2010年10月31日日曜日

パスカルの間違い

10 時過ぎまで寝てしまった。 身体が冬眠しようとしているに違いない。 珈琲、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食。 洗濯などの家事をしているうちに昼。 昼食はしめじとベーコンのアーリオオーリオ。 午後は 「森を抜ける道」(C.デクスター著/大庭忠男訳/ハヤカワ・ミステリ) を読んだり、おかずを作りおきしたり。 だしをひいて、高野豆腐、切干し大根など。 夕方、読了。モース主任警部が酒好きで意地悪でインテリで中年なのに、 けっこう女性にもてるところがいい。 夕食はまたキムチ鍋。あとは饂飩にしてみた。 剣菱を五勺ほど。

「世界を変えた手紙」 のような一般向け科学書の難しいところは、 普通の人に読んでもらうには内容が専門的過ぎず、 科学好きの方に読んでもらうには内容が平凡過ぎない、 というバランスである。 今回の「世界を変えた手紙」も歴史がテーマであるとは言え、 おそらく数学的内容については、 一般の方にはちょっと難易度が高く、 こういう本を良く読む数学好きの方やプロには既に知った話が多いかも知れない。 そこで訳者の工夫として、訳注で補足とつっこんだコメントの両方を加え、 また、紹介される歴史的文献へのアクセスを整理したりしてみた。

それでも数学好きな方にとっては、ちょっと物足りなかったかも知れない。 そういう方に、私からおまけのパズルを一つ。 このパスカルからフェルマーへの手紙の中で、 パスカルは「未完のゲームの問題(得点の問題)」 の三人バージョンを考え、間違った答を出している(第6章「ひどい混乱」参照)。 フェルマーの次の手紙ではこの間違いに対して、 「自明」なので説明するまでもない、としか書いていない。 そこで問題。 パスカルのこの「自明」な間違いの所在を指摘して、 フェルマーの方法で正しい答を導いて下さい。 実際、ここが書簡の最も精妙なポイントなのだが、 主題からすればディテイルに過ぎるからか、自身も「自明」だと思ったのか、 著者デブリンは解説していない。 私も(迷ったのだが)あえて訳注をつけなかった。 数学あるいは確率論のプロの方は、 天才パスカルともあろう者がどうしてこんな間違いをしたのか、 確率的思考の歴史から考察してみるのも面白いかと思います。

2010年10月30日土曜日

ポン酢醤油

9 時半くらいに起床。 珈琲、ヨーグルト、ブルーベリー、 会社でもらった期限切れの防災用のカンパン。 外は既に強い雨。 台風は夜に関東最近接らしい。 「荒涼館 2」(C.ディケンズ著/青木雄造・小池滋訳/ちくま文庫) を読んでいるうちに昼。 昼食は鯵のひらきを焼いて、蕪の酢漬け、焼き海苔、 豆腐と長葱の味噌汁、御飯。 食後にお風呂に入って湯船で 「森を抜ける道」(C.デクスター著/大庭忠男訳/ハヤカワ・ミステリ) を読み始める。 「オックスフォード運河の殺人」に続いてゴールドダガー賞作品。 再読のはずだが、 デクスターではいつもながら内容を忘れていて問題なし(?)。 しばらく昼寝、のつもりがいつものように三時間近く寝てしまった。 秋の雨の日の午後はいくらでも眠れる。 夕方に起き出して、読書の続きなど。 夕食はまた水炊き鍋。ポン酢はシークワーサーで作った手製。 鍋のあとはもちろん卵雑炊。 相変わらず美味い。ヱビスビールを一杯だけ。

皆さんも今までに一度は、 友人たちで水炊き鍋を囲んだ機会、 「市販のポン酢醤油を使うなんてありえない」 などと宣うスノッブがいて不愉快になった経験があるだろう。 最近は五人集まれば一人は、こういう食通がいるものだ。 世界の「味ぽん」をなめるなよ、と反論したくなるものだが、 確かにポン酢醤油は自作した方が美味しいものの一つである。 柑橘類の搾りたて果汁と醤油を半々に合わせ、味醂を加えて甘味を調整する。 一割くらいを目安に味見をして、好みの塩梅で。 そして、昆布と鰹節を適当量沈めて、待てるだけ待つ。 短くとも半日はおいた方がよい。 途中で昆布と鰹節を漉して除き、冷蔵庫で熟成させるとなおよし。

