では、 あれ、今日は身体が軽いな、頭がすっきりしているな、という日があるのだ。 逆に言えば、それだけ平均のレベルが下がっているのだろう。 夕食はゴーヤチャンプルーとギネスビール。 食後にマンゴーの小さなケーキと、珈琲。

2009年7月24日金曜日

シメイ(赤)

7 時半起床。 珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグ、バナナの朝食のあと、すぐに出勤。 今日も蒸し暑い曇り空。午前、午後とお仕事。昼食はまたビル一階弁当。 面倒なバグが発覚。原因は突き止めたが、直すのには工夫が必要のようだ。 デバグは原因を突き止めるところは面白いが、 直すのはあまり面白くないことが多い。 今回はちょっと難しそうなので、面白いかな。 18 時から社内のセミナに参加。 そのあと、隣のフロアで軽食など提供していたので、ご馳走になってくる。 焼きそばとか、シメイビール(赤)とか。帰宅は 21 時過ぎ。

雨が降る寸前まで一杯一杯に湿気を含んだ曇りの日の毎日。 いっそ雨になってくれる方が、どんなに快適か知れない。

2009年7月23日木曜日

白粉花

8 時起床。ちょっと寝坊。 珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグ、バナナの朝食のあと、すぐに出勤。 今日も蒸し暑い曇り空。 この不快な気候のせいだろうが、相変わらず体調がいまひとつ。少し頭痛もする。 午前、午後とお仕事。昼食はビル一階弁当。 日替わりのおかずあれこれと御飯に、 無料のふりかけと味噌汁の素がついて、450 円 (御飯少なめは 400 円、大盛りだと 500 円)。安い。 17 時半くらいに退社。身体中の汗腺がふさがれているような、 皮膚呼吸が出来ないような、不快な湿度。 もうたまりません……。大暑にしては気温が 30 度程度と、かなり低めなのだけが救い。 スーパーで食材などを買って帰る。

帰り道に白粉花(オシロイバナ)が咲いていた。 わしが子供の頃には家の周りに沢山の白粉花が咲いていて、 色々な遊び方をしたものじゃった。 今の若いもんは、白粉花はどうして白粉花と言うのかさえ、 知らないじゃろうがのう……どっとはらい、よっこいしょういち、と。 帰宅して即、エアコンのスイッチオン、かつ、お風呂の準備。 湯上がりに、豆腐とオクラの胡麻ドレッシングサラダ、白ワインを少し。 ちょっと落ち着いてから、ピーマンともやしだけの野菜炒麺で、赤ワインを少し。

去年までは夏休みが二ヶ月弱もあって、それでも、短いとか、休みなのに忙しいとか、 文句を言っていたのだが、今年は夏休みが二日だ。 でも二日だけだと、この二日の休みをどこでとってやろうか、 と、何だか楽しくなるのが不思議だ。 八月あたりに月曜か金曜を休んで週末を一日拡大するのもいし (しかも、二回も可能だ)、 または九月の連休の隙間の二日を埋めるのも楽しそう。 わが心の師セネカが、倹約しなければどれほど多くの財でも足りないし、 また倹約すればどれほど僅かな財でも十分に使えないということもない、 と書いていたのはこのことであろうか。

2009年7月22日水曜日

完璧とは

7 時過ぎに起床。珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグ、バナナの朝食のあと、 すぐに出勤。 8 時半くらいに出社。今日は今にも雨が降り出しそうで降らない、 湿度も気温も高い曇り空。 午前、午後とお仕事。昼食はビル一階のお弁当。 昨日も体調が悪かったし、今日もそれほど良いとは思えなかったのだが、 何故か朝から絶好調で、(自分にしては)猛烈な勢いでプログラミングする。 週末までにテストできればいいかなあ、と思っていたところを、 午後の早い時間には完了。しかし、テスト結果はよろしからず。 16 時過ぎに退社。外は小雨。 目の前の空気から雨が滲み出ているみたいな雨。 帰宅して、エアコンをつけて、すぐにお風呂に入る。 夕食は、豆腐とオクラの胡麻ドレッシングサラダ、生麩の田楽、ギネスビール。 食後に小さなチーズケーキと、珈琲。 夜は数学など、少し。

ルイス・キャロルの発案した暗号についての文章を読んでいると、 どうも数学的センスに欠けるな、と思うところがある。 基本的なアイデアはよいのだが、 そのあと、複雑にするためにこういう手続きを加える、 またこういう手続きを加えてもよい、と、 どんどんシステムがアドホックに汚なく複雑になっていくのだ。 現代的なセキュリティ設計の立場とは、全く逆向きの発想と言えよう。 大抵の数学者は、 「完璧とは、これ以上つけ足すものがないことではなくて、 これ以上削るところのないことだ」、 というサン・テグジュペリの言葉に共感するものだ。 とは言え、暗号もそうだが、ソフトウェアはそれを使う人が価値を決めるので、 サン・テグジュペリ流は全く通じない、ということもある。 ソフトウェアの売り上げを増やす最も効果的な方法は 「新機能の追加」だとよく言われる。 本当はむしろない方が良いくらいの機能でも、追加されていると人々は喜ぶ。 それに、どんな機能でも削ると、誰かが文句を言う。 「新ヴァージョンでは、あの機能がなくなりました! あの馬鹿げた機能も、あの無意味な機能も! 新アウト○ックは超シンプル、メイルが読めて出せるだけ!」 という宣伝に魅力を感じる消費者は、残念ながら、あまりいないし、 ましてや、お金を出して買い替えてくれるとも思えない。

