"Crime School" (C. O'Connell著 /Jove) を少し休憩して、 「ロング・グッドバイ」(R.チャンドラー著/村上春樹訳/早川書房)。
チャンドラーは気になる細部が多い。 例えば、主人公のマーロウが一度だけ立ち寄って食事する店。 女性と犬は立ち入り禁止の店らしい。 とても乱暴な店で、ろくに髭も剃っていないウェイターが料理の皿を投げ、 勝手にチップを差し引くらしい。 そもそも、「コーンビーフを食べさせる店」って、何が出てくるのだろう。 手の込んでない料理だが味は申しぶんなかった、らしいし、 スウェーデン製のブラウン・ビールがマティーニのようにきりきりしていた、 らしい。 数行ほど描写されてそれでおしまいの、 専門用語で言うところの「捨てカット」なのに、 キャラクタが立っていて、変に印象に残って、何故か気になる。 そんな場面がチャンドラーには多い。