2010年10月29日金曜日

ランキング

「バロックの森」を聴いていたら二度寝してしまい、9 時起床。寝坊。 珈琲、トーストの朝食のあと、 お弁当用に肉を焼いたりして出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 今週の週末スペシャルはステーキ弁当。 と言っても、予算の関係でトンテキだけど。 つけあわせにしめじを一緒に焼いたもの、白菜の浅漬。 昼休憩に「Scheme 手習い」(D.P.Friedman and M.Felleisen 著/ 元吉文男・横山晶一訳/オーム社) を買う。原書を持っていたはずだが。 17 時過ぎに退社。今日もけっこう寒い。 夕食はキムチ鍋。ヱビスビールを一杯だけ。そのあと卵入りの雑炊。 お風呂に入って、湯船で「Scheme 手習い」を楽しむ。

アマゾンで売られている商品のページには、 「Amazon ベストセラー商品ランキング:本 XXXX 位」 などと表示される項目がある。 このランキングは一時間に一回更新されるのだが、 各時間毎に各書籍が売れた数を多い順に並び変えて、 その順位を表示しているわけではない。 実は、本が売れた時にその本をリストの先頭(一位)に持ってくる、 ということを繰り返しているだけらしい。 取り出した書類を元の場所に戻さずに常に一番左に入れる、 という「超整理法」と同じだ。 こうすると、飛ぶように売れている本はしょっちゅうリストの先頭になるので、 おおむね上位にランクされ、 逆に滅多に売れない本は、 その間に他の本に追い抜かれて順位を下げ、 ほとんどの時間でずっと下位にランクされるわけだ。 言い換えると、この「Amazon ベストセラー商品ランキング」 が示していることは、その商品が売れた数ではない。 その商品が最後に売れてからどれくらいの時間が経ったか、である。 (この過程の数理に興味のある方は、 こちらの解説 を参照のこと。 こういう日常からの思いつき、観測、実験、理論化、という流れの研究には憧れるが、 特に、 対象が自然ではなくて人間の作ったシステムだというところが新鮮。)

2010年10月28日木曜日

一般向け科学書のジレンマ

うとうとしながら「クラシックカフェ」を聞きつつ、8 時頃に起床。 今日はかなり寒い。外は冷え冷えとした雨。 珈琲、トースト、ヨーグルトの朝食。 今日はお弁当作りは一回休み。 さすがにコートを着て出勤。でも襟巻も必要だったかも知れない。 午前、午後とお仕事。 昼食は会社の近所でハッシュドビーフとポテトサラダ。

昼休みに、「世界を変えた手紙」がもう並んでいないかなあ、 と三省堂書店本店と書泉グランデを見て周る。 書泉グランデでは数学書のコーナーに平積みされていたが、 三省堂の方はまだだった。 もともと数学書を読むような方々、特に確率論プロパーの人にとっては、 内容のほとんどは既に知っている話だろう。だから、 どちらかと言えば普通の人に読んでもらって、 「確率」って何だかすごいらしいのね、とか、 科学者とか数学者も大事なことやってるらしいぞ、と思ってもらいたい。 しかし、普通の人が本屋で見るようなコーナーには置いてもらえない、 というジレンマがある。 やはり間にワンステップ入れて、 確率論や数学のプロに一般学生を教えるときの「無駄話の種本」にしてもらう、 というあたりが現実的な線なのかも知れない。 例えば、「君達が物理で習った科学者ホイヘンスには、 彼ほどは数学が得意でない弟がいてだね、 この有名でない方のホイヘンスが……」 とか、 「確率が最初に現実に応用されたのは法律の問題だったのは知ってるかね。 ニコラウス・ベルヌーイという人が……」 とか。