2009年7月21日火曜日

7 時半起床。珈琲、トースト、バナナの朝食のあと出勤。 今日は雨で、かなり涼しい。9 時少し前に出社。午前、午後とお仕事。 昼食は近所のタイカレー屋さんにて。17 時半くらいに退社。 スーパーで食材を買い、雨の中を帰宅。 気温が低いとは言え、不快な湿度の高さは同じ。 前々から思っているのだが、「傘」は間違った発明品だと思う。 本当に、雨を防ぐ他の方法はないのだろうか。 そもそも、屋根やエアコンや情報ネットワークがありながら、 何故、あんな不便で変なものをさして外に出なければならないのか。 あの形状と使用方法からして、不便でも不恰好でもないのは、 ハンドバッグすら自分で持たなくていいお嬢さんが日傘として使う時くらいじゃないか。 どうして、この賢い人類が、雨の中を快適に移動する方法を発明できないのか、 あるいは、 既に雨の日も快適に暮らす色々な方法を発明していながら、 何故、あえて不便で不快な方法で外出せざるを得ないのか、本当に不思議だ。 あくまで想像だが、非常に賢い人たちは皆、 既にこの問題を解決してしまっているのではないか。 ただ、それを分け与える方法がないのだろう。

ずぶ濡れになって帰り、すぐにお風呂に入ってから、夕食の支度。 やはり連休でペースを崩したせいで、かなり調子が悪く、 とにかく眠くてしようがない。 10 分で作れるもの、と考えて、夕食は、 ちぐさピーマンともやしの炒麺。赤ワインを一杯だけ。 食後に珈琲と、マンゴーの小さなケーキ。 夜は、C.L.ドジソンの翻訳を少しだけ進め、 今日依頼があった教科書の書評を書くためのフォルダだけ作って、 TeX のスタイルファイルを確認する。 おそらく、22 時くらいには寝てしまいそう。

2009年7月20日月曜日

結婚ってフケツ

8 時起床、のつもりが、9 時起床。 珈琲、オレンジジュース、トースト、バナナの朝食。 今日は「海の日」だし、世間ではこれから二ヶ月の夏休みに浮かれる時期なので、 私としても何かヴァカンス気分を盛り上げようかな、と思い、 Gmail の背景を "Summer Ocean" にした。 朝風呂に入って、湯船で塩野七生の「海の都の物語1」(新潮文庫)を読む。 読了。まだ全六巻の第一巻だけの感想だが、つまり司馬遼太郎だな、という感じ。 それがヴェネチア人の商人魂、とか、所詮それがフランス人、みたいに、 「民族性」で片付けてしまうのでかなり浅薄に読み物に思えたが、面白くは読めるし、勉強になる。

昼食は御飯を炊いて、生麩のお味噌汁、だし巻き卵など。 普段は観られないので、TV のワイドショーみたいなものを観る。 どうやら、今日の最大のニュースは「西川先生」という芸能人の結婚らしい。 前々から思っていたのだが、どうして芸能人の結婚ってニュースなのだろう。 何だか猥褻なイメージがして、くすぐったくなるのだが。 そう言えば昔、桃井かおりさんが、 「結婚してる人たちってさぁ、デキてるのよねぇ、 それってフケツよねぇ」 とおっしゃっていたが、このことだろうか。 全然関係ないけれど、彼女が女子アナウンサに 「どうしたら桃井さんみたいな、『いい女』になれますか?」 と訊かれて、「とりあえず煙草吸いなさぁい。煙草吸えばぁ、 感じつかめてくるから」、 と答えているのを聞いて、大笑いしたことがある。 桃井かおりさん本人のことを全く知らないけれど、素晴しく頭の良い人に違いない。 おそらくあまりに頭が良過ぎて、若い頃は生き難かっただろう。 基本的に、頭の良い若い女性は、生き難い。 でも、年をとると逆に、楽しく暮らせるようになるみたいだ。

午後はまた一時間ほど昼寝のあと、アイスコーヒーを飲みながら、数学とか。 数学では、簡単に分かることはすぐに分かって、簡単に分からないことは大抵分からない。 金曜日の夜以降、三連休の間、一歩も外に出なかったので大変に快適だった。 連休のしめくくりに、日の明るい内に、冷えたギネスビールを飲む。小確幸。 そのあとの夕食は、梅マヨネーズ炒飯。 夜は休暇用に買っておいた本の読書など。

できるだけ身軽に、を心がけているものの、 どうやらまた引越しなければいけないようで、 名付けて「プロジェクトM」を発足。 英単語二つのコードネイムは "Summer Ocean" にしておこう。 実行が決定した場合には、完了予定は 2009 年 12 月 31 日から 2010 年 12 月 31 日の間。

2009年7月19日日曜日

ハッカーと掃除機

寝坊。9 時まで寝てしまった。 珈琲、オレンジジュース、ベーコンエッグ、トースト、バナナの朝食。 午前中は掃除機がけの他は、 「コフィン・ダンサー」(J.ディーヴァー著/池田真紀子訳/文春文庫) を読む。読了。事故による四肢麻痺で引退した元科学捜査官リンカーン・ライムと、 その目と手足になって働くアメリア・サックスのシリーズの二作目。 このシリーズは第一作「ボーン・コレクター」しか読んでいなかったのだが、 相当の量が文庫になってきたので読み始めた。 「コフィン・ダンサー」も相変わらずのディーヴァー節で面白かった。 昼食は、冷や御飯に生湯葉とあさつきをのせて沢庵を添え、熱い味噌汁をかけて食べる。 食後に少しだけ、アルザスのピノ・ブランを飲んで、一時間ほど昼寝。 午後は、読書など。 夕食は、半兵衛麩のよもぎ麩と利久坊をオーヴンで少し焼いて味噌田楽にし、 あとは素麺。食後に煎茶と笹巻麩。しばらく、お麩三昧だ。 夜は数学など。

