2010年9月30日木曜日

教養

今朝も雨。 雨が降ると余計に眠れるんだなあ…。 本を届けに来たクロネコヤマトさんに起こされた。 本と言っても、料理本だけど。 珈琲、タイムと玉葱とオリーヴ入りのパン、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食のあと、 適当にお弁当を詰めて、雨の中を出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 塩鮭、鶏の砂肝の大蒜炒め、里芋、小松菜のおひたし、切干し大根。 17 時くらいに退社して、 雨の中を帰る。 スーパーで買い物をして帰宅。

帰宅して、酢橘を搾った鯛のおつくりで賀茂鶴を半合ほど。 鯛の残りを昆布締めにしておく。 一服してから、夕食の支度。 鶏もも肉の照り焼き、切干し大根、蕪の酢漬け、御飯、茗荷と若布の味噌汁。 九月も終わった。今年もあと三ヶ月かあ。

十蘭を読んでいると、今の日本人には、と言うより今の私には、 もう理解できない日常の描写が多い。 「栗梅の紋お召の衿もとに白茶の半襟を浅くのぞかせ、 ぬいのある千種の綴錦の帯を高めなお太鼓にしめ、 羽織は寒色縮緬の一つ紋で、振りから、大きな雪輪の赤い裏がみえた」 と書かれていても、ほとんど目に浮かんでこない。 この着方は、 「三十歳ぐらいのひとの着付だが、十八、九の若さで、 ちっともおかしくないというのは、これは、たいへんなひとなのだなと思った」 ということらしくて、 この若い女性の人物像がほのめかされているのだが、ピンとこない。 我々は、と言うより私は、だが、もう色んな教養を失ってしまっているのだな、と思う。

2010年9月29日水曜日

数学者の肖像

昨夜、「国家 (上)」(プラトン著/藤沢令夫訳/岩波文庫)を読了。 岩波文庫プラトン読破計画は、毎日少しずつ、ひっそりと続いている。 9 時過ぎに起床。 9 時間くらい眠ったはずだが、あと三時間くらい寝たい。 それから昼寝もしたい。 珈琲、タイムと玉葱とオリーヴ入りのパン、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食のあと、 適当にお弁当を詰めて出勤。 今日は久しぶりに快晴の朝。やはり晴れると気温も高いし、日差しも強い。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 塩鮭、だし巻き、鶏砂肝の大蒜炒め、小松菜のおひたし、切干し大根。 17 時くらいに退社。 そとは曇り空で、空気もひんやりしていた。 どうやらまた雨が近そうだ。帰宅して、 だしをひいたついでに豆腐の卵とじを作り、賀茂鶴を半合ほど。 一息ついてから、夕食の支度。 御飯を炊いて、切干し大根、小松菜のおひたし、もろきゅう、 蕪の酢漬け、卵の御澄まし。

「世界を変えた手紙」のカバーのデザイン案が上がってきたとのこと。 こちらで検討させてもらえるらしい。 その連絡のメイルで知ったのだが、 パスカルとフェルマーの肖像画の権利はどこかが持っていて、 勝手には使えないらしい。 パスカルとフェルマーにも肖像権があったとは、ちょっと意外。

2010年9月28日火曜日

スタイル

9 時過ぎに起床。ほんま、いっくらでも眠れるわ…。 珈琲、トースト、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食のあと出勤。 午前中は大雨洪水警報まで出ていたが、昼頃には小雨になった。 昼食は、大学勤務時代にお世話になった方々と近所の蕎麦屋にて。 午後も低調気味に働いて、17 時くらいに退社。 もう雨はあがっていたが、空気はひんやりと冷たい。良く眠れそうだ。 今日も駅の近くは女の子や妙齢の女性でいっぱい。 またアイドルグループのコンサートがあるらしい。 帰宅して、里芋と塩鮭で賀茂鶴を半合ほど。 そのあと、水餃子の残りを茹でて黒酢で食す。

最近は睡眠儀式として、プラトン「国家」、 昨夜から加わったボルヘスの短編集の他に、 「久生十蘭全集 II」(久生十蘭著/三一書房)から一篇読むことにしている。 寝る前に、手間のかかったものを賞味したな、 という贅沢な気持ちがして良い。 この三一書房の全集が出たのは 1970 年のことで、 第二巻の巻末解説で某作家は、 「一九七〇年の現代ほど、スタイルが無視され、馬鹿にされ、 見るも無惨に蹂躙されている時代はない」と書いて嘆いたのであるが、 二○一○年の現代は一体どうであるかな、と思う。

2010年9月27日月曜日

秋雨とボルヘスと猫

9 時近くなって起床。寝坊。 まだまだいくらでも眠れそうだった。 珈琲、ヨーグルト、キウィの朝食のあと、 お弁当を適当に詰めて出勤。 ひょっとしたら、私の席がなくなっている、 もしくは、部署ごとなくなっている可能性が無視できない確率で存在したが、 休み前の通りでほっとした。 午前、午後と休みボケを直すために、単純作業で過す。 昼食は持参のお弁当。 塩鮭、だし巻き卵、里芋、小松菜のおひたし、蕪の酢漬け、生姜御飯。 17 時過ぎに退社。 外は冷たい小雨。今日は 18 度くらいまでしか気温も上がらず、 思った以上に冷えた一日。秋雨らしい。 スーパーで出来合いの水餃子などを買って帰る。 帰宅して、鶏砂肝で賀茂鶴を半合ほど飲んで一服してから、夕食の支度。 薄味のスープを作って、土鍋で水餃子。 本来なら水餃子を(皮もこめて)手作りしなければならないところだが、 久しぶりの出勤でそこまで元気がなかった。 そのあと同じ鍋で卵雑炊をつくる。 いやー美味いね、卵雑炊。賀茂鶴をもう半合ほど。

amazon でボルヘスの小説全集 "Collected Fictions" (J.L.Borges著 / A.Hurley訳 / Penguin Classics Deluxe Edition) を買う。 短編が 500 ページ以上ぎっしり収められていて、21 ドル(1600 円くらい)。 装丁もお洒落だし、大変にお買い得。 日本語訳はいまいち、とお嘆きの貴兄も、英訳をお試しあれ。