冷たい雨の降る中を帰宅して、夕食はピェンロー。 この寒さをチャンスとして生かすには鍋だ。 まだ白菜がベストに遠いが、ピェンローを十分に堪能。 あとの雑炊が美味し過ぎる。 ピェンローには春雨の類が必須だが、 それを少し残しておいて雑炊にするのが良い。 米粒の中にねっとりととけた感じが最高。 日本酒を五勺ほど。 鍋のときはいつもだが、食べ過ぎた。

2010年10月27日水曜日

ステラ・アルトワ

8 時半起床。うーむ、やはり日帰り出張の翌日は辛い。 ヨーグルト、トーストなどの朝食のあと出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 鶏肉の照り焼き、だし巻き卵、ピーマンの焼きびたし、蕪の酢漬け。 昼休憩の散歩に、 自分の本がもう並んでいないかなあ、と新刊書店を見に行く。 やはりまだか……。 でもあれこれ新刊書が出る季節らしく、買いたい本があれこれ。 しかしここで他人の本を買っているようでは、 何かに負けた気がするので(?)、ぐっと我慢して手ぶらで戻る。 あ、ユリイカの猫特集も買うのを忘れていた。 17 時過ぎくらいに退社。 外はもう冬のよう。 スーパーで買い物をして帰宅。

夕食の支度。豚肩ロースを土鍋で焼いて、ポテトを添える。 ステラ・アルトワを一杯だけ。 そのあと、同じ土鍋でしめじと茄子のアーリオオーリオ。

私も宣伝文(と言うより要約?)を書いてみました。こちら、 「訳者からのメッセージ」

2010年10月26日火曜日

北風

ずいぶんと久しぶりの R 大学に出張。 A 堀先生の依頼とあらばやむをえず、雑用の打ち合わせに。 朝の東京はまだ暖かかったのに、 滋賀のキャンパスには寒風が吹き荒んでいた。 用事を済ませたあと、 数ファ研で紅茶をいただきながら、 懐しく院生たちの顔を見てから京都へ。 以前の住居の近くのバーへ。京都も冷たい北風。 シャツにジャケットだけだったので、 六角通りを歩いているうちに凍えそうになった。 挽肉とルッコラなどのキッシュ、 今日のお肉の料理に鶉。つけあわせ色々。 白、赤ワインをグラスで一杯ずつ。 ゆっくりしたかったが日帰りなので、 一時間ほどで切り上げて京都駅へ。 新幹線で今、帰宅。 帰りの新幹線で、「荒涼館 1」(C.ディケンズ著/青木雄造・小池滋訳/ちくま文庫) を読了。次は二巻。 東京もすっかり冬みたい。

2010年10月25日月曜日

見本

8 時半くらいに起床。 昨夜食べ過ぎたので、珈琲とヨーグルト、キウィだけの朝食。 適当にお弁当を詰めて出勤。 雨になりそうだが、ちょっと蒸し暑い感じ。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 鶏肉の照り焼き、だし巻き卵、蓮根と蒟蒻のきんぴら、小蕪の酢漬け。 午後もあれこれ仕事。 夕方頃、近所の喫茶店で出版社の方から 明後日 27 日刊行予定の「世界を変えた手紙」の見本を受け取る。 やはり製本されてみると、嬉しいものだ。 電子出版が支配的な時代が来れば、 作家は作品が App Store に初アップロードされたときに、 しみじみ感慨を覚えるようになるのだろうか。

会社に戻って、もう少し仕事をし、18 時半くらいに退社。 帰宅して、見本を眺めながらギネスで自分を慰労する。 冷奴と、蓮根と蒟蒻のきんぴら。 そのあと、鯵のひらきを焼いて、小蕪の酢漬け、しめじと長葱の味噌汁、 御飯の夕食。

明日は出張なので、更新はかなり遅くなるか、 またはキャンセルします。

2010年10月24日日曜日

ポン酢

10 時近くまで寝てしまった。 曇り空でかなり涼しい、と言うより、寒い。 さらに良く眠れる季節に入ったなあ。 お茶だけを飲んで目を覚ます。 ぼうっとしている内に昼。朝昼食の支度。 鯵のひらき、蓮根と蒟蒻のきんぴら、卵焼き、小蕪の酢漬け、茄子の味噌汁。 昼風呂に入って、湯船で 「卵をめぐる祖父の戦争」(D.ベニオフ著/田口俊樹訳/ハヤカワ・ミステリ) を読む。 そのあとも寝床に寝転がって読み続けて、読了。 いやー、面白かった。 ミステリではないのに、あえて新生ポケミス第一弾として出したのは、 今後の所信表明だろうか。

