2010年3月31日水曜日

一年

今日もわりと早起き。 今日は天気はもう一つだが、気温は高くなるそうだ。 いつもの朝食のあと、出勤。今日は週の中日なのでお弁当はなし。 出社して午前午後とお仕事。 昼食は近所のタイカレー屋さんにてチキンカリー。 17 時くらいに退社して、 この前に苺ロールを差し入れていくれたマネージャの企画で、 近所のホテルの中華料理屋にて同じ部署のメンバとマネージャ四人で会食。 そのあと同じホテルのワインバーにてボトルを三本ほど飲んで、今帰宅。

丁度今日で、大学を辞め転職して一年。 長いようで短いような、まあ平凡な一年だった。 もうちょっと何とかできたような気がするが、 特に大した成果は挙げられなかった。 色々とご迷惑をかけた方々、お世話になった方々に、 次の一年で何とか恩返しをしたい。

2010年3月30日火曜日

塩豚

今日も昨日より少し早起き。 今日も気温は低いが、久しぶりの晴天。 いつもの朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参の弁当。鰤の照り焼き、だしまき卵、高野豆腐、白菜の漬物。 昨日と全く同じ内容だ。ちょっと反省。 昼休みに神保町まで散歩。寒いけれど、日差しは明るい。 新刊書店で 「情熱プログラマー --- ソフトウェア開発者の幸せな生き方」(C.Fowler著/でびあんぐる監訳/オーム社) を買って社に戻る。 確か、以前はちょっとネガティヴなタイトルだったはずだが、 改訂版ではポジティヴに生まれ変わった。 今日は午前も午後も C でプログラミングして、 17 時くらいに退社(実際は 15 時くらいに燃え尽きていたけど)。 久しぶりに C で書くと、また色んなことを忘れていてショック。 帰宅して、今日の分の翻訳作業。 天才ベルヌーイ一族の快進撃が続いている。 そのあと、出来合いのポテトサラダで日本酒(「大号令」) を少し飲みながら、夕食の算段をする。 まだちょっと早いのだが仕込んである塩豚を使って、 塩豚と春きゃべつのアーリオオーリオ。 誰が思いついたのだか、塩豚は美味しい。 他に出来合いのポテトサラダ、ワインを一杯だけ。 夜は「情熱プログラマー」を読んだり。

2010年3月29日月曜日

お八つ

少しずつ早起きにして、サマータイムに移行するぞ計画実施中。 今朝も天気はもう一つで、気温も低い。また冬が戻ってきたみたい。 珈琲とトーストの朝食のあと、 適当にお弁当を詰めて出勤。 午前午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。鰤の照り焼き、だしまき卵、高野豆腐、白菜の漬物。 冷たくなっただしまき卵がしっとりとして美味しい。 だしまきは冷えた方が美味しいと思うのだが、私だけかな……。 今日はお三時に、マネージャの方が千疋屋の苺ロールケーキを差し入れてくれた。 嬉しい。 ちなみに、お三時のことを「おやつ」というのは、 平安の昔から「未の時」に太鼓を八つ鳴らして報せたから「お八つ」 なのだね。時奏する、いみじうをかし。 17 時過ぎにさっさと退社。 帰宅して今日の分の翻訳作業をしてから、 お風呂に入る。 湯上がりに高野豆腐で日本酒を半合ほど。 夕食の段取りを考える。 御飯を炊いて、カレーの残り、キャベツ炒め、蜆と葱の味噌汁。 変な組み合わせだが、台所の事情でやむをえない。 明日の朝もかなり冷えるらしいので、 ポトスのぽと吉を窓辺からキッチンの方に移しておく。

2010年3月28日日曜日

「古文の読解」と「古文研究法」

10 時近くまで熟睡。寝台で珈琲だけの朝食。 今日も気温が低く、天気ももう一つ。 午前中は翻訳仕事など。 ギャンブル以外で確率論が初めて現実に応用されたのって、 法律だったんだなあ。 天才一族ベルヌーイ家の一人、ニコラウス・ベルヌーイが 「法律における予想の技法の使用」("De usu artis conjectandi in jure" (1709)) で議論したのが最初らしい。 昼食は春キャベツとアンチョビのスパゲティーニ、ロゼワインを一杯だけ。 昼風呂に入ってから、午後はまた翻訳をしたり。 夕食の支度前にまたお風呂に入って、湯船で 「古文の読解」(小西甚一著/ちくま学芸文庫) を読む。 最近、文庫で復刊されているのを見て、 なつかしいなあと思って買ったのだが、 読んでみるとずいぶん易しくてすらすら読める。 私がよほど賢くなったのかなあと思ったら、 高校で参考書だったのは同じ著者の「古文研究法」の方だった。

私は理系だったので、 古典は授業時間も少ないし内容もそこそこだったのだが、 それでも古文の参考書は小西甚一「古文研究法」、 授業は「枕草子」や「源氏物語」の原典講読だった。 代々紀州藩の漢学者だという(very)オールドミスの先生が、 手抜きのない立派な授業をされていたものだ。 ところで「古文の読解」は、 小西先生が「古文研究法」を書かれたあとスタンフォード大学に客員教授として渡り、 アメリカで思うところあって帰国後に書かれたらしい。 その初版のまえがきには、 日本人が人なみの生活をするには工業で生きていくしかない、 これから若い優秀な人はどしどし理系に進むべきで、 もし理系に向くすぐれた人材が出なくなったときが日本の衰亡のときだ、 と言うようなことが書かれていたそうだ。 つまり理系の勉強に集中しなければならないはずの若者に、 どのように古文の素養を教えるか、という視点で書かれた参考書だったと言える。 そう思うと、私たちが理系なのに「古文研究法」 と原典素読なんてやっていたのは、ちょっとやり過ぎで、 この「古文の読解」くらいが頃合いなのかも知れない。