秋雨の冷たい日は、猫がいい感じに寝ている。 夏は伸び切っているし、冬はちぢこまり過ぎだし、 春はだらしない。

2010年9月26日日曜日

「イエメンで鮭釣りを」

9 時起床。今日も 9 時間睡眠。 寝過ぎのせいか食欲がなく、中国茶だけ。 「イエメンで鮭釣りを」(P.トーディ著/小竹由美子訳/白水社) を読了。 「ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン」と前後したが、 こちらがトーディの第一作。 大変、面白かった。 久しぶりに来たな、期待の新人作家トーディ。 新人と言っても 59 歳のデビューで、 それまでは家業の会社経営で成功していたのだが、 成功し過ぎたのか、敵対的買収の憂き目にあって、 名ばかり会長に退いたところで小説を書き始めたそうだ。 人生どうなるか分からないものだ。 一読者としては、 これだけ書ける人が船舶エンジン修理会社の社長を辞めさせられて、 ラッキーだったと思うしかない。 小竹由美子さんの翻訳も素晴しいので是非早く、第三作、 第四作も出版してもらいたい。

二校ゲラをまとめてクロネコヤマト便で送るついでに、 近所でラーメンの昼食。 帰宅して、お風呂に入り湯船で読書。 「なぜ金融リスク管理はうまくいかないのか」(R.レボネト著/茶野努・宮川修子訳/東洋 経済新報社)。 そのあと、昼寝。また二時間半も眠ってしまった。 いよいよ夏休みも終了なので、 明日からのお弁当のおかず作りをあれこれ。 続いて、夕食の支度。 生姜御飯、塩鮭のあら焼き、冷奴、切干し大根の辛煮、小松菜のおひたし。 食後にお茶と、いただきものの和三盆金平糖。 夜は雨になった。

2010年9月25日土曜日

カサンドラ

9 時起床。涼しいって素晴しい。 珈琲、フルーツケーキの朝食のあと、洗濯と、校正作業。 昼頃、家を出て汐留のお鮨屋さんへ。 大学勤務の時代にお世話になった方と会食。 以前、同僚と打ち上げに来て気に入り、 機会があればまた来ようと思っていた。 そのあと、浜離宮を散歩してから帰る。 気温は低いのだが日差しは強烈でおかしな感じ。 帰宅して、お風呂に入り、湯船で 「世紀の空売り」(M.ルイス著/東江一紀訳/文藝春秋)を読む。読了。 初期からサブプライムのシステム全面崩壊に賭け、 莫大な空売りを仕掛け続けた一握りの人々からの視点で描いた、 言わば現代のカサンドラたちの物語。 主人公がほぼアマチュアと言ってもいいような人たちだったところが面白い。 そのあとはずっと、校正作業。 昼に食べ過ぎたので夕食はあっさり、 鯵のひらき、蕪の酢漬け、豆腐の赤だし、御飯。 夜も校正作業。

自主「夏休み」もあと一日で終わりかあ……。 校正作業は今夜中に終えるつもりなので、 せめて明日一日はのんびり暮らそう。

2010年9月24日金曜日

訳者紹介

9 時過ぎに起床。いくらでも眠れそう。 珈琲、フルーツケーキ、ヨーグルト、キウィの朝食。 昼食はカルボナーラ。 午前、午後と校正作業三昧。 合間に、「世紀の空売り」(M.ルイス著/東江一紀訳/文藝春秋)を読んだり。 サブプライムものでは一番面白いのでは。 ふと訳者紹介を見ると、 「フィクションからノンフィクションまで、千差万別な原著の語りを、 変幻自在に訳すその手腕は芸術的と言われる」、 と書かれていて、そんなスター翻訳家がいたとは、とちょっと驚く。 著者と違って裏方の訳者紹介は、 「何年生まれ、何年どこそこ卒業、他の訳書にこれこれ」、 くらいで済ませるのが普通なので、よほどのことだろう。 実際、この前一緒に飲んだハッカーの N さんも絶賛していた 「犬の力」(D.ウィンズロウ著/東江一紀訳/角川文庫)もこの訳者なので、 実力は間違いないようだ。 夕食は、御飯を炊いて、鯵のひらきを焼き、 もろきゅう、小松菜のおひたし、蕪の酢漬け、里芋のお味噌汁。 夜も少し校正作業。

amazon などオンライン書店で 「世界を変えた手紙」 (K.デブリン著/岩波書店)の予約が始まっていた。 まだ鋭意校正中ですけれど……。 奥付の訳者紹介を「専門書から文学まで変幻自在に訳す天才翻訳家、 百の声と千の顔を持つ男」 とか校正し直そうと一瞬思わないでもなかったが、 編集者にグーで殴られそうなので流石にやめた。