ディーヴァーはリンカーン・ライムのシリーズに限らず、 常に天才的探偵と天才的犯人の戦いが主題で、 ワンパターンと言えばそうなのだが、割と好きな作家だ。 ジャーナリズム学科の出身で、記者や弁護士を経てから作家になっただけあり、 調査と描写が行き届いている。 「コフィン・ダンサー」では、いつものように科学捜査が詳しく描かれる他に、 登場人物の一人がパイロットなので、飛行機操縦が詳細に描写される。 他の例では、ハッカー同士の戦いを描いた「青い虚空」(J.ディーヴァー著/土屋晃訳/文春文庫) も、相当勉強したのだろうな、という感じがした。 「青い虚空」で一つ感心したのは(前にも書いたが)、 ハッカーが一宿一飯の恩義に、壊れていた掃除機を直して行くところだ。 普通ならその「ハッカー」がいかに凄いか、いかにホンモノか、 ということを描写するのに、CIA のシステムに侵入した、とか書いてしまうものだ。 しかし、このハッカーは他の人が寝ている間に、 ディナーナイフと胡桃割りを工具代わりに掃除機を直すのである。 連れの刑事が、掃除機にも詳しかったのか、と驚くと、ハッカーはこう言う。 「知らなかった。だけどなんで動かないのか興味があったんだ。 いまはもう掃除機のことなら完璧だ」。 私が思うに、まさにこれがハッカーだ。

2009年7月18日土曜日

パームレスト

三連休なので、初日は完全休日。8 時半起床。 珈琲、オレンジジュース、ベーコンエッグ、トースト、バナナの朝食。 午前は、洗濯をしたあと、読書など。 昼食は豆腐のサラダと素麺。白ワインを一杯だけ。 午後は昼寝から。 いくらでも眠れそうだったが、3 時間弱にとどめておいた。 夕食まで読書。 夕食は御飯を炊いて、生湯葉の山葵醤油、沢庵、 小巻湯葉とあさつきの味噌汁で、清貧の食卓。 食後に笹巻麩と煎茶。 お麩と湯葉は昨夜、京都のワイン屋から届いたもの。

4 月から毎日かなりの時間、キーボードを叩いているので腱鞘炎らしきものになり、 少し前までペンを持つのすら手首が痛むような状態だったのだが、 パームレストを導入したらすっかり良くなった。 常々、あれって本当に役に立つのかなあ、と疑っていた自分を反省。 ちょっと手首の位置が高くなるだけで全然違う。 こんなに安価でこれほど私の生活を改善したものは、 コスト比で言えば、ここしばらくなかったくらい。 米炊き用土鍋を購入したときも感激したが、 やはり、ものごとをもっと良くするものと、 悪いことを取り除いてくれるものを比較すると、 後者の方がインパクトが大きい。

どんなに素晴しいものを手に入れても、 喜びは急速にゼロに向かって逓減していくものだが、 不幸や痛みや面倒が取り除かれるのはずっとありがたい。 セネカなどストア派が主張している人生の奥義や、 また、ポルノ作家だった頃の姫野カオルコが、 男より瓶の蓋あけ器の方が良い、と書いていたのは、 まさにこのことではないか。 その意味では、「私はあなたをこんなに幸せにできますよ」と言うよりは、 「私はあなたのこんな面倒を取り除いてあげられますよ」 と言う方が、魅力はなくても、実際は良い提案なのかも知れない。 そもそも前者はほぼ確実に嘘だ。幸せは永遠には続かず、翌日から色褪せ始める。 一方、後者は日々ありがたい。 うーむ、パームレスト一つで考え過ぎか……。

2009年7月17日金曜日

小鰭

7 時起床。珈琲、オレンジジュース、ベーコンエッグ、トースト、バナナの朝食のあと、出勤。 雨が降ったようで、外は涼しい。 今日はちょっと過しやすいかなあ、と思って歩いているうちに、 やはりどんどん蒸し暑くなってきた。 8 時半に出社。午前、午後とお仕事。 また昼食は、ビル一階弁当。17 時過ぎに退社。 本屋で、「コフィン・ダンサー (上・下)」 (J.ディーヴァー著/池田真紀子訳/文春文庫)を買ってから、 近所のお鮨屋さんまで歩いていく。 その途中で、かなりの行列が出来ているのを見かけて、 何だろうなあ、と思ったら、噂の「ラーメン二郎」だった。 神保町にもあったらしい。噂だけは R 大学の「次郎」から聞いていたが、 聞くからに怖そうで、素人がうっかり足を踏み入れてはいけない店らしかった。 いずれ一人で入る勇気が出たら、「二郎」にチャレンジしてみよう。

それはさておき、夕食はお鮨屋さんにて。 中とろ、縞鰺、赤貝、穴子、大とろ。 途中で酢〆めを何か、と頼んだら、 小鰭(コハダ)はもうちょっと待って下さい、とのことである。 そういうつもりで言ったのではなかったのだが、 やはりこちらでは、この季節のお鮨屋は何と言っても、小鰭なのだなあ、と思った。 京都のお鮨屋さんでも、江戸前と言う以上は小鰭をおいている。 しかし、お客さんにはそれほど興味を持たれていなかったように思う。 新子、つまりこの時期の小鰭の幼魚はべらぼうな値段なので、 私のような下々の民草が口にすることはないものの、 普通の小鰭は私の好きな鮨だねだ。 そもそも、見ためが美しい。外見が綺麗なお鮨、私のベストスリーは、 縞鰺、小鰭、かすご、いやいや、やはり車海老に、鱚(きす)に、……

