2011年9月22日木曜日

人工衛星が人間に当たる確率

明日あたり人工衛星が地球に落ちてくる。 それがたまたま人間に当たる確率は、NASA の計算では 3200 分の 1 らしい。 高度なリスク評価なのだろうなあと思いつつ、「封筒の裏で」計算してみよう。

地球の一周の長さが約 4 万km ということは私も知っている。 これを円周率の二倍で割って半径は約 6 千 km、つまり 6 かける 10 の 6 乗メートル。 よって、地球の表面積はこの二乗かける円周率の 4 倍で、およそ 5 かける 10 の 14 乗平方メートル。 一方、人間一人が占める表面積をざっくり 1 平方メートル、人口をおよそ 60 億人とすると、 人間が占める表面積は 6 かける10 の 9 乗平方メートル。 よって、まったく一様かつ独立に人工衛星の破片が落ちてくるとすると、 その一つが人に当たる確率は以上二つの面積の比であって、1.2 かける 10 のマイナス 5 乗である。 人工衛星の破片は 26 個だそうなので、 このうちのどれか一つでも人間に当たる確率は、 上で求めた確率を 1 から引いた「その一つの破片が人に当たらない確率」の 26 乗、 つまり「どの破片も人に当たらない確率」を、さらに 1 から引いたものである。 この結果は約 0.00031、すなわち約 3200 分の 1 である!

以上の計算が示唆していることはおそらく、 NASA がサボっているということではなくて、 今のところ人類最高の頭脳と地上最高の技術をもってしても、 人工衛星の破片がどこに落ちてくるかは「地球表面にまったく一様にでたらめ」 と仮定するしかない、ということだろう。 ひょっとすると、26 個の破片を精密に追跡できた結果が、 うまい具合に平均化されて一様分布になるのかも知れないけれど。