夕食は御飯を炊いて、鰤の塩焼き、納豆、蜆と葱の味噌汁。 ついでに高野豆腐、卵焼き、鰤の照り焼きなど、お弁当のおかずを仕込む。 食後に煎茶。

2010年3月27日土曜日

あひみん事は

今朝もまあまあ早起き。寝台で珈琲だけの朝食。 今日も日が差しているが、気温は低い。午前中は翻訳仕事と洗濯をして、 朝風呂に入る。湯船で、 「やさしい統計入門」(田栗正章・藤越康祝・柳井春夫・C.R.ラオ著/講談社ブルーバックス) を読む。 昼近くなって、外はすっかり晴れて上天気。 近所の魚屋まで散歩に行く。 魚屋までの道にはほとんど桜の木はないが、 一箇所、個人宅に桜の花が咲いていた。 春ごとに花のさかりはありなめどあひみん事はいのちなりけり。 あひみんことはいのちなりけり、か。昔の人はうまいことを言ったものだ。

帆立の肝、刺身用の鰯を一尾、蜆、鰤などを買って帰る。 昼食は鰯のおつくり、帆立の肝のバター炒め、 御飯を炊いて蜆と葱の味噌汁、白菜の漬物、ほたるこ。 昼食に二時間くらいかけて、次は昼寝。 気温が低くても春は良く眠れる。 気付いたらもう夕方だった。 さらに翻訳仕事をして、塩豚の仕込みをしてから、夕食の支度。 夕食は、カレーライスと春きゃべつ、赤ワインを一杯だけ。 カレーに帆立の肝を使ってみたが、 こくが出過ぎというか、甘くなり過ぎ。ちょっと反省。 食後に珈琲。

2010年3月26日金曜日

齢と桜

今朝はまあまあ早起き。 久しぶりに日差しのある朝。 年ふれば齢は老いぬ然はあれど花をし見れば物思ひもなし。 トーストと珈琲だけの朝食のあと、出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は近所のカレーライス屋さんにてチキンカツカレーとサラダ。 一昨日と昨日でかなり疲れているはずなので、 16 時半くらいにさっさと帰る。 早く出社、早く退社を心がけたい。 帰りはまた冷たい小雨。なかなか春らしくならないものだ。 帰宅してお風呂に入ってから、翻訳仕事。 一昨日と昨日は一行も進めなかったので、今日はかなり多めに。 もちろん、一行もできない日だって幾日もあるだろうから、 その分のマージンはとってあるのだが、 歩けるときに歩いておくのが吉。 そのあと夕食の支度。 玉葱のオムレツ、豚レバのパスタ。 食後に煎茶。 二日続けて飲み過ぎなので、今日はアルコール抜き。 最近は二日、三日、研究会に行っただけで疲れる。 色も香もおなじ昔にさくらめど年ふる人ぞあらたまりける、 と「古今」にあるのはこのことだろうか。 夜は年寄らしく、お茶を飲みつつ古今和歌集を読む。

2010年3月25日木曜日

今日も雨の学会

9 時起床。寝坊。今日も冷たい雨の朝。 いつもの朝食をとって、慌てて日吉に向かう。 日吉駅も遠いが、駅から矢上キャンパスはさらに遠い。 午前、午後と学会に参加。 予定を終了して夜はまた、学会であった友人と飲みに行ってしまう。 渋谷の魚屋系居酒屋にて、のどぐろ、とりがいのおつくり、 金目鯛の煮付け、焼き蚕豆、なまこ酢などと、 日本酒の「黒牛」など。 そのあと、まるきんラーメンでラーメンを食べて、今帰宅。 なんだかデジャヴュ感のある夜のコースだ。

明日は朝から普通に出社してお仕事の予定。

2010年3月24日水曜日

雨の学会

9 時起床。寝坊。今日は雨で、急にまた寒くなった。 慌てていつもの朝食をとって、日吉へ向かう。 午前、午後と日本数学会の年会に参加。 確率論関係の一般講演と、特別講演を聴く。 夜はやはり飲みに行くことになってしまい、 日吉駅近くの居酒屋。 そしていま、冷たい雨のそぼ降る中を帰宅。 日吉はけっこう遠い。 明日も学会に参加の予定です。

2010年3月23日火曜日

昆布締め

うーん、今日も眠い。いくらでも眠れそう。 しようがなく起きて、紅茶とトーストの朝食。 かなり寝坊。 適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 薬味ずし、豚レバの生姜と大蒜焼き、 ホワイトアスパラガスのマヨネーズ和え、白菜キムチ、ほたるこ。 18 時過ぎに退社。 帰宅して今日の分の翻訳をしてから夕食の支度。 前菜にグラタン・ドーフィノワの残り、 メインは鯛の昆布締めの散らし鮨、ロゼワインを一杯だけ。 「コックと泥棒、その妻と愛人」を観る。 魚は新鮮なほど美味しいはずだが、 昆布締めは日が経つほど美味しいような気がする。 うまいことを考えた人がいるものだ。

明日から慶応大学矢上キャンパスで数学会の年会なので、 週末まではそちらに出たり、出社したり。

2010年3月22日月曜日

たいちゃ

また 9 時過ぎまで熟睡。今日もまた良い天気だ。 カフェオレを作って、寝床でしばらく読書など。 午前中は洗濯をして、お風呂に入り、 今日の分の翻訳作業をした。 昼食は鯛茶漬。昆布締めの鯛の薄切りを冷や御飯にのせて、 大葉と山葵を盛り、だし茶をかけて食べる。 それはさておき、刺身包丁が欲しくなった。 持っている包丁でも切れ味は悪くないのだが、 刺身をひくときに刃の長さが足りない。 次に京都に行ったとき「有次」で買うかな……。 「有次」と言えば銅の卵焼き器がぐっとくる。 料理が上手になったら買おうと思っているのだが、 もうちょっと修行が必要だろう。

