2011年8月19日金曜日

泥棒か貴族

今朝はまだ暑かったが、大雨が秋を連れて来るらしい。 すぐに、朝明の風は手本寒しも、となるのだろう。 いつもより少しゆっくりしてから家を出る。

夕方退社して近所のカフェで一週間の反省と読書。 のち、下北沢に移動。下北沢は私の青春の街なので、 特に何と言うこともなくても、訪れると常に少し胸が痛む。 一方、青春時代は横浜無宿、大人になった今は浅草無頼の N さんと夕食。 そのあと、最近の私としては珍しく、 少々お酒をおつきあいする約束なので、 おそらく今は青山の骨董通りのバーにいるはず。

あるエッセイを読み返していたら、確か石川淳の小説の一場面だったはず、 として次のような話が紹介されていた。 主人公が屋根裏部屋みたいなところで音もなく素早く食事を済ます、 するとそれを眺めていた女が、 ア、おまえさんは私達の仲間だね、 音を立てずに素早く食事をするのは泥棒か貴族に決まってるのよ、なんて言う。 この小説が何なのだか分からない。 「狂風記」のような気がするのだが、 数回の引越のどこかでなくしたらしくて書庫に見当たらず、確認できない。