2009年7月16日木曜日

キャロルの暗号

7 時過ぎに起床。珈琲、オレンジジュース、ベーコンエッグ、 トースト、バナナの朝食のあと出勤。今日もいい天気だなあ……(溜息)。 午前、午後とお仕事。昼食は、ビルの外の熱気の中に出る元気がなくて、 ビル一階で売っているお弁当。もうすっかり、昼は一階お弁当派の私。 17 時過ぎに退社。外はまだ、かんかん照りの上に、 湯が絞れそうな湿度。スーパーで買い物をして帰宅。 A/C のスイッチを入れたら、すぐにお風呂。 湯上がりに、出来合いの胡麻ドレッシングで豆腐のサラダを作り、 白ワインを一杯だけ。そのあと、素麺を一束。 素麺って、一束ではちょっと物足りないし、二束ではちょっと多い。 夜は、C.L.ドジソンの翻訳など。

ルイス・キャロルこと、C.L.ドジソンはアリスの小説などからも分かるように、 言葉遊びの類が大好きだったので、けっこう真面目に色々な暗号を考案していた。 イギリス軍に提案したことさえあったようである(しかし、返事はなかったらしい)。 今、訳しているのはその一つ、「行列暗号」についての文章。 なかなか巧妙な暗号で、基本は次のようなアルゴリズムである。 アルファベットを 5 x 5 の正方形型に並べておく (英語のアルファベットは 25 文字以上あるが、そこは適当に調整)。 そして鍵になる単語に対してメッセージのアルファベットを、 鍵のアルファベットから見て上の正方形のどこにあるかでもって、暗号化する。 例えば、鍵 "ALICE" でメッセージ "I AM ..." を暗号化するとしよう。 まず、メッセージの最初のアルファベット "I" を、 鍵の一文字目 "A" から見て "I" が表のどこにあるかで表す。 (例えば、"A" から右に 1 列、下に 3 行、移動したところに "I" があれば、"1.3." など)。 次はメッセージの二文字目 "A" を、鍵の二文字目 "L" から見て、 表のどこにあるかで表す、というようにこれを繰り返して暗号化する。 専門的には「多表式暗号」に属するもので、 同じ文字でも鍵のどの文字で暗号化されるかによって、違う文字に変換されるのが味噌だ。 その意味で、シャーロック・ホームズの「踊る人形」暗号などよりは高級で、解くのが難しい。 とは言え、19世紀後期であっても、プロの手にかかれば簡単に解かれただろう。 しかし、この「行列暗号」は大変単純で使い易いのに、 かなり複雑な多表式になっていて、変換も強く非線形で面白い。 ある意味、時代に先駆けていたと言えよう。

2009年7月15日水曜日

ガラス栓

7 時半、起床。珈琲、オレンジジュース、目玉焼きとソーセージ、 トースト、バナナの朝食のあと出勤。 今日もいい天気だなあ……(溜息)。午前、午後とお仕事。 昼食は、外の熱気の中に出る元気がなくて、 ビルの一階で売っているお弁当。 18 時過ぎに退社。外はまだ 30 度を越す気温で、湿度も高い。 ぐったりして帰宅。すぐにお風呂に入る。 夕食は、素麺。ガラス栓の白ワインを一杯だけ。

こんなあっさりした日記の日もあります。

2009年7月14日火曜日

ドレッシング

7 時半起床。オレンジジュース、ベーコンエッグ、パン、バナナの朝食のあと出勤。 今日は昨日よりはずっとましで、朝はわりと涼しい。 ちょっと遅れたが、何とか 8 時台に出勤。 午前、午後とお仕事。昼食は近所のタイカレー屋さんにて。 夕方 17 時過ぎに退社。帰りはちゃんと蒸し暑い……。 帰宅して、エアコンのスイッチを入れ、シャンパングラスを冷やし、 お風呂に入る。 湯船の読書は "The Science of Fear" (by D.Gardner / Plume). 湯上がりにまたミモザ。 夕食は、昨日のローストビーフのサラダの残りのあと、素麺を一把だけ。 食後にアイスコーヒー。 夜は数学を考えたり、C.L.ドジソンの翻訳をしたり。

自分で作った方が明らかに美味しいものと、 どうやってみても出来合いの市販品の方が美味しいものがある。 私が思うに前者としては、おむすびがそうだ。 どんな人でも、御飯を炊いて塩をつけた手で丸めただけで、 コンビニエンスストアのどのおむすびよりも美味しいものが出来る。 後者では、例えば、ドレッシングがそうじゃないだろうか。 時々、あまり料理なんかしなさそうな女の子が、 得意料理はサラダ、などと言うものだが、それが本当なら大したものだ。 私には、今のところどうやってみても、 市販のドレッシングより美味しいものが作れない。 雲泥の差、と言ってもいいくらい駄目だ。 そう言えば、サラダというものは、 今まさに朝露で輝くものを裏庭で摘んできてインスピレーションのおもむくままに盛ったがの如く、 であって、初めて商品として出せるのだ、と聞いたことがある。 そうでなければ、ただの生野菜盛りでしょう、と客に言われかねない。 実際、朝に裏庭で摘んできて盛っても、サラダではない。 そうであるかの如く、計算され、調理されたものが、サラダなのだ。 何とも難しそうなものである。

2009年7月13日月曜日

ミモザ

7 時半、起床。 珈琲、野菜ジュース、スクランブルエッグとソーセージ、バナナの朝食。 適当にお弁当を詰めて、出勤。朝はまだ少しは過し易い。 午前、午後とお仕事。昼食は持参のお弁当。夕方、17 時過ぎに退社。 サマータイム作戦の欠点は、退社時間にはまだ外が蒸し暑くてたまらないことだ……。 今日は今年一番の暑さとのこと。もう消えてしまいたいくらい。 いつかこんな目にあわずに済むようになりますように、と自分にお願いしておいた。 スーパーで食材を買って帰宅。除湿スイッチを入れてから、 すぐにお風呂に入る。 湯上がりに、ふと閃いて、ミモザを作る。 ヴィーヴァ、ミモザ……。ああ、ようやく生きた心地。久しぶりに良いアイデアだった。 夕食は、ミモザとともに、出来合いのローストビーフのサラダ。そのあと、素麺。 夜は数学と翻訳仕事を少しずつ。

