2011年9月14日水曜日

肩にかけるチェロ

寝台で夢うつつに「古楽の楽しみ」を聞いていたら、 肩にかけて弾くチェロ、 ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラなるものによる、 バッハの無伴奏チェロ組曲一番の演奏が流れてきた。 無伴奏の六番は通常のチェロより高い弦が一本多い楽器で演奏するよう作曲されていて、 それがどういう意味なのか謎なのだが、 このように肩に乗せたり、帯でかけたりして弾く小型チェロが想定されていたのでは、 という説がある。 実際、最近では、 普通のチェロで一本高い弦がないままに高音部を超絶技巧で弾くよりも、 五弦の古楽器で演奏されることも多くなってきた。 今日の演奏は一番のプレリュードだったのだが、 普通のチェロとはまた違った軽快な弓さばきで、面白い。思わず魅き込まれた。 うーむ、ひょっとしてこれがビルスマの言うところの、 「剣の達人、バッハ」("Bach, the fencing master")なのかも知れぬ。 これで六番を聴いてみたい。

昼休憩の神保町散歩。新刊書店で 「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上・下)」 (S.ラーソン著/ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利訳/ハヤカワ文庫) などを買う。夕方、退社。 帰宅してお風呂に入ってから、夕餉の支度。 中秋の名月を忘れていたお詫びに、里芋を煮る。 本当は月に見立てて丸い里芋だけを切らずに煮るのだが、 そんな洒落たことをする柄でもない。普通の煮物。 夕食はひじきと大豆の煮物、切干し大根のはりはり漬け、 里芋の煮物、塩鯖に酢橘、素麺に海苔と酢橘。 食後に梨を一つ。梨が好き。