午後も翻訳を進めたり、本を読んだり。 昼寝の代わりに、床に綿棒を投げて「ビュフォンの針」の実験をしてみる。 同じ幅の平行な線がたくさんあるところに、 その幅より短い一本の針をでたらめに繰り返して投げ、 何回平行線に交わるかを数えると円周率の近似値が得られる、 という有名な実験である。実際、数百回くらい投げてみたが、 円周率の近似値として 3 を得るのも難しかった。 針の代わりに綿棒じゃ、こんなものだろう(笑)。

「統計学とは何か」(C.R.ラオ著/藤越康祝・柳井春夫・田栗正章訳/ちくま学芸文庫) に、 イタリアのラッザリニという数学者が、 平行線の幅と針の長さの比が 6 対 5 の条件で 3408 回中 1808 回、 という実験結果を論文誌に報告した話が出ている。 ここから円周率の近似値を計算すると 3.1415929... で 真の値との誤差は 10 のマイナス 7 乗程度という正確さである。 しかし、これはほぼ確実にデータ捏造で、 いかにしてこの捏造が(上に書いた数字だけから)見破られたのか、 という話がラオの本に説明されている。 (ヒントは、「355/113」。)

お弁当のおかずを作ったりしているうちに夕食の支度の時間。 鯛と蛸の散らし鮨、卵の澄まし汁。

2010年3月21日日曜日

春の嵐

今日は 9 時近くまで寝てしまった。珈琲、トースト、茹で卵の朝食。 全国的に春の嵐らしいが、窓から見る分には穏やかな春。 午前中は自宅の LAN の設定をして、 掃除機がけをして、今日の分の翻訳作業をした。 昼食は、味見に鯛の昆布締めを少しと、溶き卵と浅葱の雑炊。 午後はまず、近所に散髪に行く。確かに風が強いが、それほどではない。 ぽかぽかと暖かくて、歩いていても眠くなってくるほど。 すぐに終わって帰宅。ちょっと昼寝。 のつもりだったが、やはり二時間フルに寝てしまった。 夕方まで、翻訳作業の続き。 途中で、羊肉の残りをワインに漬けたり、 蛸のマリネを準備したり、夕食の仕込みを少し。 昼の仕事が一段落ついて、お風呂に入る。 湯船で最近お気に入りの立原正秋のエッセイを読む。 鎌倉の海沿いの暮らしも良さそうだなあ。

こうして一年がすぎて行く。過ぎ去るとしが忘れがたい。 忘れがたいのは魚のせいではなく年齢のせいである。 生あれば必ず死があることをたしかに受けとめているからだろう。 鮟鱇鍋をつつき鰤の刺身をたべながら毎年考えるのは、 いかにすれば現実にひしがれぬ背骨と自由な精神を保ちつづけられるか、 という一事である。
(立原正秋著「湘南の魚」より)

お風呂から出て、落ち着いてから夕食の支度。 19 時くらいから始める。 前菜は蛸のマリネから。ロゼワインを一杯だけ。 そしてホワイトアスパラガスを茹でたのに塩とオリーヴオイル。 次はアスパラガスの茹で汁を仕上げに使ったスパゲティーニ・アーリオオーリオ。 メインには仕込んでおいたラムを焼き、 玉葱を焼いたものとグラタン・ドーフィノワを添える。 赤ワインを一杯だけ。 さて今、食べ終わって、これから食後の珈琲。 デザートはラオの 「統計学とは何か」(C.R.ラオ著/藤越康祝・柳井春夫・田栗正章訳/ちくま学芸文庫)。

2010年3月20日土曜日

叔父さんの諭し

休みとは言え、今日もけっこう早起き。 良い天気。カフェオレを作って、寝床でしばらく読書などし、 起き出してからトーストと珈琲のいつもの朝食。 午前中は、今日の分の翻訳作業。 平日はあまり進まないので、土日はちょっと多め。 散歩がてら、近所の魚屋に行く。 ついスーパーで他のものと一緒に買ってしまうのだが、 近所に良い魚屋がある。 今日は店の前に海鞘とムール貝と鮑と特売のあらが山盛りだった。 店内で真蛸と、昆布締めの鯛を買う。帰宅して、昼食。 真蛸のおつくり、ヱビスビール。 次は鯵のひらきを焼く。うまい。その間に御飯を炊く。 蜆の浅葱の味噌汁を作って、御飯、ほたるこ、白菜の漬物。 ほたるこが少し残ったので、賀茂鶴を半合ほど。 一時間半ほどかけて昼食終了。

食後に小一時間ばかり昼寝しようかな、と思ったら、 二時間半も寝てしまった。また翻訳作業を少し進める。 お風呂に入ってから、夕食の支度。 前菜はドーフィノワのソースを使って適当パスタ、 メインはラムチョップのロースト、グラタン・ドーフィノワ添え。 赤を一杯だけ。 前菜に蛸のマリネも作るつもりだったが、 やはり昼間食べ過ぎの上に、昼寝のし過ぎで、それほど食べられない。 昔なら楽勝だったのだがなあ。 夕食もゆっくり食べているので、まだ終了していない。

