2011年12月26日月曜日

「エル・ブリ」の一日

ちょっと寝坊。窓を開けて居間の空気を入れ替える。 いつもの朝食のあと、海苔鮭弁当を作って出勤。

昼休みに料理関係の古書店で、 「エル・ブジ 至極のレシピ集」(F.アドリア監修/渡辺万里文/日本文芸社) を買った。 最近では「エル・ブリ」と発音されることが多い "El Bulli" のフェラン・アドリア監修のレシピ集。 普通の人でも料理が可能なくらいにアレンジされていて、 さらに日本でも簡単に作れるようにリライトされている。 なかなか楽しそうだ。 ところで、この本の最後に「エル・ブリ」を訪ねたい読者のためのガイドが書かれていた。 十年以上前の情報だが、 ご予算の目安はなんと一万六千ペセタ(当時の為替で約一万一千円)。 これよりもずっとお高いコース料理を出す、 (特にどうってことのない)レストランは日本にいくらでもある。 「エル・ブリ」は一年のうち半年程度のシーズンしか店を開けず、 45 の客席に対して常にスタッフが 35 人以上いた。 世界最高と言われたレストランでこの値段である。 そりゃあ閉店に追い込まれるだろうとも思うが、 一方で日本の言わゆる高級レストランに行く機会があれば (私にそんな機会は滅多にないが)、 華麗な値段が書かれたメニュを見て、 「でもエル・ブリですら一万円ちょっとなんだよ」と思わずにいられないだろうとも思う。

夕方退社して、銀座へ。 軽食をとってから、夜は映画 「エル・ブリの秘密」 を観る。 最近、独創性とかイノヴェイションとかについて考えることが多いので、 何かヒントになるかなと思ってかなり前からスケジュールしていた。 この映画では、「未来の巨匠割引」という企画をしていて、 ものづくりのプロやクリエイターを目指して勉強中や修行中の人は当日千円に割引される(劇場により)。 私も窓口で、 「私は修行中の身ですが、数学者でプログラマで翻訳家です。 遠くない未来に世界を変えます。だから割引して下さい」 と言ってみようと思わないでもなかったが、 名刺も学生証も持っていないためただの自己申告になってしまうので、 遠慮せざるを得なかった。

そんなこんなで、今日は「エル・ブリ」の一日。