R.W.ハミング博士の講演
"You and Your Research"
より再び、引用。訳文は私が新たに試作したもの。
私はこの箇所を読んだとき、死にたいくらい自分を恥ずかしく思いました
(白ビールが入っていたせいもあると思いますが)。
ちなみに、登場するボーディは当時のベル研でのハミングの上司。
私は全く知らなかったが、Wikipedia 項目
H.W.Bode
を見るに傑物だったようだ。
テューキーは統計学、アルゴリズム、計算機科学など広範囲に活躍した数学者。
なお明日も、もう一度だけ、
ハミング博士の講演から引用します。さて、私はどこを引用するでしょう。
私はベル研究所でジョン・テューキーと十年間、一緒でした。テューキーは猛烈な情熱を持っていました。私が入所して三、四年後のある日のことです。私はジョン・テューキーが私より少し年下であることに気付いたのです。ジョンは天才でした。そして私は明らかに天才ではなかった。それで私はボーディのオフィスに駆け込んで、言いました。「私と同じくらいの歳の人間がどうやったら、ジョン・テューキーほどものを知ることができるんです?」。彼は椅子の背にもたれて、頭の後ろに両手をまわし、少し微笑んで、こう言いました。「君がもしもだよ、ハミング君、彼が長年してきたのと同じくらい激しく勉強したら、どれほど多くを知ることか、自分で驚くだろうよ」。私はすごすごと部屋を逃げ出しました!
ボーディが言っていたのは、こういうことです。「知識と生産性は複利のようなものだ」。同程度の能力の二人がいて、片方がもう一方よりも一割多く働けば、その差は二倍以上にも広がるでしょう。もっと知れば、もっと学ぶことができ、もっと学べば、もっとできるようになり、もっとできるようになれば、もっとチャンスが得られる。それはまさに複利のようなものです。その利率がいくつかは言わずとも、非常に高いとは言っておきましょう。正確に同じ能力を持つ二人がいて、片方がもう一方より、毎日なんとかして一時間だけ多く考えることができたら、生涯での生産性は途方もない差になるでしょう。私はボーディが注意してくれたことを肝に銘じました……
I worked for ten years with John Tukey at Bell Labs. He had tremendous drive. One day about three or four years after I joined, I discovered that John Tukey was slightly younger than I was. John was a genius and I clearly was not. Well I went storming into Bode's office and said, ``How can anybody my age know as much as John Tukey does?'' He leaned back in his chair, put his hands behind his head, grinned slightly, and said, ``You would be surprised Hamming, how much you would know if you worked as hard as he did that many years.'' I simply slunk out of the office!
What Bode was saying was this: ``Knowledge and productivity are like compound interest.'' Given two people of approximately the same ability and one person who works ten percent more than the other, the latter will more than twice outproduce the former. The more you know, the more you learn; the more you learn, the more you can do; the more you can do, the more the opportunity - it is very much like compound interest. I don't want to give you a rate, but it is a very high rate. Given two people with exactly the same ability, the one person who manages day in and day out to get in one more hour of thinking will be tremendously more productive over a lifetime. I took Bode's remark to heart;