これは大事なことだから良く聴きたまえよ。 確か獅子文六だったと思うのだが、 ある作家に美食家でならした伯父がいた。 四十を過ぎた頃にその伯父から、 おいおまえ、今のうちに脂ののったトロとか分厚いビフテキとか、 たらふく食っておけよ、というようなことを言われたそうだ。 その時は何を言っているのだろうかと思ったそうだが、 自分が六十になったとき、 あのとき伯父は何とありがたいことを諭してくれたのだったか、 としみじみと腑に落ちた、というのである。 もちろん、こういうことは腑に落ちたときには遅いのだ。 皆さんもよく心得られよ。

2010年3月19日金曜日

この人を見よ

7 時半に起床。早起きは続行中。 カフェオレとトーストのいつもの朝食のあと、 卵と浅葱の炒飯を作り、作りおきのおかずを適当にお弁当に詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は、持参のお弁当。 17 時頃退社して、 近所のスープカレー屋さんで黒いスープカレーの夕食のあと、 東京ミッドタウンの "21_21 Design Sight" へ。 昨日までは渋谷の Bunkamura にタマラ・ド・レンピッカ展を観にいこうと思っていたのだが、 "21_21" で開催中の 「クリストとジャンヌ=クロード展」 が 4 月上旬あたりで会期終了だったことを思い出し、 先にこちらに行くことにした。

結果から言って大正解だった。すごいね、クリスト。 電話機とか美術館とかポン・ヌフとか何でも包む人、 くらいにしか思っていなかったが、 まさに天才とはこういう人のことだろうと思い直した。 同時に上映されている、ドキュメンタリフィルムも必見。 パリのポン・ヌフを布で包んだら綺麗だろうなあ、 と思うことは簡単だが、 実際それを実現するには一体どれほどの、 障害を乗り越えなければならないことか。 様々な議会とか委員会とか沢山の組織や人を説得し、 優秀な技術者たちを雇い、大勢の労働者を雇わなければならない。 クリストとジャンヌ=クロードはこれをたった二人で、 一つのプロジェクトに十年、二十年、時には三十年かけて実行し、 その上、必要な(おそらく数億、数十億円の)資金は、 その過程で生まれる絵などを売って自分で集め、 どこからの援助も一切受けないのだそうだ。 しかも、「展示」はほんの数日や、数週間のことでしかない。 そこまでの年月とその過程の全てが一つの「作品」なのだ。 もちろん大半どころか、ほとんどの場合は頓挫しているのだが、 それでもこれだけ多くのプロジェクトを成功させているのは、 すさまじく凄い。 鋼のように強靭で布のようにしなやかな、 意志とヴィジョンと有能さがなければ、 到底成し遂げられないだろう。 おそらく彼は、何ごとかを成し遂げる、ということの意味や、 本当の自由というものを、知っているだろう。 こういうことをするために人間は生きているんじゃないだろうか。 そして、こういう人を天才と呼ぶんじゃないだろうか。

近くまで来たので、青山の骨董通りのバーにて一服してから帰る。 喉が乾いたのでジントニックを一杯と、 コート・デュ・ローヌのマールを一杯。

2010年3月18日木曜日

希望のドーフィノワ

6 時台に既に目が覚めてしまった。 少しずつ早起きシフトしていこうと思っていたのに。 7 時くらいに起き出して、いつもの朝食。 今朝は良い天気だが、気温は低い。 出社前に、少し翻訳作業。 適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 若鶏の香草焼き、キャベツ炒め、漬物と、ほたるこ。 17時半くらいに退社。 帰宅して、今日の分の翻訳作業を片付け、 グラタン・ドーフィノワを仕込む。 前菜はアーリオ・オーリオ、 メインはラムチョップのロースト、グラタン・ドーフィノワ添え、 春らしくロゼワインを一杯だけ。 ドーフィノワはあんなものも加えて、 こんな風にしてみたらどうかな、などと思わないでもなかったが、 そうすると普通のグラタンになってしまうはずで、 このシンプルさ故の豊かさが身上だろう。 春のグラタン・ドーフィノワには希望がある。 蜆の味噌汁にも、豆御飯にも希望がある。どれも単純な料理だが、 作っても食べても希望を感じる。 さて、お風呂に入って、湯船で立原正秋のエッセイでも読もう。

明日の夜は絵でも観にいこうと思っていますので、 更新は遅くなりそうです。

2010年3月17日水曜日

死人を数えた男

8 時起床。だんだん早い時間にシフトしていこう、という作戦。 昨日は初夏の陽気だったのに、今日はまた寒い朝。 いつもの朝食のあと出勤。水曜日は週の中日でお弁当はお休み。 午前、午後とお仕事。 昼食は近所のカレーライス屋さんにて、チキンカツカレーと卵サラダ。 18 時くらいに退社。

帰宅して、今日の分の翻訳作業。 「死人を数えた男」と題された章で、 J.グラント(John Graunt)という人の活躍が描かれている。 十七世紀イギリスの王政復古期の人で、 貿易業で成功し出世したとは言え、まあ、普通のビジネスマンだった。 しかし唯一非凡だったのは、どういう物好きからか、 当時のロンドン市民の死亡表を作成し分析したことである。 例えば、グラントは自分で集めたデータを用いて、 初めてロンドンの総人口を数学的に推定したし、 また、年齢別の死亡率を計算して分析も加えた。 グラントなかりせば、 生命保険で大儲けしている一大産業もなかったわけで、 まさに現代統計学の先駆けだった。 それまでは、数学を使って未来を予測したり制御できるとは、 誰も想像もしていなかったので、 とんでもない大偉業だと言えよう。 当時はちょうど、"Royal Society" が設立された頃でもあり、 イギリスには面白い人物が沢山いて、みんな友達だったようだ。

