2011年7月11日月曜日

代数に過ぎない

ふと、スパムというものを我も食してみむと思い立ち、 スーパーで手にとってその高価さに驚いた。 もっと庶民的な食べ物だと思い込んでいた。 でも、心は既に、夕食はスパム入りのゴーヤチャンプルーと決まっていたので購入。 美味しかったけれど、贅沢品だなあ。 今夜からしばらくスパム三昧。

ふと、 「圏論の勉強してみようかな、全然知らないし」 と思い立って、"Category Theory" (S.Awodey著/Oxford University Press) を湯船で読む。 私は基本的に解析屋なので、代数をよく知らない。 だから今、代数の入門書を読むと新鮮で面白い。 しかし私は基本的に解析屋なので、 巧妙な解析的評価を含まない数学的議論を、 「だってそんなの代数に過ぎないよね」 とけなしたりする。 今でも心のどこかでは、 等式変形なんだから自明だと思っているのである。 (これは私の無知に起因する偏見です。今、私に宛てて長い説教メイルを書こうとしている、 代数学を研究されている方々は思い留まってください。 それはスパム処理されます。) 私も数学を勉強し始めた学生の頃は、 代数って格好良さそうなので、高級な代数の教科書を読んだりした。 すると、最初の章はもちろん、どこまで行っても自明なことしか書いていない。 つまづくところなんてどこにもない。 分からなくて困るのではなくて、あまりに分かり過ぎて、明らか過ぎて困るのである。 段々と集中力がなくなってくる。 そして気付くと、本の丁度中頃に至って、 ガラスでできた迷路の中に放り出されたように、 逆に何も分からなくなっているのである。

一言でまとめると、私は代数学には向いていなかった、ということか……