2010年9月23日木曜日

秋雨と猫

索引原稿と項目引合せ用のゲラを持ってきたクロネコヤマトさんに起こしていただき、 9 時起床。涼しくなったせいで、今まで以上に良く眠れる。 10 時間くらい軽い。 絶好調のとき(主に真冬)は夜に 12 時間以上眠った上に昼寝も出来るので、 本調子にはまだ遠いが。

朝食は珈琲、フルーツケーキ、ヨーグルト、キウィ。 昼食は鯵のひらきを焼いて、 里芋の煮物、もろきゅう、小松菜のおひたし、豆腐としめじの味噌汁、御飯。 朝は風情のある秋雨だなと思っていたら、午後は豪雨。 部屋の中でひたすら、ゲラ校正の索引チェック。 一気に全部見てやった。 夕方になって雨も小降りになった頃、 やれやれ……と、里芋の煮物で日本酒を半合ほど飲んで、自分を癒す。 一服してから夕食の支度。 オムライスを作った。 オムレツをチキンライスの上で切って広げるタイプ。 オムレツはたまに作らないと腕が鈍るので。

涼しくなったせいか、猫が寄ってくる。 そして何故、猫は原稿の上に座るのか。

2010年9月22日水曜日

さといも

9 時起床。ああ、良く寝た。 寝過ぎて食欲がなく、朝食は珈琲とヨーグルトとブルーベリーだけ。 午前中はお風呂に入って湯船で読書したり、 校正作業をしたり。 昼食は、しめじとエリンギとベーコンのアーリオオーリオ。 午後は集中的に校正作業をする。 再び、最初から最後まで目を通した。 明日、索引部分のゲラが届くそうなので、 明日以降は索引との引き合わせ確認とともに、 三度校正の見直しの予定。 校正の問題は、訂正すること自体が誤植を生む可能性があることだ。 夕食は、酢キャベツとソーセージの煮込み料理、 ウフ・マヨネーズ(と気取ってみても茹で卵とキューピー・マヨネーズ)、 タイムと玉葱とオリーヴ入りのパン、赤ワインを一杯だけ。

夕刻、早い時間はまだ雲がなく、中秋の名月を観ることができた。 窓から月を見上げて静かに腕を組み、 わがねがふところを月輪も知らぬ(佐藤春夫「孤獨」)、 とチェーザレ・ボルジア風につぶやく。 昨日煮ておいた里芋で、賀茂鶴を半合ほど飲む。 私の実家では里芋の他に、涙型というか人魂型というか、 そんな形の団子を作る習慣があった。 地方の習慣なのか、私の家だけだったのかは知らない。 正直に言って、たいして美味しいものではなかったが、 一方、里芋は大変美味しかった記憶がある。

2010年9月21日火曜日

往復ビンタの法則

8 時起床。 珈琲、フルーツケーキ、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食。 午前、午後と校正作業三昧。 昼食は鰤の塩焼きに酢橘と新生姜、焼き海苔、もろきゅう、 豆腐とピーマンの味噌汁、御飯。 流石に根を詰めて校正したので、 身体を伸ばすために少し散歩。 もう日も落ちた夕方とは言え、夏のように蒸し暑い。 外に出たことを後悔して、すぐに帰宅。 夕食は、いよいよ焼き秋刀魚。酢橘をしたたらせて食す。 まだ旬は先だが、美味い。さんま、さんま、さんま苦いかしょっぱいか。 一緒に松茸、と言うわけにはいかないので、エリンギのバター炒め。 こちらも酢橘を搾って、ヱビスビールとともに。 夜も校正作業。

実行しない癖に割とライフハック系の blog が好きで読んでいるのだが、 たまに「なるほど」と思うことがある。 今日は "Full In, Full Out" というレストラン用語を知って、 考えさせられた。 キッチンで料理が出来たので、ウェイターがお客の席まで持って行く。 それはいいのだが、そのあと手ぶらで帰ってくるようなウェイターは駄目だ。 帰りにも、食べ終わった皿を下げる、 他のテーブルで注文をとる、などあれこれ仕事をしなければいけない。 逆方向の例を挙げれば、 カーヴからあのワインを取ってきてくれ、と言われたとせよ。 そこで、手ぶらで地下倉庫に行くようでは駄目だ。 何か倉庫に持っていくものはないか、自分で考えるか誰かに訊くかして、 行きでも仕事をしなければいけない。 つまり、手を一杯にして行き、手を一杯にして帰ってこい、というルールで、 これを "Full In, Full Out" と言うそうだ。 レストランに限らず、多くの仕事には往復のフェイズがあって、 大抵どちらか片方のフェイズだけが「仕事」である。 そこで、逆フェイズの仕事を一緒にあわせてみなさい、さすれば、 二倍効率が良くなるのです、という教訓である。 強いて日本語訳すれば、「往復ビンタの法則」だろうか。

2010年9月20日月曜日

「ウィルバーフォース氏のヴィンテージワイン」とトロロープ

8 時半頃に起床。 珈琲、トースト、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食。 「ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン」(P.トーディ著/小竹由美子訳/白水社 ) を読了。 四つの「ヴィンテージ」を逆行していく構成が効果を上げていて、 久しぶりに良い小説を読んだな、と思った。 結末(実際は発端)の描写の明るさに、哀しくなる。 訳者あとがきによれば、 著者は愛読するトロロープの某作品からこの構成を思いついたそうで、 やはりいかにもイギリス的だ。 そう言えば、イギリスでは Anthony Trollope は有名作家だが、 日本ではほとんど知られていない。 翻訳も二、三冊しかされていないと思う。 ただ、英国的、ヴィクトリア朝的、スノッブ的、趣味の良さ、 みたいなもののアイコンではあるらしく、 以前に私の家に書架を見に来た人が、 「トロロープはおいていないんですか?」と言っていた。 当時、私はトロロープを知らなかったので、 「とろろっぷ?なんでしょう、それ」と答えたものだった。 それはさておき、 次は同じ著者の「イエメンで鮭釣りを」を読むことにしよう。

