2011年5月28日土曜日

ラット・キング

雨。梅雨入りしたそうですね。 降ったり止んだりだが、一日中曇って薄暗い。

自宅でひっそり読書など。 「神曲 地獄篇」(ダンテ著/平川祐弘訳/河出文庫)、 「ラット・キング」(M.ディヴディン著/真野明裕訳/新潮文庫)。 私はディヴディンを高く評価している。しかし、 翻訳が一通り出ているにも関わらず、今では入手が難しい。 昔、ペイパーバックでかなり読んだものの、 あまり内容が分かっていないと思うので、 古本屋で翻訳を見つけたら買って読み直している。 ディヴディンはイギリスの作家なのだが、 数年間イタリアのペルージャ大学で英語を教えていたせいだろう、 メインの「ゼン」シリーズでは舞台がイタリアなのが面白い。 それも、単なる観光的装飾として使っているのではなくて、 政治的、宗教的、文化的に複雑な背景として物語に織り込まれている。 この「ラット・キング」が「ゼン」シリーズの一作目。 ちなみにラット・キングとは、 沢山の鼠が互いの尻尾でからみあって一体化して生きる現象で、 ヨーロッパの歴史上の伝説的な「動物」。 実在する現象なのか不明らしい。

今の時間は多分、 青山のイメージフォーラムで「甘い罠」(C.シャブロル監督/2000) を観終わった頃。 「シャブロル未公開傑作選」 の東京での期間中に、あと二つ(「最後の賭け」と「悪の華」) 観られるかな。