昨日観た「エル・ブリの秘密」(G.ヴェツェル監督) は非常に淡々としたドキュメンタリ映画だったが、色々と勉強になった。 (しかし、娯楽性はゼロなので、 一般的にはお薦めしない。) 開発期間から始まってメニュが出来上がっていく様子を、 カメラが丁寧に追っていくだけで、解説や修飾はほとんどない。 せいぜい環境音楽のような BGM がたまに入るくらい。
「エル・ブリ」は休業中の半年にメニュを作り上げて、 営業開始と同時に完成品を披露するのだとばかり思っていたが、実際はちょっと違う。 休業中の半年は、 数名の主要メンバでの膨大な実験データ収集とアイデア出しの試行錯誤が主で、 ほとんど医薬品か工業製品の研究開発みたい。 そのあと営業開始直前にデータを持ってバルセロナから実店舗に移動して、 数十名のスタッフを集め、教育し、メニュ作りが始まる。 実際、スタッフを集めた最初のミーティングで、 フェランが「メニュについて訊いてくれるな。なぜなら、まだ誰も何も知らないんだから」 と言う。 そして営業を開始してもまだ変更や調整が続く。言わば「ベータ版」というところで、 結局、メニュが完成して写真撮影をするのはシーズンのずっと後の方。 個人的にぐっと来たのは、 壁にいくつも並べた発泡スチロールの板みたいなところに、 メニュのアイデアとその「星」を書いた紙をピンでずらっと貼り出してあるシーンとか、 試作担当者と主任シェフの二人がコンピュータ内のデータをなくしてフェランが怒る場面とか、 もう営業が始まったあとにフェランがキッチン内のテーブルで同じメニュを食べながら、 鉛筆でノートにメモをとり、シェフたちに細かい指示を出しているところとか。
昨夜遅かったのでちょっと寝坊。 ローズマリィの卵焼きが美味しい、という話を聞いたので、 我流にアレンジして作ってみる。 冷たい生ハムを敷いた上に、バター多めのローズマリィのミニオムレツのせ。 予想よりはずっと美味しかったが、普通のオムレツの方がよいのでは…… という気も。朝食のあと出勤。 お弁当を作る暇がなかったので、昼食は近所の中華料理屋にて。 午後は TK 大へ。 スーパーコンピュータによる数値計算系の学位論文発表を聴くため。 すずかけ台キャンパスは初めてだ。あまりに遠い。 夕方に終了して直帰。 帰宅が遅くなったので、夕食は手間のかからないもので……サッポロ一番味噌ラーメン。 具はキャベツ、人参、若布、豚肉、卵、バター。 夜は 「夜間飛行」(サン=テグジュペリ著/堀口大學訳/新潮文庫) を読んだり。