お風呂に入ってから昼食の支度。 鰤の照り焼きに新生姜、蕪の甘酢漬け、焼き海苔、しめじと豆腐の味噌汁。 午後は校正作業に集中。 夕方、涼しくなってから、切れている珈琲豆を買いに行く。 秋とは言え、湿気が充満していて蒸し暑い。 どうやら、明日、明後日はまた夏日らしい。 家から一歩も出ないだろうから、問題はないのだが。 帰宅して、夕食の支度。酢キャベツとソーセージの煮込み料理、 タイムと玉葱とオリーヴ入りのパン、ヱビスビール。 夜も校正作業。二校を最後まで校正した。 「夏休み」中にさらにもう一回見直して、 索引情報の校正をしてから返却する予定。

2010年9月19日日曜日

あはれ秋風よ情あらば伝へてよ

昨夜夜更しをしたので、9 時半起床。 ヨーグルトとブルーベリーで目を覚まして、 一服してから洗濯に掃除など家事をする。 毎年のように手作りの梅干しを送って下さる方から、 今年も届いた。さらに、「賀茂鶴」純米吟醸と、 パン類も送って下さった。ありがたし。 梅干しは常に古いヴィンテージから順に食べているので、 今年届いたものを食べるのは相当先になるだろう。 少し校正作業をしてから、昼食の支度。 鰤の塩焼に酢橘と新生姜、もろきゅう、蕪の甘酢漬け、 豆腐の味噌汁、御飯、手取川を半合ほど。 お風呂に入って、 湯船で 「ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン」(P.トーディ著/小竹由美子訳/白水社 ) を読む。 しばらく昼寝。もう秋とは言え、昼間はまだまだ暑い。

昼寝のあと午後は、校正作業。 夕方、窓を開けていると、ふと秋刀魚を焼く匂いが漂ってきた。 私は紀州の生まれなので、すぐに「秋刀魚の歌」が思い浮かぶ。 あはれ秋風よ、こころあらば伝へてよ。 男ありて今日の夕餉にひとり、さんまをくらひて思ひにふける、と。 さんま、さんま、そが上に青き蜜柑のすをしたたらせて、 さんまをくらふはその男がふる里のならひなり。 和歌山は貧しく文化のない地方なので、 有名人や偉人が少なくて、 私も誰か有名な人はと訊かれて「えーっと……、暴れん坊将軍?」 と答えてしまうくらいなのだが、 逆に数少ない有名人のことを良く知っている、という効果がある。

夕食はカルボナーラと、酢キャベツとソーセージの煮込み料理、 タイムと玉葱とオリーヴ入りのパン。 食後にドライフルーツケーキと珈琲。 夜もゲラ校正の作業を少し。

2010年9月18日土曜日

食後の珈琲

眼をあげよもの思ふなかれ秋ぞ立つ いざみづからを新しくせよ(牧水)

メイン

前菜のミニ・スパゲティナポリタンのあと、メインのステーキ。
こののち、ヨーグルトとブルーベリー、珈琲。

夏休みのお仕事


夏休みの読書計画


朝昼食、前


2010年9月17日金曜日

眼をあげよもの思ふなかれ秋ぞ立つ

8 時半、起床。涼しくて良く眠れる。 ま、普段からとても良く眠れてるんだけどね。 今日は晴天で 30 度くらいまでは気温が上がるらしいが、 朝の涼しさは完全に秋だ。 珈琲、トースト、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食のあと、 週末スペシャル弁当を詰めて出勤。 もっと手をかけるつもりだったのだが、 結局、おかずの残りを詰めるだけになってしまった。 しかも、俵型のおむすびは作ったことがなかったので、 納得のいかない出来。 出勤して、午前午後とお仕事。 昼食は持参の週スペ弁(略してみた)。 17 時半くらいに退社。

帰宅して、シャワーを浴び、 鶏手羽元肉と長葱のラー油和え、酢キャベツのベーコン蒸しの二品で、 ヱビスビールを一杯。 やれやれ、いよいよ私にも夏休みが来た……。 でも、その期間がぴったり二校のゲラ校正。 そのあと、バジルのスパゲティーニ。

今日は牧水忌。 「眼をあげよもの思ふなかれ秋ぞ立つ、いざみづからを新しくせよ」。 若山牧水、享年四三。 最近思うに、人生五十年、とは良く言ったものだ。 日本人は長命とは言え、 私の歳になると五十を前に亡くなった身近な人を、 いくつも指を折って数えられるものだ。 実際のところ、これくらいまでは元気で生きられるだろう、 あるいは思うように生きられるだろう、 と信じられるのは、せいぜい五十じゃなかろうか。 明日に死ぬかのように今日を生きなさい、 と古賢は口をそろえておっしゃったものだが、 そのように生きられたことは、私には一日だってない。 それに比べ、五十で死ぬつもりで生きる、 あるいは、身を引くつもりで生きるのはずっと易しそうだ。 そして、実際に五十になったら、 今度こそ、明日に死ぬかのように今日を生きるのだ。 練習のあとだから、少しは易しくなっているだろう。