2009年7月12日日曜日

大人の選挙

8 時過ぎに起床。 珈琲、野菜ジュース、トースト、目玉焼きにソーセージ、バナナの朝食。 洗濯や掃除機がけなどの家事。 昼食はカルボナーラ。アルザスのスパークリングを一杯だけ。 午後はまずお風呂に入ってから、少し昼寝。 夕食の支度まで、アイスコーヒーを飲みながら、 読書をしたり、数学をしたり、翻訳をしたり、少しずつ交代に。 毎日こんなことをしていられたら良いのだが、 私の計画が最も早く達成されたとして、そんな生活は 7 年後になる予定。 読書は「海の都の物語 1」(塩野七生/新潮文庫)。 ヴェネチア建設の土木工事の話のところ。 普通の歴史書ではこういうことはあっさりしか触れないが、 大事なところなので詳しく扱う、と書いているのに、これもわりとあっさりだ。 私は先祖が土建屋だったせいか、土木工事の詳細な話が嫌いでないので残念。 まるごと一冊くらいかけて説明して欲しい。 夕食は御飯を炊いて、高野豆腐、沢庵などの粗食。 夜も翻訳仕事など。

学生時代のことだが友人が、選挙の投票開票日にはビールと焼き鳥を買い込んできて、 TV で選挙速報を観るのが楽しみ、と言うのを聞いて、 「大人だなあ……」と思った記憶がある。 やはり民主主義国に住む大人たるもの、選挙に興味を持たねばならない。 一方、アテネ市民ですらソクラテスを多数決で死刑にしたくらいだから、 「民意」なんて信用できるものではない、 なんてことをけっこう本気で思わないでもないからか、 私自身は選挙にもう一つポジティヴな興味が持てない。 とは言え、ネガティヴな意味での興味、つまり警戒心を持っているので、 どんなレベルの選挙でも投票には行っている。 思うに選挙は、皆で一番いい意見を納得しあう調整機能だと 誤解できる ポジティヴな面と、 半数以上がそう選んだことをアリバイに暴力的決定をする装置に過ぎない、 というネガティヴな面の、両方を持っていることが良いところなのだろう。

2009年7月11日土曜日

一日無為

9 時過ぎに起床。珈琲、野菜ジュース、トースト、ベーコンエッグの朝食。 家計簿つけとかしているうちに昼。 昼食は、絹莢とベーコンのアーリオオーリオ、 アルザスのスパークリングを一杯だけ。 午後も昼寝をしたり、読書をしたり、とのんびり。 夕方、涼しくなったころに外出。 スーパーで買い物のついでに、 都議会議員選挙の期日前投票もしておく。 夕食は、高野豆腐と素麺。夜は読書など。 「イノベーションの神話」(S.Berkun 著/村上雅章訳/オライリー・ジャパン)。 大変、面白い。 何か新しいものを生み出すことを考えている人におすすめ。

2009年7月10日金曜日

蕎麦屋 / だまし絵 / チーズ資格試験

7 時起床。珈琲、野菜ジュース、トースト、スクランブルエッグとソーセージの朝食。 スクランブルエッグとソーセージの半分はお弁当にも詰める。 8 時半に出社して、午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 18 時頃、退社して、 近所の蕎麦屋にて夕食。 変わり蕎麦の紫蘇切りがもうなくなっていたので、 やむなく、鱧天ざる。ヱビスの生ビールを飲みつつ、 次々に揚げたてが運ばれる天麩羅を食す。 鱧、茗荷、オクラ、小玉葱、最後にまた鱧。

その後、渋谷に出て、 Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の 「だまし絵展」を観る。 アルチンボルドの「ルドルフ2世」が目玉らしかったが、 日本の描表装(かきびょうそう)も面白かったし、 マグリット、デルヴォーの作品はやはり素晴しい。 錯覚ものもけっこうあって、 特にパトリック・ヒューズの「水の都」の前では、 女子高生たちが「これヤバーい、なにこれー、目が変になるー」 と大騒ぎしていて、微笑ましかった。 だまし絵自体とはあまり関係がないが、 円筒形の鏡を真ん中において写すとちゃんとした絵に見える、 という作品の参考として、 キルヒャーの原書が展示されていたのに驚いた。 普段は金沢工業大学にあるらしい。 何故に、そんなところに。

折角、渋谷まで出てきたので、青山骨董通りのバーに顔を出す。 客がいないどころか、店主もおらず、犬と一緒に店の留守番。 しばらくすると、店主が帰ってきた。 コンビニエンスストアに「朝の珈琲」を買いに行っていたそうだ。 モヒートと、シャンパン(ルイ・ロデレール)を一杯ずつもらう。 この女主人は、ソムリエと、葉巻と、チーズのプロ資格を持っている。 そういや、知り合いにチーズの資格試験になかなか受からない、 って人がいるんだけど、その試験ってどういうものなの? と訊いてみた。 彼女が力説(自慢?)するには、 「チーズ資格はワインより難しい」、 とのことである。 一次試験(筆記)のポイントは、サイズや乳脂肪分などの数字の丸暗記、 および、発酵過程の理解だそうだ。 受験者は文系的な人が多いので、そのあたりが勝負を分けるらしい。 二次試験(カッティングとプレゼン、テイスティング) のポイントは、前者は小学校の先生になったつもりではきはきと、 後者はブラインドによる徹底的な訓練だそうだ。 しかし、テイスティングの対象となるチーズの当たり外れがあり、 出題がたまたま「青カビばかり 6 種類」などのケースもあるため、 運も関係するとのこと。 協会が試験の前にセミナを開くので、 それに出席しておくとその年の感じがつかめて良い、 とか、何とかいうスクールに通うと良い、 とか、随分と熱心に教えてくれたのだが、 私が受験するわけではないので、馬の耳に念仏(?)の感があった。 シャンパンを飲み終えた頃、急にお客さんが次々と現れて、 狭い店が一杯になったので、チーズ講座はそこまで。 私もそこで帰ることにした。