夕食は、真鰺のひらきを焼いて、高野豆腐などと、賀茂鶴を一杯だけ。 焼き立ての鯵のひらきほど美味しいものは、そうないね。 また蜆とあさつきの味噌汁と、うすいえんどうの豆御飯。 さて、これからお風呂。

2010年3月16日火曜日

しじみにしみじみ

8 時半起床。晴れ。今日もあたたかい一日になりそうだ。 丁度、いつもの乾燥キャットフードが切れていたので、 いつか買っておいたレトルトのものをあげたところ、 今まで見たことのないような食いつき。 猫の背中から「うまいにゃー!」 という声が聞こえてきそうなくらい。 以前は食事を変えてもそれほど変化がなく、 大して喜びもしないので、 いつものキャットフードに落ち着いていたのだが。 やはり、アパート暮らしで、 食べることくらいしか楽しみがないのだね……。 お互い初老の身、 それくらいしか良いことがなくても、 うつむかないで歩いていこう、この東京砂漠……、 と朝から身につまされた。

いつもの朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 うすいえんどうの豆御飯、若鶏の香草焼き(昨日、たくさん焼いておいた)、 高野豆腐、卵焼き、お漬物。 昼休憩に近所の書店で、 「日本はなぜ貧しい人が多いのか --- 『意外な事実』の経済学」(原田泰著/新潮社) を買って社に戻る。 退社は 17 時半くらい。 スーパーで、いつもよりかなり高価なキャットフードを買ってやった。 ああ、あなたがいれば辛くはないわ、この東京砂漠。 帰宅して、今日の分の翻訳作業をしてから夕食。 真鰺のひらきを焼いて、高野豆腐、漬物などで賀茂鶴を一杯だけ。 焼き立ての真鰺が美味しい。 あとで、うすいえんどうの豆御飯と、蜆と浅葱の味噌汁。 豆御飯に蜆の味噌汁、春だなあ。すり鉢に薄紫の蜆かな(子規)。 蜆のおみおつけは、蜆の身を食べずに汁だけを味わうのである、 という人もいるが、私は昔から一貫して一粒残らず食べています。 お風呂に入って湯船で 「日本はなぜ貧しい人が多いのか」を読む。

2010年3月15日月曜日

春らしく

9 時くらいになってようやく起床。 いつもの朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参の弁当。 卵焼き、高野豆腐、アスパラガスのキムチ、 京都土産の五條長兵衛の「ほたるこ」。 昼休みに神保町まで歩いて、書店で 「すすんでダマされる人たち」(D.トンプソン著/矢沢聖子訳/日経BP) を買って帰る。 面白い本だが、某早稲田大学名誉教授にあとがき解説と帯宣伝を頼んだのは「狙い過ぎ」で、 まともな読者層を遠ざけてしまった可能性が高い。 午後もいつも通りに仕事をして 17 時半くらいに退社。 最近、できるだけ勤務時間を前にずらせようと思っているのだが、 出社時間が変わらずに退社時間が早まっているだけ、という気がしないでもない。 スーパーで食材を調達。 良い感じの蛍烏賊があったが、 小鉢一つで 300 円くらいになるほど高価だったので、 やむなく断念。 帰宅して、高野豆腐と賀茂鶴少しで一服。 今日の分の翻訳仕事を見て、第 6 章までを出版社に送る。 夕食は、春キャベツとアンチョビのパスタと、 若鶏の香草焼き、春らしくロゼワインを一杯だけ。

先日、京都のバーでうすいえんどう入りのキッシュを食べたこともあり、 スーパーでうすいえんどうを買ってきた。 夜はこれで明日のお弁当のための豆御飯を作る予定で、 いま鞘をむき終わった。

2010年3月14日日曜日

最終ゼミ

昨日は伏見の廃墟めいた消防学校跡にて、T 先生の退官記念の最後のゼミ。 工事中のため、RIMS の一部がしばらくこちらに転居しているのだ。 もうすぐこの建物も取り壊すらしい。 弟子有志たちで、三十分ずつくらい昔のようにゼミ発表をする。 最後は T 先生自身も最近考えていることについて発表された。 休憩として、 消防学校の屋上に出て伏見を眺める「エクスカーション」もあり。 夜は市役所裏あたりのビストロにて、一同で記念の会食。 そのあと、先生のマンションに少しお邪魔し、 お土産までいただいて、ホテルに帰る。

朝、目が覚めて、新聞を持って一階のレストランに朝食に行く。 そろそろ京都は春の観光シーズンに入ったのか、 ホテルはけっこう賑わっている。朝食も少し待たされたくらい。 やっぱり朝食は部屋で食べる方がいいなあ。 食事のあとの散歩に「ハプスブルグ展」を観ようと出かけたものの、昨日の朝に引き続き「60 分待ち」。 さすがにそんなに待つのはいやなので、すごすごと部屋に帰る。 ホテルの人が言うには、もともと大人気の展覧会の上に、 今日が最終日なので、さらに人が多かったのだろう、とのこと。 お風呂に入ったりのんびりし、昼頃チェックアウトして、 新幹線で東京に帰る。猫とポトスは元気にしていたようだ。 夕方まで昼寝。夕食は御飯を炊いて、納豆、漬物、 目刺しなどで朝食風に適当に済ませておく。 夜はお弁当のおかず作りなど。