2010年9月16日木曜日

ブートストラップ法

8 時起床。今日も涼しい朝。 朝食は珈琲、トースト、ヨーグルト、葡萄。 強い雨が降っていたが、しばらくして止んだので、 この隙に出勤。 出社して、午前午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 ほぐした鶏手羽元と葱とラー油を和えたもの、 酢キャベツ、もろきゅう、蕪の甘酢漬け。 丁度昼時も雨が止んでいたので、 昼休憩に新刊書店まで歩き、 「イエメンで鮭釣りを」(P.トーディ著/小竹由美子訳/白水社)を買ったり。 午後は主に、単純なブートストラップ法で株価の予測をするプログラムを python で書いて遊んでいた。 そもそも標準的な確率や統計の応用も、ほんとうのところ何なのか、どういう意味で推定や予測になっているのか、 考えれば考えるほど良く分からないが、 ブートストラップはもう一段、謎が深いような気がする。 16 時半くらいに雨の隙間をついて退社。

最近の夕刻は、駅の近くが身動きとれないくらいの人出。 某アイドルグループのコンサートらしい。 「チケットゆずって下さい」と書いた紙を持った女性たちが、 駅の周辺にぎっしり立っている。 おおむね若い女の子だが、妙齢(?)の方もけっこういた。 今日初めて見たタイプは、 「ボクたちと一緒にコンサートどうですか」 と書いた紙を持っている二人の男性。ナンパの新手だろうか。 なんとか濡れずに帰宅。

モーツァルトを聴きながら、夕食の支度。 鶏手羽元肉と葱のラー油和え、ベーコンの酢キャベツ蒸し、 焼きピーマン、塩時鮭の切り身焼き、新生姜の甘酢漬け、 里芋と長葱の味噌汁。 残ったおかずで、日本酒を半合だけ。 外はまた雨。 夜はおかずを作ったり、読書をしたり。

2010年9月15日水曜日

フライング

8 時起床。今朝も涼しい。 知らぬ間に夏は過ぎ去っておりました。 珈琲、トースト、ヨーグルト、葡萄の朝食のあと、 適当にお弁当を作って出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 卵と長葱の炒飯、 參鶏湯の鶏肉をほぐして葱と和えたもの、 酢キャベツ、蕪の漬物、新生姜の甘酢漬け。 あれこれの仕事をして、17 時過ぎに退社。 夕方もすっかり涼しくなった。 と言っても、25 度くらいなのだが。

帰宅して、夕食の支度。 酢橘を搾った冷奴と、もろきゅうで、冷たい日本酒を半合ほど。 歯にしみとほるなあ…。酒は静かに飲むべかりけり、などと思っていると、 明後日の 17 日は牧水の命日らしい。享年四十三。 一息ついてから、秋が来た喜びを表現するため、 昨日の參鶏湯のにこごりを戻して雑炊を作る。 ほぐした鶏肉を一緒にして、卵を落として食す。 濃厚な雑炊とともに、赤ワインを一杯だけ。 美味しかったけれど、身体があたたまり過ぎ。 涼しいと言っても、それはつい先日までの猛暑に比べての話なので、 さすがにちょっと気が早かったか……、と反省。

夜は昼間に買った、 「ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン」(P.トーディ著/小竹由美子訳/白水社) を読んだり、ブートストラップ法の勉強をしたり。

2010年9月14日火曜日

參鶏湯のもと

昨日のクイズの答え。三島由紀夫の「午後の曳航」。

7 時過ぎに目が覚めたものの、 なかなか起きられず、ようやく 8 時頃起床。 珈琲、ヨーグルト、葡萄の朝食。 今日はお弁当を休んで、ゆっくり出勤。 午前、午後と低調にお仕事。夏疲れかなあ。 昼食は近所の中華料理屋さんで餃子と炒飯。 昼頃は夏のように燦々と日差しが降り注いでいたが、 午後はもくもくと暗雲が立ち籠め、 いつ豪雨になっても不思議なさそうな空模様。 17 頃退社。 運良く雨にあわず帰宅できた。

夕食は、夏疲れを癒そうと思って、參鶏湯にする。 身体が弱っているときには、チキンスープ、 というのが洋の東西を問わずセオリーだ。 スーパーで丸鶏を前にちょっと悩んだが、 さすがに食べ切れないと思って、手羽元肉などを使う。 シンガポールから送ってもらった「參鶏湯のもと」 みたいなものを鶏肉と一緒に煮込むだけ。追加する味つけは塩だけ。 一時間煮込んで、完成。參鶏湯らしきものが確かに出来た。 他にもろきゅう、梅きゅう、海苔などで御飯を一膳、 酢橘を搾ったもろみで冷たい手取川を半合ほど。 食後に梨を一つ。 夜は、お弁当のおかずを仕込んだり、 ブートストラップ法の本を読んだり。

2010年9月13日月曜日

「気品ある海から堕ちた船乗り」

午後も早い時間に研究打ち合わせを終えて、 新幹線で東京に帰る。 東京、蒸し暑すぎるよ……。 地下鉄で、太陽の活動が弱まる周期に入るため地球に寒冷期、 または氷河期が戻ってくる、という広告を見て、 それが本当ならどんなにいいだろう、と思った。 世界中が雪と氷に包まれたら、どんなに美しく素晴しいことだろう。 J.G.バラードは色んな理由で世界が滅びる小説を書いたが、 この手は使っていたかなあ。 帰宅して、即シャワーを浴びる。 午後いただいた梨を冷やして食べる。

新幹線の中でわずかに読み残した 「追跡する数学者」(D.ベイジョー著/鈴木恵訳/新潮文庫) を、帰宅してから読み終える。 時折、入りこむエロティシズムが無駄なような気がしたが、 なかなか面白くは読めた。 この小説の中には、色んな小説が出てきて、 日本文学も一つ含まれていた。それが次のタイトル。 クイズ: 海外では「気品ある海から堕ちた船乗り」 ("The Sailor who Fell from Grace with the Sea")と訳されている、 日本文学のタイトルは何でしょう?