珈琲をいれて、次は 「荒涼館 1」(C.ディケンズ著/青木雄造・小池滋訳/ちくま文庫) を読み始める。 最初の二章の導入部はいかめしくて読み難いが、 そのあと語り手に視点が移ってからは、 ものがたりの面白さでどんどん読ませる。 合間に、作りおきのおかず作り。 鶏肉の照り焼きとだし巻き卵を作った。 夕食は鶏の水炊き鍋。白ワインを少し。 酢橘で作った自家製のポン酢と、塩と七味の二種類で食す。 ポン酢うまい。試しにちょっとだけ作ってみたのだが、 これならいただいた酢橘で大量に仕込んでおくのだった。 後悔、先に立たず。 鍋のあとは卵雑炊。劇的美味。でもおかげで食べ過ぎた。

夜は雨。もう十月の最終週だなあ、今年もあと二ヶ月か、 と思い、年始あたりの手帳の記述を見てみると、 とうてい実現されていない目標が書かれていて、 しかもそのことをとっくの昔に忘れていた。 来年の目標は、目標を立てたことを忘れない、 にするのが良さそう。

2010年10月23日土曜日

ディケンズ

9 時半くらいに起床。ああ良く寝た。 爽やかな秋空。洗濯日和だ。 珈琲、ヨーグルト、キウィで目を覚ましてから、 洗濯に掃除機がけなど家事をする。 朝昼食は肉野菜ソース焼きそばとヱビスビール。 お風呂に入ってから、昼寝。 また二時間くらい寝てしまった。 夕方まで本の宣伝文を考えたり。 千部くらいは売れるのかなあ……。 さて、夕食の支度。 玉葱入りの親子丼、蓮根と蒟蒻のきんぴら、 ピーマンの焼きびたし、しめじの味噌汁。 赤ワインを少し。 今日二度目のお風呂に入って、湯船で 「卵をめぐる祖父の戦争」(D.ベニオフ著/田口俊樹訳/ハヤカワ・ミステリ) を読む。 湯上りに林檎(ふじ)を一つ。

朝注文した「荒涼館 1〜4」(C.ディケンズ著/青木雄造・小池滋訳/ちくま文庫) が夕方には届いた。 最初に「荒涼館」に興味を持ったのは、 確か、モース警部が最高の文学作品として敬愛していたから。 最高の推理小説、だったかも知れない。 それまではディケンズと言えば、 「クリスマス・キャロル」、「二都物語」、「大いなる遺産」、 そしてカルヴィーノの「なぜ古典を読むのか」(須賀敦子訳/みすず書房) で知った「ピクウィック・クラブ」(「ピクウィック・ペイパーズ」) くらいが知っている題名の全部で、 しかも読んだことのあるのは「クリスマス・キャロル」だけだった。

2010年10月22日金曜日

「荒涼館」復刊

うつらうつらと NHK FM のクラシックを聞きながら、 8 時過ぎくらいに起床。 珈琲、トースト、ヨーグルト、キウィの朝食のあと、 今週のおかず総浚いの週末スペシャル弁当を作って出勤。 午前中はあれこれお仕事。 昼食は持参のお弁当。 ごま鯖照り焼き、肉野菜炒め、高野豆腐、蓮根と蒟蒻のきんぴら、 小蕪の酢漬け、砂糖入りの卵焼き。 午後は幕張オフィスに移動。 幕張は遠い。車中の読書は 「卵をめぐる祖父の戦争」(D.ベニオフ著/田口俊樹訳/ハヤカワ・ミステリ)。 18 時くらいに予定が終了して、 幕張から遥々と東京まで戻ってくる。 遅くなったので、夕食を作る元気がなく、 近くの博多ラーメン屋で初老サラリーマンの哀愁ただようラーメンの夕食。 帰宅して、今せめてものギネスビール。

