2010年1月16日土曜日

反常識

10 時過ぎ頃起床。 昨夜は 10 時前に急に眠くなって寝てしまったので、 途中で一時間ほど目を覚まして寝床で本を読んだものの、 合計で 12 時間近く寝てしまった。 どうしてこんなに眠れるのだろうか。朝食は珈琲のみ。 掃除機がけと、トイレ掃除など。朝風呂に入って、湯船で 「ランズバーグ先生の型破りな知恵 -- 常識を転倒させる実証経済学」(S.ランズバーグ著/清宮真理訳/バジリコ株式会社) を読む。 昼食はキャベツとアンチョビのフェデリーニ、ポテトサラダの残り、 白ワインを一杯だけ。 午後は、相変わらず暇なので、新しく依頼された翻訳仕事の作業を始める。 初打ち合わせは来週だが、 少し訳文があると参考になるだろうと思って、 前書きと第一章を少し訳して行くことにした。 夕食は、豚肉と玉葱の生姜焼き、キャベツの千切り、ポテトサラダの残り、白菜の漬物、 里芋の味噌汁。食後に煎茶。

ランズバーグ先生によれば、 「守銭奴」の代名詞である、「クリスマス・キャロル」のスクルージは、 実際は最も寛大で慈悲深い人間であり、絶対にケチではない。 と言うのも、寒くても暖房も入れず、貧しい食事で我慢しているということは、 それだけ多くのものを自分以外の人全員のために残していることに他ならない。 つまりケチのまったく正反対である。 世界に対してまさしく慈善をしているのだ。 使わないお金を銀行に預けるなら、そのぶん銀行の貸し出し金利を下げ、 丁度そのぶんだけ誰かに与えることになる。 寝台の下に単に蓄えておくにしても、 そのぶん世の中のお金の流通量を下げて、お金の価値を上げるので、 丁度そのぶんだけ誰かに与えることになる。 このように形は色々だが、結局、 一万円稼いだとすると、一万円分の商品ができているはずで、 それを自分では消費しないのだから、一万円分だけ世界が豊かになる。 まさに慈善だ。 逆に、稼いだお金を盛大に使って、目の前の人々に施しをすることは、 他の多くの人々のものであった資源をとりあげて、恵まれた人だけで消費することであり、 さして褒められたことではない。 ランズバーグ先生の「型破りな知恵」にはこんな例が沢山出てくる。 (例えば、性病を蔓延させないためには、 貞節な人々がもっと不特定多数とセックスをしなければならない。) どれも常識とは正反対なのだが、 その説明で単に納得するだけではなくて、 それがあまりに非常識なので、 その反常識も本当に本当なのか、と自分の頭を使って、 (少なくとも、しばらくは)世の中を見られるようになる。