2010年3月12日金曜日

ドーフィノワ

昼間の予定を終えて、夕方、新幹線で京都に移動。 新幹線は、どうやら東京近辺の観光を終えて帰るらしき、お客で一杯。 景気が良いのだなあ。 ホテルに荷物をおいて、 以前の京都の住まいの近所のバーに行く。 京都に来た機会に何度か訪ねたのだが、常に満席で断られるので、 今回は事前に予約しておいた。 リースリングで、帆立とズッキーニーとうすいえんどうのキッシュ。 ラザニアのようなものを用意してあるのが目に入ったので、 それは何かと F シェフに訊いてみると、 なんとかドーフィノワ(ポテトだけのグラタンみたいなの)で、 メイン料理の付け合わせに出すつもりだとのことなので、 楽しみに待つ。 牛脛肉の煮込み料理、つけあわせは茸、菜の花、ドーフィノワ。 ワシントンの赤ワインを一杯。 そのあと、遅摘みのリースリングのデザートワインで、 ブルーとウォッシュのチーズを一種類ずついただいて帰る。 明日は、伏見校舎の方が会場なので、 伏見に詳しい F シェフから地理情報を得ておいた。

いつもは部屋に朝食を運んでもらうのだが、 たまにはレストランの方もよろしいのでは、とホテルの方が勧めるので、 明日の朝食はそちらでの予定。 そのあと、ホテルがくれたチケットで「ハプスブルグ展」を観てから、 最終ゼミに行く予定。 まあ、早起きできたら、の話だけれど。

2010年3月11日木曜日

「M」

8 時起床。今日は少し寒さがゆるんできたような。 いつもの朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 直接、会場に行って、時系列解析の研究会に参加。 午前の部が終わってから出社して、 持参したお弁当の昼食。 メイルを読んだり書いたりと少し仕事をして、 また午後は研究会へ。 午後の部が終わって、また会社に戻る。 18 時半くらいに退社。 帰宅して、まずお風呂に入る。 湯船で、届いたばかりの 「初めての人のための LISP (増補改訂版)」(竹内郁雄著/翔泳社) を読む。 夕食は今日が三回目のもつ鍋。 流石に飽きてきたので、今日はキムチ風味にしてみたが、 まあ同じだよね(笑)。 夜は、秘密プロジェクトの追い込み。

私が院生の頃のゼミは本当に怖かった。 昼間だけではなくて、夜も恐しい夢を見て、うなされたものだ。 例えば、こんな夢を見た。 夢の中でもゼミをしていて、私が発表者だった。 どうやらまともに準備できなかったらしく、緊張している。 その私がまっさらの黒板の左上に「M」、と書き始めた途端、 既に鬼の形相のT先生から鋭い質問が飛ぶ。 「そのMって何!」。 「あ、あの、えっと、その……多様体です」。 「そんなことは分かってるっ!」。 と、先生に激怒される、というそんな夢だった。 念のために書いておくと、あくまで夢であって、 現実にはそんな理不尽なゼミはなかった。 実際、私はわりと要領の良いタイプだったので、 叱られて黒板の前で不覚にも涙をこぼすようなことは、 およそ 6 年間で一回だけだったと思う。

明日金曜日の夜は京都に移動しますので、定時更新はお休みです。 明後日土曜日の夜も会食の予定ですので、多分お休み。 途中で不定期更新するかも知れませんが、未定です。

2010年3月10日水曜日

ゼミ

8 時起床。今日もまた寒い。 いつもの朝食をとり、出勤。今日は週の中日でお弁当は休み。 午前、午後とお仕事。 昼食は近所のカレーライスチェーン店にて、 チキンカツカレーと野菜サラダ。 18 時くらいに退社。 帰宅して、今日の分の翻訳仕事をしてから、 夕食の支度。 またしても、もつ鍋。今日は鍋のあとを雑炊にしてみた。 もつ鍋も、いいだしがとれるなあ。 お供は気持だけ春らしくロゼワインを一杯だけ。 食後に珈琲を一杯。 夜は秘密プロジェクトの作業。 うーむ、ぎりぎり間にはあいそうだが、 土曜のセミナの準備は全然していない。 昔のように、師匠に怒られるのだろうか……。

私が院生の頃のゼミはものすごく怖かったものだ。 毎週、院生たちがおそるおそる先生の研究室に、 「ゼミをしていただけますか」とお願いに行く。 院生の誰かの研究にすごく進展があった、とか、 せめて誰かが、重要な論文を完璧に読んできたのでその紹介ができる、 とかいう(珍しい)週は、その人におまかせでいいのだが、 そんな先発完投は滅多にない。 そこで、院生たちで相談して、 今日はまず先発はだれそれの話で軽く喜ばせておいて、 次はちょっと危ないけどだれそれが継投して、 うまくごまかせそうなだれそれがクロージングする、 といった継投策を無駄に練ったものだった。

2010年3月9日火曜日

シルクヱビス

8 時半起床。今日も寒い。 いつもの朝食をとり、お弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 鳥すな肝レバの佃煮、高野豆腐、半熟茹で卵、 出来合いの季節の卯の花。 17 時半くらいに退社。 外は冷たい雨、と思ったら、だんだんと雪が混じってきた。 傘を持っていなかったので、 家にたどりつくまでに身体が冷えきった。 やはり年をとると寒さが身体に堪える。 引退生活はカナダで、と思っていたのだが、 やはり南国シンガポールとかがいいかなあ……。 帰宅して、今日の分の翻訳仕事を片付けてから、お風呂に入る。 湯船で技術系のドキュメントを読む。

夕食は、もつ鍋にしてみた。寒いときはやはり鍋だなあ。 もつ鍋を自宅で作ったのは初めてだが、それなりに出来た。 ただ材料が安すぎるため大量にしか買えず、 一週間同じものを食べざるを得ないのが欠点。 おともはシルクヱビス。 ヱビスビールのヴァリエーションはいつも、 「悪くはないけど、やっぱり普通のヱビスが一番」と常々思っていたのだが、 シルクヱビスはけっこう美味しい。 鍋のあとは、うどん。 食後は鳥すな肝レバの佃煮で晩酌をしつつ、秘密プロジェクトの作業。 賀茂鶴を一杯だけ。 私は実は日本酒が好きなので、自宅では飲まないようにしていたのだが、 知り合いが送ってくれたのでつい。 賀茂鶴はいいね。

