2011年8月31日水曜日

美容術としての読書

雨が降り出しそうな曇り空で、蒸し暑い。 いつも通り夕方に退社して、 神保町のカフェで "Crime School"(C.O'Connell 著/Jove) を読む。 英文では読むスピードが三分の一以下になる。 ようやく真ん中を越して後半に入った。 事件そのものより、ストリートチルドレン時代のマロリーがどうして、 下らない西部劇小説を何度も読み返していたのか、という謎の方が気になる。

夜は「夷齋筆談」(石川淳著/富山房百科文庫) を読んだり。

「黄山谷のいふことに、士大夫三日書を讀まなければ理義胸中にまじはらず、面貌にくむべく、ことばに味が無いとある。いつの世のならはしか知らないが、中華の君子はよく面貌のことを氣にする。明の袁中郎に至つては、酒席の作法を立てて、つらつきのわるいやつ、ことばづかひのいけぞんざいなやつは寄せつけないと記してゐる。ほとんど軍令である。またこのひとは山水花竹の歡賞法を定めて、……」
「夷齋筆談」(石川淳著/富山房百科文庫)、「面貌について」より

ここで「書」と言っているのは、もちろん詩か随筆のことなんだろうなあ。