2009年7月9日木曜日

本三冊

7 時過ぎに起床。今日もまた蒸し暑い……。 珈琲、野菜ジュース、トースト、ベーコンエッグ(玉子は一つ)の朝食のあと、出勤。 8 時半に出社。 午前、午後とお仕事。昼食は近所の定食屋さんにて。 近所の本屋で、「イノベーションの神話」(S.Berkun 著/村上雅章訳/オライリー・ジャパン) などを買って社に戻る。 17 時過ぎに退社。 何だか最近、塩野七生さんの「海の都の物語」(新潮文庫)を勧める知人が多いので、 本屋で一巻目だけを買って帰る。 帰宅すると、amazon から "The Science of Fear"(D.Gardner/Plume) が届いていた。 こういう本は面白そうだな、と思ってすぐに買ってしまうのだが、 もたもた読んでいるうちに翻訳が出て、 結局そちらも買ってしまう。そして、原書は読みさしたままになる。 ちょっと情けない。

帰宅してすぐにお風呂に入り、湯船で「イノベーションの神話」を読む。 保温を切ってぬるめのお湯に入っていたら、 面白くて読み耽っている間に、湯が水になっていた。 夕食は、御飯を炊いて、絹莢の味噌汁と沢庵などの粗食。 夜は、30 分ほど数学、30 分ほど翻訳仕事。

2009年7月8日水曜日

Nothing or Something

7 時過ぎに起床。今日も蒸し暑そうだ。 珈琲、オレンジジュース、トースト、茹で玉子の朝食のあと、出勤。 8 時半くらいに出社。 午前、午後とお仕事。昼食は近所の居酒屋のランチメニュで、ハンバーグ定食。 夕方 17 時過ぎに退社。サマータイム作戦は着々と進行中。 スーパーに立ち寄ってから帰宅。 帰り道の蒸し暑さにうんざり……。 洗濯機に洗濯を任せつつ、夕食の支度。 ざる饂飩と、冷たい高野豆腐と絹莢。 白ワインを一杯だけ。食後に珈琲と、レーズンチャイルド。 夜は、数学とか、翻訳とか。

19 世紀末に "Educational Times" という雑誌の中で、 ルイス・キャロルこと C.L.ドジソン(ドッドソン)を中心にして、 線分の上にランダムに一点を選ぶときに、 それが事前に決めておいた点と一致する確率はゼロなのか、 という議論が繰り広げられていた。 意見はおおむね、「全くのゼロである」派と、 「無限に小さいがゼロではない何か」派に分かれていた。 ちなみにドジソンは後者だった。 これは現代的な確率論の立場からすれば間違いで、ゼロが正しい。 しかし、21 世紀の現代でも、そう普通の人に説明すると、 「でもその点が選ばれるかも知れないじゃないか、 つまり確率はゼロではないだろう」、と反論されることがある。 まさにそこが味噌で、「確率がゼロである」ことと、 「絶対に起こらない」ことは同じではないのである。 ここのところを厳密にとらえて理解するには、 ルベーグ積分論の成立を待たねばならなかったので、 19 世紀末にはやはりここで皆が行き詰まっていた。 ところが、面白いのは、「無限に小さいがゼロではない」派のはずのドジソンが、 正しい思考実験を問題として提出しているのだ。 つまり、線分上にランダムに一点を選ぶとき、 その点が線分を同じ長さで割れないような二つの長さに分ける確率はいくらか、 逆に、そうならない確率はいくらか、とこの雑誌に出題している。 つまり、選んだ点が有理数である確率、無理数である確率を問うているわけで、 そこまで迫っていながら、何故、正しい道へ歩めなかったのか。 答が分かっている我々からしてみれば、ちょっと奇妙な感じさえする。

2009年7月7日火曜日

サマータイム

7 時半起床。今日は良い天気だが、蒸し暑いことには変わりない。 珈琲、オレンジジュース、トースト、茹で玉子の朝食のあと、出勤。 朝は少しは涼しい。駅前では、都議会議員選挙の候補者たちが、 白い手袋をして挨拶をして周っていた。もちろん通勤者たちは全員、無視している。 きっとこういう選挙活動のあり方が、政治家の心を蝕むのだろうなあ、と思う。 8 時半には間に合わなかったが、かなり早めの出社。 午前、午後とお仕事。昼食はタイカレー屋さんでチキンカリー。 17 時過ぎに退社。自主的サマータイム作戦実施中の私としては、 今週は 8 時半出社、17 時退社を目指したい。 さらには、7 時出社、16 時退社くらいまで持っていけたらな、と。 そして、朝食を多めに、夕食を少なめに、と段々移行していく予定。 帰り道では、相変わらず都議会議員選挙の選挙カーが走り周っていた。 自民党、民主党、共産党と、どこも同じく、 白いバンの中からアルバイトのお姉さんが挨拶をしながら、 白い手袋をした手を振って行く。 どうしてこの変な活動がなくならないのか、本当に分からない。 そんな暇があったら、マニフェストを出してほしい。