2010年3月8日月曜日

鳥すな肝レバー佃煮

9 時起床。寝坊。今日も寒い。 慌てていつもの朝食をとり、お弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 豚のモツ茹で(塩とオリーヴオイル)、 半熟茹で卵、出来合いの季節の卯の花、沢庵。 昼休憩に神保町まで散歩し、 本屋で 「月は無慈悲な夜の女王」(R.A.ハインライン著/矢野徹訳/ハヤカワ文庫)、 「殺す女」(W.バーカム著/山中朝晶訳/ハヤカワ文庫) などを買って社に戻る。 きりが良かったので、17 時過ぎにさっさと帰る。

帰宅して、今日の分の翻訳仕事をしてから、夕食の支度。 昨日に続いて立原正秋にちなんで、 「鳥すな肝レバー佃煮」を作った。 「立原正秋の空想料理館」(立原潮著/写真・小沢忠恭/メディア総合研究所) を取り出して目次を見てみると、 以前はそう思っていなかったのだが、モツ類をはじめ、 癖のある食材が多い。 ものすごく純粋に和風、というイメージだったのに、 目次の文字で見ると変なものばかりなのだ。 トリッパゆり根飯、とか、大根おろしと浅葱アンチョビ飯、とか。 それが本文と写真では純和風に見える。不思議な料理集だ。

すな肝の他は、お弁当用のおかずの残りとか、あれこれで食べておく。 さらに秘密プロジェクトの作業の今日の分を片付けてから、 豚のモツ茹でと、砂きも佃煮で晩酌。 立原流だと「三千盛」ということになるのだが、 昨日届いたトスカーナの赤ワインを一杯。

2010年3月7日日曜日

マキアヴェッリと豚のモツ茹で

8 時起床。今日もまた寒い。いつもの朝食のあと、 午前中は今日の分の翻訳作業を済ませ、 少し秘密プロジェクト。実は秘密と言うほどのことでもなくて、 来週末のセミナの準備。 引越しの際、大昔に書かれたドラフトを発見していたことを思い出して、 急に復刻作業。お風呂に入って、湯船で 「プライスレス」(W.パウンドストーン著/松浦俊輔・小野木明恵訳/青土社) を読む。 今日は「99 円の謎」のところ。 小売を営んでいる方々には常識だろうが、 何故か人は端数のついた値段のものを好んで買う。 切りの良い数字からあたかも割引したように思えるからなのだろうが、 単純にそれだけでもないし、 この効果がどれくらい発揮されるかは色々な条件によるようだ。 無論、徹底的に実験研究がされているらしい。

冷蔵庫がほぼ空なので、昼食はまた月見饂飩。 午後は掃除機がけと洗濯をしてから、プロジェクトの作業。 夕方になって、やむをえず、冷たい小雨の降る中を買い物に行く。 夕食は御飯を炊いてだしを引き、 目刺し、卵、納豆、白菜の漬物、沢庵、若芽の味噌汁の朝食的メニュー。 夜はお弁当のおかず作り。

高野豆腐、卵焼きなど定番の他、 モツ類を少し買ってきたので、豚のモツ茹でなどを作る。 スーパーで肉類の棚を見ているときに、 立原正秋がイタリアで豚のモツ茹でを食べた話を書いていたなあ、 と思って。 帰宅してから調べてみると、 「マキャヴェリの墓の上で」(1974)の中に、 イタリアの夜店で豚のモツ茹でをパンにはさんで売っているところがあり、 このモツが美味しかったというような記述があるようだ。 どうやら無意識の内に、マキアヴェッリつながりだったらしい。 ちなみにその夜店の場所は「レパブリカ広場からサン・ロレンツォ寺院にぬける通りだったろうか」、 と書かれている。 ご長男の潮さんの文章によれば(潮さんは料理人)、 立原正秋はこのイタリアのモツ茹でがよほど気に入ったらしく、 帰国したあと早速自宅でモツ茹でを作り、家族に食べさせたそうだ。 バジリコのソースをかけ、モスタルダという果物の辛子漬けを添えてあったと言う。 おしゃれ。

2010年3月6日土曜日

メニューの心理学

8 時過ぎに起床。寒さのせいか早起き。 いつもの朝食のあと、今日の分の翻訳作業。 次は論文の最終著者校正。 お風呂に入って、湯船で 「プライスレス」(W.パウンドストーン著/松浦俊輔・小野木明恵訳/青土社) を読む。 レストランのメニュの行動経済学的な作り方のところ。 面白いなあ。と言うか、本当にこんなことまで考えて作られていたとは。 物を買う場面では、恐しいレベルまでマーケティングに操られているのですね。 昼食は卵炒飯にキャベツの炒め物。白ワインを一杯だけ。 食後に少し昼寝をしようと思って寝台に横になったら、 次に気付いたのは 15 時過ぎ。 そのあと夕食までは秘密プロジェクト。 今日は天気も悪いし気温も低くて、表に出る気がせず、 冷蔵庫がほとんど空。 やむなく夕食は、月見饂飩。 夜も秘密プロジェクトを続けていたら、 作業に夢中になって、blog の更新時間を過ぎていた。 珈琲でもいれて一服しよう。

2010年3月5日金曜日

"Still Life with a Cat"

