2011年6月25日土曜日

マロリー・サーガ

今日も朝から大変な蒸し暑さだったが、 午後からは雨が降って急に涼しくなった。 音楽を聴きながら、読書の一日。 ムーティ指揮のモーツァルト「レクイエム」など。 あとは、実家から送られてきた一夏分のじゃが芋と玉葱で、 ポテトサラダ作り。

「死のオブジェ」(C.オコンネル著/務台夏子訳/創元推理文庫)、読了。 マロリー・サーガの第三作。 オコンネルは登場人物の造形が独特だ。 特にマロリー・サーガは私の心の琴線に激しく触れるのだが、 出版されている間は全くシリーズの存在に気付いていなかった(現在、 第一作「氷の天使」以外は品切れ)。 主人公の設定が、ちょっと聞くには、荒唐無稽過ぎたからだろうか。 主人公のマロリーは、 不幸な子供時代に人の心を失い、代わりに盗人と殺し屋の心をまとった、 究極の美女で、ハッカーで、警官なのだ。 それが、マロリーに報われない恋をしているシラノ的大鼻と天才的頭脳を持つ純情な醜男チャールズや、 マロリーの養父の故人マーコヴィッツの友人たちと触れ合いながら、 そして、悲惨な事件を悪魔的手法で解決しながら、 徐々に人間らしい心を取り戻していく。 これだけ聞くとデビルマン。でも傑作です。