筑摩書房が 70 周年記念で文庫を50点復刊するとのことだが、 その中にディケンズの「荒涼館(全4巻)」 が含まれていた。これはかなり嬉しい。 名作なのでいつだって買って読めると思っていたら、 ふと読もうと思ったとき、 ちくま文庫に入っているのが唯一の翻訳で、 しかもずっと品切れになっていることを知り、がっかりしていた。

2010年10月21日木曜日

数の呼び方

8 時過ぎに起床。ああ良く寝た。 珈琲、トースト、ヨーグルト、キウィの朝食のあと、 適当にお弁当を詰めて出勤。 今朝は雨。 なっないろーのネオンさえーあーまいゆめーを歌ってるー♪ 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 ごま鯖の照り焼き、高野豆腐、蓮根と蒟蒻のきんぴら、小蕪の酢漬け、ふりかけ。 午後も粛々と仕事をこなして、散髪のため早めに退社。 髪を切ってもらう間、 「確率論と私」(伊藤清著/岩波書店) を読んでいた。

「確率論と私」の中の「確率論の歴史」という文章の中に、 英語では数は "two, three" が T で始まり、 "four, five" が F で始まり、 "six, seven" が S で始まる、 と隣りが同じ頭文字になっているが、 日本語では「ひい(1)、ふう(2)」が H, 「みい(3)、むう(6)」が M, 「よう(4)、やあ(8)」 が Y, というように丁度二倍になる数が同じ頭文字だ、 と書かれていて、変なところに気付く人もいるものだなあ、と思った。

帰宅して、蓮根と蒟蒻のきんぴらで赤ワインを少し。 お気付きのように、蓮根と蒟蒻のきんぴらをまとめて大量に作ってしまい、 まだまだなくなりそうにない。 そのあと、牛肉と玉葱と長葱とピーマンのソース焼きそば。

2010年10月20日水曜日

高木先生の講義

8 時過ぎに起床。 珈琲、トースト、ヨーグルト、キウィの朝食のあと、 適当にお弁当を詰めて出勤。 何がきっかけだったのか、 海原千里万里の「大阪ラプソディ」が耳について離れない。 昨日よりまた今日はー♪…… と口遊みながら出社。 午前、午後とお仕事。 昼食は「確率論と私」(伊藤清著/岩波書店)を読みつつ、持参のお弁当。 ごま鯖の照り焼き、豚肉と玉葱の塩炒め、だし巻き卵、 蓮根と蒟蒻のきんぴら、小蕪の酢漬け。

伊藤先生の回想によれば、 高木貞治先生は一回生相手に「解析概論」の全体を一年で講義したそうだ。 各回50分(しかし、必ず 15 分遅れて始まるので実質 30 分)が週 4 回あったそうなので、 大体週に 2 時間程度である。今より少し多いが、それでもすごいスピードと内容だ。 「先生の講義は悠揚迫らずという感じでしたが、 同じことを二度くりかえされないのが特長で、熱心に聞いている必要がありました」 (「確率論と私」pp.12) という記述のあたりが味噌だったのだろうか。 そのすぐ後に、「一回三十分余りで、必ず一つのトピックをすまされるので、……」、 とも書かれていて、これもポイントかも知れない。 私なんか、一回の講義の中で同じことを常に三度以上話していたし、 一時間半でトピック一つが終わらないこともざらだった。 私はルベーグ積分の一通りを半年で講義したことがあるが、 ルベーグ積分論は微積分よりずっと簡単だし高回生相手だったので、 全く比較にならない。

午後も粛々とお仕事。 なんだかあれこれ仕事があって、自分のしたいことができない。 まあ、被雇用者とはそのようなものだが。 すちゃらか社員なので 17 時くらいに退社。 帰宅して、夕食の支度。 冷奴、焼き茄子、豚肉と長葱の炒麺。 白ワインを一杯だけ。 食後に紅玉を一つ。