2010年9月11日土曜日

靴ひも

9 時起床。 ロザリオ・ビアンコ入りのヨーグルトで目を覚まして一服してから、 猫に週末スペシャル・キャットフードを与え、 自分の朝昼食の用意。 お稲荷さんの最後の残りと、おかずの残りあれこれ、 菠薐草の味噌汁、ヱビスビール。 洗濯、掃除機がけなどの家事を片付けて、 お風呂に入る。

湯船でブートストラップ法の入門書 "An Introduction to the Bootstrap" (by B.Efron, R.J.Tibshirani) を読む。 これは統計学の手法だが、 一般に、 靴ひもを引っぱって自分で自分を持ち上げる、という意味で、 他の力や道具を借りずに材料だけで(できそうもないことを)やってのけることを、 「ブートストラップ(靴ひも)」と言う。 それが「ほらふき男爵」ことミュンヒハウゼン男爵のほら話から来ている(らしい)こと は、 今日初めて Efron たちの本で知ったけど。 お風呂から出て、ビールの残りを飲み、しばらくお昼寝。 午後はお茶を飲みながら、論文を読んだり。 夕食は、鶏肝の大蒜醤油煮、焼きマッシュルームと蒸しキャベツのサラダ、 カルボナーラ。

明日の夜は予定がありますので、更新はお休みします。

2010年9月10日金曜日

週末スペシャル

8 時に起床。 珈琲、トースト、蜂蜜とヨーグルトの朝食のあと、 週末スペシャル弁当を作る。 と言っても、残りものを詰めただけなので、 スペシャルなのは主に容れ物。 出勤して、午前午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 お稲荷さん、酢キャベツのベーコン蒸し煮、菠薐草のおひたし、 鶏肝の大蒜醤油煮、茹で卵、新生姜の甘酢漬け。 冷蔵庫の都合でだし巻き卵に出来なかったのが痛恨だが、 茹で卵は酢キャベツ料理と相性が良いし、まあよかろう。 少しは普段より手を加えたスペシャル弁当で、週末の小確幸。 来週はもっと力を入れて、上下二段にしようかなあ。 あるいは洋風にチャレンジしてみる手もある。 17 時頃に退社。 さて、外はけっこう暑い。 この土日は残暑が最後のがんばりを見せるそうだ。

帰宅してシャワーを浴び、鶏肝でヱビスビール。 一息ついてから、お稲荷さんの残りや、 酢キャベツのベーコン蒸し煮などおかずの残りで夕食にする。 食後にロザリオ・ビアンコを数粒。

2010年9月9日木曜日

お稲荷さん

8 時起床。今日は曇り空。すっかり涼しくなった。 この週末はまた少し暑くなるそうだが、 東京には秋が来た、と断言してしまった良かろう。 珈琲、トースト、蜂蜜入りのヨーグルトの朝食のあと、 お弁当を作って出勤。 やや蒸し暑さは感じるが、それでも一昨日までよりはずっとまし。 出社して午前午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 酢キャベツとベーコンの蒸し煮、茹で卵、菠薐草のおひたし、 鶏肝の大蒜醤油煮。 夕方、退社。日射しはまだ強いものの、涼やかな風。 今日の昼間、「いいこと思いついちゃった」と思って、 そのテストプログラムを書いていたのだが、 帰宅してから「一応は」と思って検索したら、 山のように論文が発表されていた。 今日の午後の仕事は全く無駄だった。 手を動かす前にとりあえず検索するのが吉、と心に刻む。

東京に秋が来た喜びの表現として、稲荷鮨を作る。 味が馴染むのを待つ間にシャワーを浴びて、 鶏肝の大蒜醤油煮でヱビスビール(アスカ・クルーズ)を一杯。 さらに、舞茸とベーコンのバター炒め、菠薐草のおひたし。 そして、いよいよお稲荷さんを三つ。 いつもと趣向を変えて、 胡麻の他に新生姜の甘酢漬けを刻んで酢飯に混ぜてみた。

2010年9月8日水曜日

マーロウ通過

8 時起床。外は朝から雨。 雨の朝、っていいものだな……。 珈琲、トースト、ヨーグルト、キウィの朝食。 お弁当を作って、出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 秋鮭、三葉入り卵焼き、キャベツ炒め、舞茸と三葉の煮浸し、鶏肝の大蒜醤油煮。 15 時頃、台風らしい激しい雨になったが、 しばらくして小雨になってきた。もう店仕舞いらしい。 私も店仕舞いすることにして、さっさと退社。 流石に外は涼しい。

夕食は、前菜に鶏肝の大蒜醤油煮。 そのあと舞茸とベーコンのバター炒め、赤ワインを一杯。 ペスト・ジェノヴェーゼでオクラのバジル・スパゲティ、 気の抜けたスパークリングワインの最後の残りを少し。 食後にロザリオ・ビアンコを数粒。 お風呂に入ってから、 ヨーグルトと蜂蜜と氷で適当に作った飲み物。 さて、これから夜は 「追跡する数学者」(D.ベイジョー著/鈴木恵訳/新潮文庫) を読んだり、おかずを作りおきしたり、の予定。

