2009年6月21日日曜日

雨の日曜日

9 時起床。昨夜はちょっと遅くまでセネカなど読んで人生を省みていたので、 寝坊してしまった。珈琲とトーストの朝食。朝から雨。 午前中は掃除機がけをして、ボケ防止のために不等式の練習問題を解き、 少し C.L.ドジソンがらみの作業。 昼食はカレー風味の野菜炒麺と、肉骨茶の残りを使った野菜屑のスープ。 あまりに良い感じにスパイシィな炒麺が出来たので、 つい一緒に冷えたギネスを飲んでしまった。 人間とは弱いものだなあ、と思いつつ、 食後、寝台でセネカの書簡集を読んで反省しているうちに、二時間ほど昼寝してしまった。 ひどすぎる。午後は C.L.ドジソンの数学パンフレットの選定と翻訳作業など。 「円の正方形化」の次は確率についてのものを選ぼうと思う。 ドジソンの時代は確率論が 20 世紀の近代化を果たす夜明け前で、 あれこれのパラドクスに苦しみ、その意味で最も暗かった時代である。 そのときにルイス・キャロルが何を考えていたか、ちょっと興味があるのではないかと。

夕食は御飯を炊いて、昨日のカレーの残り。赤ワインを一杯だけ。 食後にワインの残りで、チーズとパンを少し。 夜は「クルーグマン ミクロ経済学」を読んだり、明日からの週の予定を立てたり。 「マクロ経済学」を買ったのを機会に、「ミクロ経済学」の方を再読中。 さて、あっと言う間に、もう 6 月最後の一週間だ。 夜には、ああもう今日も何もしないうちに終わりかと思い、 週末には、ああもう今週も何もしないうちに終わりかと思い、 月末の週には、ああもう今月も何もしないうちに終わりかと思い。

ルイス・キャロルこと C.L.ドジソン(ドッドソン)が、 「円の正方形化」について書こうとしていた著書の概要は、 誰にでも分かるほど簡単で確実な説明で円周率が 3.1417 と 3.1413 の間にあることを証明する、 というものだったようだ。 本質的には、円の外側と内側に線分で構成された図形を書いて、 その囲う面積でもって円の面積を上からと下から評価するもので、 そのためのいくつかの「命題」の草稿が残っている。 おそらくポイントになる評価は、 逆正弦関数(arctan)の値を二つの逆正弦関数の値の和で書き直す公式と思われる。 (例えば、arctan(1/3) = arctan(1/5) + arctan (1/8).) この一般公式が "Educational Times" という月刊誌の「数学的問題と解答」 のコーナーに、ドジソンによって読者への問題として出題されている(1893 年)。 その問題文によれば、ドジソンはこの公式を使って、 円周率が 3.141597 と 3.141583 の間にあることを得た、とのことだ。 この雑誌はそれほど専門的なものではなかったようだが、 「数学的問題と解答」のコーナーには有名数学者たち (E. Beltrami, A. Cayley, J. Hadamard, C. Hermite など)も寄稿していた。 けっこうおおらかな時代だったのだろうか。