帰宅すると、ルイス・キャロルの "Pillow Problems" の原書コピーが宅急便で届いていた。 先日のお茶会で、何となく安請け合いしたのだったが、 流石出版社は隙を与えない。 帰宅してまずは除湿スイッチを入れ、すぐお風呂に入る。湯船で読書。 「インターネットが死ぬ日」(J.ジットレイン著/井口耕二訳/ハヤカワ新書)。 夕食は出来合いの焼き餃子と、赤ワインを一杯だけ。 食後に珈琲と、レーズンチャイルドという名前の菓子パンのようなケーキのようなもの。 夜は、K 大の某先生が送ってくださったノートを読んだり、 キャロル関係の翻訳仕事をしたり。

ゾロ目で気付いたが、おや、もう七夕だ。 早いものだ。星は見えないようだが、 良く生き、良く死ねますように、と夜空にお願いし、 そして私の周囲から選挙カーと電信柱とパチンコ屋と夏がなくなりますように、 と自分にお願いしておいた。 私が死ぬまでに一つでも叶えばいいのだが。

2009年7月6日月曜日

絹莢

8 時起床。昨日昼寝をし過ぎたせいだろう、 眠りが浅くて、寝起きが辛い。今日も曇り空で蒸し暑い。 珈琲とトーストの朝食のあと、出勤。 今日はちょっと早め、9 時過ぎに到着。 朝は人も少なくて落ち着くので、朝型への移行作戦を模索中。 名付けて、自主的サマータイム作戦。 午前、午後とお仕事。 昼食は昨日作った貧乏散らし鮨のお弁当。 18 時過ぎに退社。外に出ると、これまた猛烈な蒸し暑さ。 空気がべったりと肌にまとわりついてくるようで、 不快この上なし。こんな季節が一年の内に一ヶ月もあると、 やはり国民性にネガティヴな影響を与えずにはおかないだろうな……、 と思いつつ帰る。 梅雨から夏にかけてはどこか涼しいところに避暑できるように、 いつの日にか、なりたいものだ。 帰宅して、即座にエアコンの除湿スイッチオン。ああ快適。 夕食は、高野豆腐と絹莢の玉子とじと、素麺の梅肉添え。 せめて食事だけでも爽やかに決めてみました。

2009年7月5日日曜日

「ビューラー……ビューラー……」

9 時半起床。珈琲、オレンジジュース、トーストの朝食。 今日も曇り空。今日も変な蒸し暑さだが、家の中にいる分には関係ない。 午前中は読書をしたり、のんびり。 昼食は、アーリオオーリオと、ポテトサラダの残り。 お風呂に入ってから、少し昼寝……のつもりが、3 時間近く寝てしまって、自分でも驚いた。 夕飯の支度まで、DVD で「フェリスはある朝突然に」(J.ヒューズ監督・脚本・制作、1986年)を観る。 この映画に出てくる、この建物が売り出された、 というニュースに刺激されて。こんな素晴しい物件が、たった 2 億 3 千万円。 日本に住んでいるのが馬鹿らしくなるくらい、滅茶苦茶に安い。 もし日本にあったら、十倍はするんじゃないだろうか。 夕食は、玉子、高野豆腐、じゃこなどの貧乏散らし鮨。白ワインを一杯だけ。 食後にチーズとパンを少し。

「フェリスはある朝突然に」は既にクラシック化しているコメディ (日本では全く評価されなかったようだが)。 簡単に言うと、主人公の高校生フェリスが学校をサボって、 陰気な友達と可愛いガールフレンドを連れ出し、一日遊びまわる、それだけの映画である。 主人公は、要領がよく、ツイていて、好きなことを好きなようにして、 みんなに愛される。 この一日のあと、何を反省するでも、何が変わるでもない。 最後にしっぺ返しを食うだとか、それで周囲の人々の愛への感謝に目覚めるだとか、 それでも陽気さは失なわない、とか、そういったことは全くない。 主人公はトリックスターですらない。単に、天才なのだ。 一方、親友もガールフレンドも妹も校長も、 自分はフェリス・ビューラーでないこと、つまり、ただの凡人であることと、 その哀しみに気付いている。 そしてある者は悟り、ある者は諦められない。

この映画にベン・スタインが超退屈な授業をする先生役で出演している。 もと弁護士で、大学で教えていたこともあり、 ニクソン大統領とフォード大統領のスピーチライタでもあり、 そのあと俳優や声優としての方が有名になってしまった、多彩な人である。 この人がインタヴュに答えて、この映画の「教訓」をこうまとめている。
1.幸運の星は存在する。
2.自分に素直になれば何でもうまくいく力が生まれる。
3.世の中には勝者と敗者がいる。
4.素直に生きる者は周囲を幸せにする。
さすが大統領のスピーチライタらしく、うまい要約だ。 これらは全て正しいが、もちろん、自分に素直に生きられる人はそうそういない。 思うにこの映画は、不公平についての物語なのだ。 とにかく、ベン・スタインもフェリスのように幸運だったのかも知れない。 この映画にほんの端役で出演以来、世界のどこに行っても(おそらく日本は除く)、 「ビューラー……ビューラー……」「誰か(anyone)……誰か(anyone)……」 という台詞で声をかけられることになった。 そして、ベン・スタインはインタヴュの最後をこうまとめている。 自分はイェール大法学部を主席で卒業し、大統領のスピーチを書き、 山ほど本や論文を書いて、山ほど賞状をもらったが、 人生で最高の一日は「フェリス」出演であり、それと比べれば他は全く何でもなかった。 そして自分は幸運だった。

2009年7月4日土曜日

お茶会

9 時起床、良く寝たような気がする。珈琲、オレンジジュース、トーストの朝食。 掃除機がけ。昼食はポテトサラダと素麺。午後は近所で髪を切ってもらい、 そのまま三軒茶屋の昭和女子大学へ向かう。