2010年9月7日火曜日

351冊の本

7 時半に起床して、即、身支度をして、 既に炎天下の中を出動。 近所のコンビニエンス・ストアからクロネコヤマトで校正ゲラを編集部に送り、 健康診断に向かう。 昨日の夜から水を飲んでいないので、かなり辛かった。 まだ若いから良いようなものの、 お年寄だったら健診に行く途中で行き倒れになるんじゃないかな……。 受付を済ませたあと、すばらしく効率的な流れ作業で、健康診断終了。 どこかで待ち時間があったら持参の文庫本でも読もうかと思っていたのだが、 そんな隙もなかった。 そのあと無料のランチがついているので、 朝昼兼食としてありがたくいただいてから、出社。 午後は流し打ち的にいくつか仕事を片付ける。 血も少なくなっていることだし、 16 時過ぎにエネルギィ切れになって退社。 猛暑の中を帰宅。早く台風が来ないかなあ……。 接近中の台風 9 号の名前は「マーロウ」らしい。

帰宅して即、冷凍庫にフルートグラスを放り込んで、 シャワーを浴び、 湯上がりにスパークリングワインを一杯だけ。 バリウムが固まるのでアルコールはひかえなさいと言われたが、 まあこれくらいならいいだろう。 おともは、鶏レバと大蒜のオリーヴオイル炒め。 ようやく人心地ついて、夕食の支度。 日本式のスパゲティ・ナポリタン。 夜はおかずを仕込んだり、読書をしたり。 「追跡する数学者」(D.ベイジョー著/鈴木恵訳/新潮文庫)。 この小説は原題の方がずっと洒落てるな。 原題は "The 351 Books of Irma Arcuri"(「アーマ・アーキュリの 351 冊の本」)。

2010年9月6日月曜日

秋は来ぬ

8 時起床。 珈琲、トースト、ヨーグルト、キウィの朝食のあと、 お弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 秋鮭、三葉入り卵焼き、きゃべつの炒めもの、焼き舞茸と三葉の煮浸し。 17 時半くらいに退社。 さすがにちょっと風が涼しいような気がするけど、 単に暑さに慣れただけかなあ。 まあ、これが私の「秋来ぬと」だとしておこう。 帰宅して、シャワーを浴び、 夕食の支度。 明日は健康診断なので、早めに食べて検査まで絶食しなければならない。 冷奴、真鰯の甘酢漬けの散らし鮨、 三葉と卵の御澄まし。スパークリングワインを一杯だけ。 夜はゲラ校正。

こんなに台風が待ち遠しいのは、子供の頃以来かなあ……。

2010年9月5日日曜日

「努力論」

昨夜遅くまで起きていたので、9 時半くらいまで寝てしまった。 中国緑茶で目を覚ましてから、朝昼食の支度。 秋鮭を焼いて、もろきゅう、舞茸と豆腐と三葉の味噌汁、御飯。 しばらく掃除機がけなどの家事と読書。 少しだけ残っていた、 「ザ・クオンツ」(S.パタースン著/永峯涼訳/角川書店) を読む。将来、ヘッジファンドを運営するときの、 パーフェクト・ストームに対する心構えとして。 読了。

朝風呂に入って、湯船で 「努力論」(幸田露伴著/岩波文庫)を読む。 なかなか面白くて、ためになる。 幸福の秘策に三つあり、惜福、分福、植福だとか、 学問にせよ事業にせよ修むるにその標的は四つあって、 正、大、精、深、だとか、説教臭いのだが、 そもそもずばり説教なのだし、 また、戦国史や漢籍からの例えや引用が多いのも、 教養あるおじいちゃんに叱られているような心持ちがして、楽しい。 為朝、養由基をして射らしむるもヤガラ直からず羽整わずんば、 馬を射るもまた中らざらん、ぢゃ、 おまえも常々、精密丁寧ということを心掛けんといかんぞ、みたいな感じ。

しばらく昼寝をしてから、午後は初校ゲラ校正。 夕方になって、水打ちをしてから夕食の支度。 酢飯を作って真鰯の散らし鮨(大葉、胡麻、生姜、オクラ、海苔)と、 焼き舞茸と三葉の煮浸し、卵と三葉の御澄まし。 冷たい日本酒を半合ほど。 真鰯の酢漬け、うまい。 食後に煎茶。 夜もゲラ校正と、お弁当のおかず作り。

2010年9月4日土曜日

貧乏話

8 時起床。 しばらく寝床で「努力論」(幸田露伴著/岩波文庫)を読んでから起床。 水を飲んで一服してから、朝昼兼食の支度。 御飯を炊いて、秋鮭を焼く。 他に、もろきゅう、豆腐と舞茸とオクラの味噌汁。 洗濯機を仕掛けて、一方で真鰯の甘酢漬けを仕込む。 安さのあまり買い過ぎて、おつくりで消費できなかったので。 あとで、散らし鮨にでもしよう。 朝風呂に入って、湯船で読書。 「ザ・クオンツ」(S.パタースン著/永峯涼訳/角川書店)の残りを読む。 湯上がりに、スパークリングワインを一杯だけ飲んで、 しばらく昼寝。午後は、校正作業。 夕方になって、洗濯物を取り込んで、ヴェランダに水を打ち、夕食の支度。 オムライス、酢キャベツ添え。 食卓の寂しさを誤魔化すために、せめて伊賀焼アメ釉の皿に盛る。 キャンティ・クラシコを一杯だけ。夜もゲラ校正作業。