今日は急激にあたたかくなった。 早朝に暑くて一度起きてしまい、二度寝したら寝坊。 あわてて朝食をとって、お弁当を詰めて出勤。 昼食は持参のお弁当。 生姜焼き、キャベツの千切り、ポテトサラダ、沢庵。 今日はほとんど、新しく届いたワークステーションの設定。 天才プログラマKさんの趣味で某ディストリビューションを、 Kさんの指導を受けつつインストール。 とりあえず使えるようになった。 18 時くらいに退社。

お茶の水のカレー屋さんでチキンカレー(10倍)の夕食のあと、 予定通り ブリヂストン美術館 へ行き、石橋コレクションの展示を観る。 ブリヂストン美術館は普通のビルの一階と二階(展示は主に二階) にあるのだが、 絵や彫刻と観る人のあいだに何の敷居もなく、 とても落ち着いた感じで自然に展示されている。 モネの「黄昏、ヴェネチア」なんかが、 絵の表面を触ろうと思えば触れるそこに展示されているのだ。 よくこれだけ集めて、惜しげもなく提供しているなあ、と思う。 石橋正二郎というのはなかなかの人物だったに違いない。 (娘さんの方は政治家に向いてなさそうなお子さんたちを心配のあまりとは言え、 何億円もおこづかいをあげたりして困ったものだが。) 今日の私の鑑賞としては、 藤田嗣治に注目してみました。 「猫のいる静物」、「インク壺の静物」、「ドルドーニュの家」 の三つが展示されていて、どれも良かった。 「猫のいる静物」は英語では、 "Still Life with a Cat" で、ちょっとしんみりするタイトルだね(笑)。

2010年3月4日木曜日

焼きうどん

今日はまた寒い。なかなか寝台から出られず、ちょっと寝坊。 いつもの朝食のあと適当にお弁当を詰め、 ポトスのポト吉の様子を見て、出勤。 午前午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 生姜焼き、半熟茹で卵、出来合いのポテトサラダ、白菜の漬物、沢庵。 17 時くらいに大体切り良く終わったし、 小雨が降り始めたようなので、さっさと帰る。 外は寒い。また冬のようだ。 しかし、明日の東京の最高気温は 20 度を越えるらしい。 こういう寒暖差は年寄には堪えるのう……。 帰宅して、今日の分の翻訳仕事を片付ける。 お風呂に入って身体をあたためてから、夕食の支度。 「餃子の王将」の餃子を焼き、 続いて生姜と葱で油に香りをつけてキャベツと鰹節だけの焼きうどん。 シルクヱビスを一杯だけ。 食後に珈琲とチーズケーキ。

明日の夜は美術館に行こうと思っているので、 更新が遅れるかも知れません。

2010年3月3日水曜日

なかび

ちょっと寝坊。 今日はずいぶんと暖かいようだ。 いつもの朝食のあと、ポトスのポト吉をしばらく検分してから出勤。 今日は週の中日なので、お弁当は休み。 午前、午後といつものようにお仕事。 昼食は近所のカレーライスのチェーン店にて、チキンカツカレーと卵サラダ。 18 時少し前に退社。 昼間はあたたかかったが、もう寒い。 年寄には、毎日のこの寒暖差が堪えるなあ。 帰宅して、今日の分の翻訳仕事をしてから、夕食の支度。 回鍋肉と王将の焼き餃子で、ヱビスのシルクヱビス。 中華料理用の味噌類がなかったので、 花椒と石垣島ラー油と醤油と塩と砂糖でそれらしいものを作って代用した。 やれば出来るものだな。 食後に珈琲と、チーズケーキ。

2010年3月2日火曜日

ポトスのポト吉

8時半起床。今日も曇り空。気温はかなり低そう。 いつもの朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 豚肉しょうが焼き、キャベツの千切り、ポテトサラダ、 白菜の漬物、沢庵。 窓際で一人わびしく窓の外の東京砂漠を眺めつつ、 あるいは、 「君主論」(マキアヴェッリ著/河島英昭訳/岩波文庫) を読みつつの昼食。 午後もいつも通りで、18 時少し前に退社。 外はかなり寒い。また冬のようだ。 スーパーで食材を買い、花屋の前を通りかかったとき、 何故か目にとまって、小さなポトスを買ってしまった。 生活にうるおいを求めているのだろうか……。 ポトスと言えば、やはり名前は「ポト吉」にするかな。 帰宅して、今日の分の翻訳仕事をしてから夕食の支度。 餃子とキムチの鍋焼饂飩。赤ワインを一杯だけ。 身体があたたまった。 食後に珈琲と、四種のチーズのチーズケーキを一切れ。

2010年3月1日月曜日

つるかめ

9 時くらいに起床。ちょっと寝坊。 適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 豚しょうが焼き、ポテトサラダ、白菜の漬物、沢庵など。 18 時くらいに退社。 またちょっと寒くなってきた。三寒四温という季節だろうか。 昼間、天才プログラマKさんから石垣島ラー油をまたもらったので、 「餃子の王将」で生餃子を買って帰る。 帰宅して、今日の分の翻訳仕事をしてから、夕食の支度。 土鍋で御飯を炊いて、生餃子を焼き、 ポテトサラダにキムチにキャベツ千切り。 なんだか、ばらばらな感じの食卓だな……。

お風呂に入って、湯船で 「数学の視点 --- Math Stories」(上野健爾著/東京図書) を読む。 つるかめ算から始まって、最後はガロア理論まで説明している。 今日の昼間、 私の師匠が書いた(同じシリーズの)微積分の本を立ち読みしていたら、 その隣りにあったこちらの方を買ってしまった。 と言うのも、 解析学については手の内が大体は分かっているものの、 代数学については、 「普通の人にどうやってガロア理論を説明するのかなあ」 と興味を感じたので。