昭和女子大学のキャンパス内に庭園があって、 池に張り出す感じで小さな東屋が建っている。 そこを会場に催された日本ルイス・キャロル協会の「お茶会」に参加。 私は協会員ではないが、翻訳のご縁でお誘いがあったので。 7 月 4 日という日付はルイス・キャロルのファンには、特別な意味を持っている。 キャロルが船遊びのボートの上でリデル家三姉妹にせがまれて、 初めて『アリス』の物語を思いつくままに披露した、言わゆる「金色の昼下がり」の日だ。 つまり「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」の誕生日とも言える。 さて、お茶会では、お茶とケーキが出て、会員がキャロル作品の朗読をする。 アリスのような格好(コスプレ?)をした小さなお嬢さんを連れてくる方がいたりして、 ほのぼのしていた。 今回は、 八月に横浜ランドマークホールで「鏡の国のアリス」を上演予定のバレエ団のディレクタも、 ゲストとして来ていらした。 いかにもイギリス人ぽい女性だったが、日本で暮らしているようだ。 彼女が、「鏡の国のアリス」の最後におかれた金色の昼下がりの詩を (もちろん原語で)朗読されていて、ちょっとしみじみとした。

19 時過ぎに帰宅。都議会議員選挙の整理券が届いていた。 ひょっとしたら、引越して日が浅いので選挙人名簿にまだ登録されていないのではないか、 と思っていたが、間にあっていたようだ。 夕食には出来合いの餃子を焼く。赤ワインを一杯だけ。 食後にチーズとパンを少し。

2009年7月3日金曜日

江戸前

8 時起床。珈琲、オレンジジュース、トーストの朝食。 今日も曇り空で、蒸し暑い。午前、午後とお仕事。 昼食は近所の居酒屋のランチメニュで鯖味噌煮。 18 時に退社。今週はどうも調子が悪く、仕事もほとんど進まなかった。 景気づけに(?)、夕食は神保町駅のすぐ近くの鮨屋。 蕎麦もいいけれど、東京と言えば、江戸前鮨だ。

本屋で少し時間をつぶしてから、予約してあった時間丁度に着くように歩いて行く。 怖そうな店構えだったが、中はこじんまりしていて、 良い意味で屋台のような印象。カウンタは 7 席ほどしかない。 隅っこに座りたかったのだが、両端には既にお客が入っていて、 やむなくつけ前でご主人に対面して、すぐにお鮨をお好みでいただく。 今週の駄目駄目っぷりを反省しつつ、 鮪の赤身、鯵、かれいの昆布〆め、しおむし、穴子と、御飯抜きの玉子。 御飯の量が多いので、私にはこれくらいで十分だった。 やはり、穴子が美味しかったです。 あとで、何か酢〆めを食べるのを忘れたことに気付いたが、 それはまた今度の楽しみにしよう。 これを支えに、来週はちゃんと仕事したいと思います……

明日も明後日も家でぐったり寝ていたいくらい。 でも、髪を切らなきゃいけないし、掃除もサボっていたし、 明日の午後はルイス・キャロルのお茶会だ。 せめて今夜は、何もせずにゆっくりしていよう。

2009年7月2日木曜日

定食屋のソクラテス

8 時半起床。少し寝坊。 珈琲、オレンジジュース、トーストの朝食をとり、慌てて出勤。 そうしたら、昨日作っておいたサンドウィッチを冷蔵庫に忘れてしまった。 がっかり。今朝も雨。午前、午後とお仕事。 昼食は、「ソクラテスの弁明 / クリトン」(プラトン著/久保勉訳/岩波文庫) を読みつつ、近所の定食屋にて。18 時半くらいに退社。 帰宅して、お弁当のつもりだったサンドウィッチと、 ポテトサラダで夕食。白ワインを一杯だけ。 夜は洗濯を洗濯機にまかせつつ、 C.L.ドジソン(ドッドソン)の下読みなど。

2009年7月1日水曜日

確率の悟り

8 時起床。今日も寝起き悪し。 どうも今週は低調だ。 珈琲、オレンジジュース、トーストの朝食のあと出勤。曇り空だが、蒸し暑い。 午前、午後とお仕事。昼食はタイカレー屋さんでグリーンカレー。 18 時過ぎに退社。結局今日も、雨が降りそうで降らない、 ただ蒸し暑いだけの曇り空がほとんどだった。 帰宅して、いただきもののじゃが芋でポテトサラダを作る。 同時に、明日の昼食用にサンドウィッチの仕込み。 ポテトサラダと素麺の夕食。 白ワイン、サンセールのアンリ・ブルジョワを一杯だけ。 グラスに残ったワインで、食後にドライフルーツのパンとチーズ(ボーフォール)。 夜は C.L.ドジソン(ドッドソン)の翻訳作業など。

ルイス・キャロルこと、C.L.ドジソンは確率論についても、 いくつか文章を残している。 有名なものはパズル本の中の確率の問題だが、 残念ながら、いくつかは間違っているし、 そもそも意味がよく分からないものもある。 まだ確率の概念をどう数学にしてよいのか、 誰も知らない時代だったので、ドジソンも同じような迷い道に入っていた。 しかし、興味深いのは、 この前にも書いた "Educational Times" という雑誌の、 「数学的問題と解答」のコーナーでの議論から発した一連の文章だ。 ここでドジソンは、 「線分上の一点をでたらめに選ぶとき、ある特定の点を選ぶ確率はゼロなのか」、 という疑問を扱っている。 これは現代数学では完全に決着している(ことになっている)。 簡単に言えば、答はゼロかも知れないし、ゼロでないかも知れず、 それは考えている問題での確率の設定による。 そして確率とは、一連の公理を満しさえすれば数学的には何でもよい、 ということに過ぎない。 しかし、そのコルモゴロフの「悟り」に達する前の人々が何をどう悩み、 どう議論を重ねていたのか、を知ることは面白いし、 コルモゴロフ流の捨象によって捨てられた「確率」の側面に、 そろそろ再び興味を持ってもよい時代だ。