2010年10月3日日曜日

失われた絵本を求めて

珈琲、ヨーグルト、ジャムの朝食。 「果つる底なき」(池井戸潤著/講談社文庫) を読み始める。 都市銀のサラリーマンってのも大変な商売なのだなあ。 朝昼食はえぼ鯛のひらき、きんぴらごぼう、 蕪の酢漬け、御飯、豆腐としめじと浅葱の味噌汁。 お風呂に入ってから、午後は読書とおかず作りを交互に。 しめじと舞茸のマリネ、鶏肝の生姜煮、韮玉を作り、 「果つる底なき」を読了。 夕食は冷奴、きんぴらごぼうのあと、 紀州産釜茹で「しらす」の散らし鮨、卵の御澄まし。

吉野朔美の本ねた漫画エッセイ 「本を読む兄、読まぬ兄」(吉野朔美著/本の雑誌社) に、子供の頃に読んだはずの記憶の絵本を探しに行く、 という話がある(でも上野「国際こども図書館」に辿りつかない)。 私にも強烈に記憶に残っている絵本が二冊ある。 むしろ、記憶に残っているのはこの二冊だけなので、 他に与えられていなかったのかも知れない。 一冊は、「ピンクのくじら」という絵本。 一頭だけピンク色にうまれた子くじらが母くじらとはぐれてしまって、 その母親を探すという話。 しかし、このピンクのくじらがサーカスに売られて見世物になったり、 川の中でお母さんを見つけたと思って近付いたら水に沈んだグランドピアノだったり、 子供の胸をえぐるような哀しいシーン続出の絵本だったように思う。 もう一冊は、「ももいろの川は流れる」という本。 ストーリーはほとんど覚えていないのだが、 SF的な設定で、そのシュールで哀しい悪夢のような雰囲気が強烈だった。 大人でもこんな夢を見たら二週間くらい立ち直れないようなムードだった。

どちらも、今もし手に入っても読む勇気がわかないが、 一応、amazon で調べてみると 「ももいろの川は流れる」(矢野徹・鈴木義治著/フレーベル館/1971年)、 amazon での取扱い不可。 データでは「71 ページ、文庫」となっているが、私の記憶ではもっと大きなサイズだったと思う。 また、1981 年に「桃色の川は流れる」(矢野徹著/角川文庫)が出ていて、 古書として扱っていた。 こちらは 266 ページもあるので、 おそらく絵本版の内容、もしくはそのリライト短編を含む作品集なのだろう。 「ピンクのくじら」については、偶然同名のタイトルを持つ別の本があったが、 私の昔読んだ絵本は、そもそも amazon の項目になかった。 タイトルの記憶違いかも知れない。