賞味期限切れの鶏肉を全部使わざるを得ず、 スプーンのどの一さじにも鶏肉が入っているような贅沢なオムライスになった。 それで、ふと思い出したのは、東海林さだおの貧乏時代を語ったエッセイ。 作家や芸術家たちの貧乏話のアンソロジィ 「全日本貧乏物語」(赤瀬川原平選、日本ペンクラブ編/福武文庫) で読んだのだが、思えばこの本の出た 90 年頃は、 日本人がみんな突然豊かになってしまって、 苦労話に憧憬すら感じていたのかも知れない。 ショージ君のエッセイは、 若い頃の念願が肉だらけのカレーを食べることだった、と言う話。 彼の人生におけるカレーはいつも肉が不足していた。 ああ今日のカレーの肉は十分だった、と思ったことはなかった。 「肉だらけのカレー讃歌」を作詞するほど思い詰めていたのだが、 ついに、そんなにも憧れていた肉だらけのカレーを作るチャンスが訪れた。 そこでスーパーに行って豚のこま切れを 500g 購入し (と言うのも豚コマ以外の肉を知らなかったからだが)、 それを全部投入したカレーを作った、と言う話だった。 今では逆に、こういうアンソロジィ企画は通らないだろうなあ、と思ったのだが、 amazon を見ると今でも新刊で入手できるようで、 「格差社会を笑い飛ばす」と宣伝されていた。 そういう企画ではなかったはずなのだが。

2010年9月3日金曜日

In theory, in practice

今日も昨日と同じく、「バロックの森」の前の天気予報を聞いたら失神してしまい、 気付いたら 9 時近くになっていた。 慌てて、珈琲、トースト、ヨーグルト、キウィの朝食をとって、 適当にお弁当を詰めて出勤。 猛暑の中を出社した頃には、身体の水分が二割くらい蒸発していたと思う。 午前午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 秋鮭と舞茸の炊き込み御飯、三葉入り卵焼き、らっきょう。 17 時半くらいまで仕事をして退社。 帰宅して、フルートグラスを冷凍庫に入れてシャワーを浴び、 湯上がりにイタリアのスパークリングワイン。 生き返った心地。

一息ついてから、夕食。 真鰯をおつくりにして、 冷奴に酢橘、オクラのおひたし。冷たい日本酒を少し。 真鰯は旬だし、美味しいし、やたらに安い。 そう言えば、刺身包丁が欲しいと思うことがあるのだが、 それは一線を越えているのではないか、 と思って、 正しい家庭料理がモットーの私は常に踏み止まっている。 そのあと、秋鮭と舞茸の炊込みご飯の残りと、舞茸と三葉の赤だし。 酢橘がいくらでもあるので、炊込みご飯にも味噌汁にも搾る。

Schneier の blog で、 ノルウェー大学の研究者によって量子暗号の攻撃法が考案された、 という記事を面白く読む。 観測対象に影響を与えずに観測することはできない、 という原理に基づく量子暗号は、 理論的に絶対安全とされている。 しかし、その実装に対してはトリッキィな攻撃がありうる、という話。 記事は 「理論的には、理論と実際は同じであるが、 実際的には、理論と実際は大いに異なる」と締め括られていて、 うまいこと言うなあと思った。

2010年9月2日木曜日

あきあじ

「バロックの森」の前の天気予報で、 「東京は今日も雲一つない晴天で……」と始まったのに気を失ってしまったらしく、 気付いたら 8 時前になっていた。 朝食はトースト、梅ジャム、ヨーグルトに蜂蜜、キウィ、お茶。 お弁当を詰めて出勤。午前、午後とお仕事。昼食は持参のお弁当。 秋鮭と書いて「あきあじ」の切り身を焼いたもの、 三葉入りの卵焼き、ピーマンの焼きびたし、らっきょう。 座っていると腰が痛いので、 午後はほとんど立って仕事をした。 17 時くらいに退社。 帰宅してすぐにシャワーを浴びて、水分補給。

しばらくして気をとりなおしてから夕食の支度。 今日のメインは秋鮭の炊き込み御飯。 この暑さでも、9 月になったから秋らしいメニュー。 他にピーマンの焼きびたし、もろきゅう、オクラと舞茸の味噌汁。 夜は注文したワインを待ちつつ、校正作業。

2010年9月1日水曜日

もう九月

8 時起床。 目が覚めたら、もうかんかん照り。 「いい天気だな……」と独り言。 多分、ロシア演劇で農奴の少女が「今日、納屋でおじいさんが死んだの」 とか独白したときと同じ調子だったと思う。 しばらく窓辺でヨブとかヨナのことを考えてから、 食欲もなくお茶だけの朝食。 出勤して、午前、午後とお仕事。今日も低空飛行。 海面すれすれくらい。浮いてるだけで精一杯。 昼食は近所のカレーライス屋さんで、ささみカツカレーと野菜サラダ。 17 時くらいに退社。 猛暑の中をふらふらしながら帰る。

9 月に入って、今日は食材の予算が潤沢だ。 スーパーであれこれ食材を調達して帰宅。 もう、よれよれで、例えて言えば、 猫が口にくわえて嬉しそうに納屋から持ってきた何か、 くらいによれよれになって玄関に倒れこむ。 すぐにシャワーを浴びて、水分を補給し、やれやれと一服。 夕食は伊丹流親子丼、焼きピーマンのもろみ和え、三葉のおすまし。 夜、出版社から初校ゲラが届いたので、これから数日間で第一回目の校正作業。