2009年10月14日水曜日

寺山修司とラーメン

8 時過ぎに起床。 珈琲、オレンジジュース、トースト、ワインジャムの朝食のあと出勤。 今日は曇り空。今日はほぼ定時に出社。午前、午後とお仕事。 昼食はビル一階弁当。昼休憩の散歩に近所の本屋で、 「笑う食卓」(立石敏雄/阪急コミュニケーションズ)を買って帰る。 雑誌 "Pen" に連載されていたエッセイ。 著者は時々原稿を書く以外は家にひきこもっている深窓の主夫で、 猫の「ヒジカタクン」と夫人のために作る日々の料理生活を書く。 夫人はバリバリ仕事人間の某雑誌編集長。 いいなあ……。私がどんな職業に向いているか、 って、絶対に主夫に向いていると思う。 職業はその性質上、色々と試すわけにはいかないのだが、 私が試してみたところでは、 数学者とプログラマには向いていなかったようだ。 向いていなくても、何とかしなけりゃいけないところが人生の難しさ、 一言で言えば、ペーソスというものだ。 次は屋台でもひいてみようかと思っているのだが、 まだ計画中の段階である。 昔から、私を養ってくれる経済力のある奥さんが見つからないものか、 と常々思っていたのだが、手をこまねいているうちに、 人生の半分以上が終わってしまった。 少年老い易く学成り難し、とはまさにこのことだろうか。 または、なんとなく考えている犬も私も草の上(山頭火)、 の境地とはこのことであろうか。 18 時過ぎに退社。

帰宅して、近所のスーパー特製の水餃子を茹で、 黒酢とポン酢で食しつつ、白ワインで一服。 少し落ち着いてから、ラーメンを作る。 具は菠薐草と長葱と焼豚と味付け卵。 冷や御飯を何とかしなければいけないので、 焼豚炒飯でも作って明日のお弁当にしようか。

ラーメンを食べていて、寺山修司を思い出す。 寺山がどこかに書いていたのだが、 ライスカレーとラーメンは日本人に似た愛され方をしているようで、 その意味が違う。 彼が言うには、ライスカレーは家庭の味であり、ラーメンは街の味である。 ライスカレーは、よく眠り、親子そろって無事であり、テレビを観る。 ラーメンは、いつも少し貧しくて、いつも少しいらいらしている。 ラーメン屋のぐらぐらと煮え立ち、もうもうと湯気をたてている、 地獄の釜のような巨大な鍋は、戦争のイメージでさえある。 そんな話だったと思う。