9 時起床。相変わらずいくらでも眠れそう。 珈琲、ヨーグルト、ブルーベリー、カンパンの朝食。 適当にお弁当を詰めて出勤。 バッハの「インベンションとシンフォニア」が胸に沁みる季節だ。 出社して午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 豚キムチ、高野豆腐、切干し大根、蕪の酢漬け。 いつものようにセネカを読みながら。 昼休憩の近所の本屋で、 「キプリング短編集」(キプリング著/橋本槇矩編・訳/岩波文庫)、 「喜嶋先生の静かな世界」(森博嗣著/講談社) を買って社に戻る。
「喜嶋先生」は短編「キシマ先生の静かな生活」 にその前日談を加えて長編化したもののようだ。 「キシマ先生」には良い思い出がある。 「ブックガイド 〈数学〉を読む」(岩波書店編集部編/岩波書店) という本に寄稿したときにこの短編を題材に挙げたのだが、 この時に書いた丁度 10 ページの短いものが、 今のところ私の生涯でベストの文章だと思う。 数学の論文や翻訳やあらゆる私のアウトプットの中でもベストだろう。 ただ一般的に反応はほとんどなくて、 例えば amazon 評などを見て、がっかりすることが多かった (担当の編集者だけは激賞してくれたけど)。 しかし、それ以来時折、常に私が忘れたころに、 この文章のことを覚えていて下さる方が現れ、その度にとても嬉しい。 自分の会心の作品も自分の思うようには、おおむねどこにも伝わっていない。 しかし、伝わるところにはちゃんと伝わっている、という有り難さ。 まあ当たり前のことだけれども、しみじみ思うことである。
午後もあれこれ。しかし調子はもう一つ。 初老にもなると夏の疲れがなかなかとれないのだなあ……とでも納得しておこう。 17 時過ぎに退社。 スーパーで買い物をして帰宅。 帰宅して、切干し大根と剣菱を五勺ほどで一服してから、夕食の支度。 うどんすき。具は牛蒡入り薩摩揚げ、油揚げ、長葱、しめじなど。 今日はしめじにはり込んでみました。 しかし練り物入りの鍋はまた独特の美味しさがあるねえ。