2010年10月19日火曜日

「確率論と私」

8 時過ぎに起床。 珈琲、トースト、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食のあと、 適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。ごま鯖の照り焼き、だし巻き卵、 蓮根と蒟蒻のきんぴら、小蕪の酢漬け。 昼休憩の散歩のついでに、 「確率論と私」(伊藤清著/岩波書店)を買いに行く。 この本は数学書のフロアにあるのか、1 階新刊書のコーナーにあるのか、 エッセイ(男性作家)の棚にあるのか、と迷う。そこで、 確実に平積みされていると思われる「書泉グランデ」の理工書の階へ。 予想通りに平積みされていた。 17 時過ぎに退社。 スーパーで食材を買って帰宅。

蓮根と蒟蒻のきんぴらと赤ワイン少しで一服しながら、 某先生に質問された逆行列の計算などをする。 夕食は卵炒飯、豚肉と玉葱の塩炒め、 若布と白胡麻のスープ。 食後に紅玉を一つ。

「世界を変えた手紙」(K.デブリン著/原啓介訳/岩波書店) の 編集部からの宣伝ページ ができていた。 いよいよ来週 28 日刊行予定だが、もちろんこの本は一階新刊書コーナーに平積み……だったら夢みたい。

2010年10月18日月曜日

日帰り出張

9 時起床。 ヨーグルトとブルーベリー、珈琲の朝食。 自宅で資料読みをして、昼前に出動。 近所でカレーライスの昼食をとって、 そのまま筑波の某研究所まで日帰り出張。 行きの車中はノートで計算などしていて、 帰りの車中では 「卵をめぐる祖父の戦争」(D.ベニオフ著/田口俊樹訳/ハヤカワ・ミステリ) を読み始める。 日帰りとは言え、出張は何だか疲れるなあ…。

帰宅して、蓮根と蒟蒻のきんぴらで日本酒を五勺ほど。 そのあと夕食の支度。 御飯を炊いて、ごま鯖の照り焼き、蓮根と蒟蒻のきんぴら、 もろきゅう、しめじの味噌汁。 食後に紅玉を一つ。 電子出版に関するドキュメンタリー番組を観ながら、 近い未来に注目される職業は「古書店/古本屋」だな、と思う。

2010年10月17日日曜日

Greats

また 10 時過ぎまで寝てしまった。いくらでも眠れる。 巨峰を数粒食べて目を覚まし、洗濯などの家事。 昼食は、ごま鯖の漬け焼き、もろきゅう、焼き海苔、御飯、 豆腐としめじの味噌汁。

お風呂に入って、湯船で 「謎まで三マイル」(C.デクスター著/大庭忠男訳/ハヤカワ・ミステリ) の最後を読む。ポケミスはビニールカバーがついているので湯船の読書に向いている。読了。 C.デクスター、P.ラヴゼイ、C.ブランドは何度でも楽しめていい。 ストーリィとは関係がないが、イギリスの大学では 古典文学(古代ローマとギリシャの歴史、哲学、ラテンとギリシャ文学など)のコースを "Greats" と呼ぶことを知った。分からないではないが、偉大学科、偉大コース、みたいでちょっと変。

お風呂のあとは昼寝。三時間も寝てしまった。 昨夜も 9 時間以上寝ているので、流石に無理矢理に起きたが、 まだまだいくらでも眠れそうだった。 そのあとの午後は、ブートストラップ法の入門書 "An Introduction to the Bootstrap" (B.Efron and R.J.Tibshirani 著/Chapman and Hall, CRC) を読んだり。 私は元来は理論家なので、 具体的なデータや数値に特に興味がなかったのだが、 最近、何故か面白くなってきた。 新しいホルモン・パッチの効果を確認したいが、 血液検査のサンプルが 10 個くらいしか採れません、 どうしましょう、みたいな具体例の数値を真剣に読んでしまう。

夕食は麻婆豆腐、焼き茄子、卵の御澄まし、御飯。 食後に紅玉を一つ。 夜は明日からの分のおかず作りなど。 ごま鯖の残りを照り焼きにしておく。

2010年10月16日土曜日

紅玉

10 近くまで寝てしまった。 どうも今週は全般に低調だった。 これくらいが普通の体調なのだ、と思った方が良い年頃かも知れぬ。 老猫にキャットフードを与え、自分はお茶。 お互いの身をいたわりつつ、寝床で並んで読書をしたりしているうちに昼。 珈琲、トースト、スクランブルエッグ、ヨーグルト、ブルーベリー。 お風呂に入って、湯船で 「ちがった空」(G.ライアル著/松谷健二訳/ハヤカワ・ミステリ) を読む。 寝床に移って、しばらくして読了。ライアル節だなあ、かっこいいぜ。 そのあとは、 「謎まで三マイル」(C.デクスター著/大庭忠男訳/ハヤカワ・ミステリ) を読んだり、食材の買い出しに行ったり。 紅玉が安かったので一袋買う。

