2011年10月30日日曜日

小数の法則と「DL2号機事件」

洗濯を洗濯機に任せて、その間に朝食の支度。 クレソンのサラダと、カレーライス。 お風呂に入って、湯船で "Judgement under uncertainty: Heuristics and biases" (Ed. by D.Kahneman, P.Slovic, A.Tversky / Cambridge) より、(行動経済学の)「小数の法則」についての論文などを読む。 (ところで、数学では「小数の法則」を別の意味に長年使っているので、 同じ名前を使われるとちょっと混乱する。) 昼食は煮麺(玉葱、若芽)。 午後は私的プロジェクトの作業、読書、料理の仕込みなど。 高野豆腐と里芋をそれぞれ煮た。 夕食は、前菜にマカロニサラダ(玉葱、胡瓜、人参、フジッリ)、 メインに骨付きラム肉を塩胡椒だけで焼き、 付け合わせにポテト、ブラウンマッシュルーム、クレソン。 こちらもすべて塩胡椒のみだが、粒マスタードも添える。 食後にチョコレートチーズケーキと紅茶。

上の論文を読んでいて泡坂妻夫の「DL2号機事件」という短編小説を思い出した。 サイコロを振って、1の目が出たとしよう。 このときに、次も1の目が出るだろう、と思う人と、 次は別の目が出るだろう、と思う人の二通りがある、 というようなことが書いてあったと思う。 このどちらかだと思ってしまう、というところが人間の思考の奇妙なところである。 真実はどちらでもないのだから。 昔海軍で船が砲撃されたときに、 あえて砲撃でできた穴に逃げる兵士がいた。 同じ場所に着弾する確率は低いから、と。 我々はこのジョークを笑う。 しかし、既に着弾した場所も他の場所も、次に着弾する確率は同じであり、 論理的には笑うべきところはない。 つまり我々の多くは、ランダムネスを近視眼的な「公平さ」 の形でしか理解できない。 そうでなければ、もっと悪く、「ツキ」の言葉でしか理解できない。