2011年6月20日月曜日

わかるとわからなくなる

今日も鬱陶しい曇り空。 昼休みに新刊書店で 「ランボー全詩集」(A.ランボー著/鈴木創士訳/河出文庫) を買った。

「Amazon ランキングの謎を解く」(服部哲弥著/化学同人) を読み込むのが今日の仕事。 4 分の 3 ほど熟読して、夕方、帰る。 思っていた以上に高度な本だ。 著者の勧め通りに途中のいくつかの章をスキップしても、 普通の読者には挫折する人が多いだろうなあ、と思った。 数学が苦手な人は飛ばしても良い、というその二つの章では、 流体力学極限の概念をできるだけ正確に伝えるために、 かなり高度な確率論の道具だてが(一つの嘘もなく)説明されている。 これほど分かり易く噛み砕いて書ける人は、 服部先生をおいて他にいないだろう。 しかし、 やはり確率論の専門教育を少しは受けていないと、 これらの章には歯が立たないかも知れないなあ、とも思った。 確率論のプロにとっては血肉となっている概念には、 ランダムとは何か、ということに関するある種の「サトリ」が、 解析学の深い知識と組み合わさったものが多い。 ここについてだけは「マニアック」と言う言葉では誤魔化せない。 このハードルの高さは、一度わかってしまうとわからなくなるのだが、 実際のところ恐ろしく高い。 それに縦書きの本で挑戦したところが、偉大。