しめじと蒟蒻のきんぴらで、日本酒を五勺ほど。 最近、きんぴらに隠し味としてカレー粉を少し入れることを覚え、 気に入っている。 そのあと御飯を炊いて、茄子と挽肉の炒めもの、もろきゅう、冷奴、 溶き卵のスープ。食後に紅玉を一つ。 夜は小蕪を漬ける。

2010年10月15日金曜日

論文を肴に

8 時起床。 朝方、一度目が覚めてトイレに行ったときに、 猫が寝室に入り込み、そのあとはあまり良く眠れず。 起き出して猫を追い出したりすると目が完全に覚めてしまうし、 放っておくと良く眠れないし、困ったものだ。 珈琲とヨーグルトとブルーベリーの朝食のあと、 一週間のおかず総浚いの週末スペシャル弁当を作って出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 チキンライス、タンドリーチキンとオニオンスライスの和え物、 三葉入りのだし巻き、ハム、しめじと蒟蒻のきんぴらカレー風味、 高野豆腐。 眠気に耐えつつ、午後も粛々とお仕事。 18 時過ぎに退社。 新橋に向かう。

大学勤務時代のゼミの学生だった T 君とお鮨屋さんにて会食。 T 君は某有名銀行系のシンクタンク、ということでよいのだろうか、 某社に勤めている。 最近、書いた論文を送ってもらったところなので、 その内容を肴にお酒を飲む。 22 時半くらいに帰宅。

2010年10月14日木曜日

"The wrong side of the sky"

8 時起床。 うーん、あまり疲れがとれていない。 寝台の違った側で起きたような感じ。 珈琲、トースト、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食のあと出勤。 午前、午後と低調にお仕事。 昼食は「餃子の王将」の餃子。 17 時くらいに退社。 本屋で 「神様は本を読まない」(吉野朔美著/本の雑誌社) を買って帰宅。

帰宅して、高野豆腐と、しめじと蒟蒻のきんぴらで日本酒を五勺。 一服してから、夕食の支度。 胡瓜と茹で卵のサラダ、ハムとしめじのアーリオオーリオ、 白ワインを少し。巨峰を数粒。

ギャビン・ライアルは第一作から格好良かったんだなあ。
「ジャック」頭をあげずに、声がささやいた。 「あなた、なにを期待してらっしゃるの?――人生から」
おれは答えた。 「では、俗世のことをしゃべらせていただきますか。 ぼくはある航空会社のパイロット――このままでいたいのです。 ただ、いまよりもいい仲間がほしい」

「ちがった空」(G.ライアル著/松谷健二訳/ハヤカワ・ミステリ)より

明日の夜は会食の予定があるので、更新はかなり遅くなります。

2010年10月13日水曜日

ダコタ

昨夜、 「殺す手紙」(P.アルテ著/平岡敦訳/ハヤカワ・ミステリ) を読了。やればできるね、アルテ。 8 時起床。 珈琲、トースト、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食のあと、 すぐに出動。 今日は終日、研修なので。 18 時頃、終了。ああ疲れた…… うちに帰って、お風呂入って、サロンパスはって寝よ。

帰宅して、夕食の支度。 タンドリーチキンとオニオンスライスの和えもの、 ハムと胡瓜のサラダ、 バジルのスパゲティーニ。 白ワインを一杯だけ。 食後に、巨峰を数粒。 お風呂に入って、湯船で 「ちがった空」(G.ライアル著/松谷健二訳/ハヤカワ・ミステリ) を読む。 主人公の愛機がダコタ(ダグラスDC3)、ってところが男のロマン。

2010年10月12日火曜日

モンテカルロ

8 時半くらいに起床。 珈琲、トースト、ヨーグルトの朝食。 昨日、まとめて作ったおかずを適当に詰めてお弁当を作り、出勤。 午前中はちょっとデリケイトな仕事をして、 昼食は持参のお弁当。 タンドリーチキンとオニオンスライスの和え物、 三葉入りのだし巻き卵、しめじと蒟蒻のきんぴら、高野豆腐。 昼休憩の散歩の途中で、 ギャビン・ライアルの 「ちがった空」(G.ライアル著/松谷健二訳/ハヤカワ・ミステリ) を 100 円で買った。

午後もしばらく午前中の仕事を続けたのちは、 モンテカルロ法の教科書を勉強する。 そう言えば昔、こんなことを知ったかぶりして講義したなあ。 ほとんど何も知らなかったのだが、他に講義してくれる人がいなかったので。 分散減少法のあれこれなど、 数学的にはどうでもいいトリック集みたいに昔は思っていたのだが、 自分でモンテカルロをしてみたりもする今、読むとなかなか面白い。 特定のオプションのプライシングには、 もっと巧妙な経路のペアリング方法があったりするんじゃないかな……、 などと妄想しつつ、切りの良いところで退社。 スーパーで買い物をして帰宅。

ハムと胡瓜のサラダで一服。ワインを少し。 ちょっとゆっくりしてから、夕食にオムライスを作る。 食後に巨峰を数粒。 夜は読書。 「殺す手紙」(P.アルテ著/平岡敦訳/ハヤカワ・ミステリ)。

2010年10月11日月曜日

今日はミステリ三昧

10時頃起床。 昨夜、 「失われし書庫」(J.ダニング著/宮脇孝雄訳/ハヤカワ文庫) を読了するまで止められず、夜更かししてしまっため。 元刑事の古本屋が主人公のシリーズだが、 リチャード・バートン(「千夜一夜物語」の翻訳者のバートン) がテーマの歴史ミステリの格好になっている。 歴史ものが面白くなってきたのは歳のせいかのう……。

ヨーグルト、ブルーベリーで目を覚まして、洗濯などの家事。 朝昼食の支度。 オープンサンドウィッチ(ツナと玉葱と胡瓜、ハムと胡瓜の二種類) と珈琲。 お風呂に入って、湯船で 「オックスフォード運河の殺人」(C.デクスター著/大庭忠男訳/早川書房) を読み始める。 歴史ミステリつながりで。 なんだか、モース主任警部ものがしみじみ面白くなってきたのは、 私にもモースばりの孤独な独身中年の渋みと愛嬌がついてきたからだろうか。 夕方になって近所のスーパーに買い出しに行く。 帰宅して、「オックスフォード運河の殺人」をしばらく読み、読了。 いやー面白かった。 普通、ミステリは何度も読んで面白いものではないのだが、 内容をすっかり忘れていた。 デクスターはこういうことが多い。 「キドリントンから消えた娘」など、 結局なにがどうなってどの推理が正しかったのか、 しばらくすると全く思い出せない。

夕食の支度。 伊丹流の親子丼、きんぴらごぼう、三葉の御澄まし。 夜はグールドのブラームスなど聞き流しながら、 おかずを仕込んだり、本を読んだり。 「殺す手紙」(P.アルテ著/平岡敦訳/早川書房)を読み始めた。 ポケミスなのになんと、一段組。 ぎっしり二段に組んだ読み難さが個性だったが、 この判型で一段になってみると無茶苦茶に読み易い。 湯船で読み終えられそうなくらい。 今回きりの試みかも知れないが、 これから短いものは全部一段組にしてくれてもいいなあ。 おかず作りは、 タンドリーチキンとオニオンスライスの和えもの、 三葉入りのだし巻き卵、 しめじと蒟蒻のきんぴらカレー風味、 高野豆腐の煮物。

2010年10月10日日曜日

神保町を逆散歩

昨夜「伝奇集」(J.L.ボルヘス著/鼓直訳/岩波文庫)を読了。 プラトンの「国家」も毎日ちびちびと読み進めているが、 まだ下巻の最初のあたり。

9 時くらいに起床。 珈琲とヨーグルトとブルーベリーで目を覚ます。 今朝もまだ雨が残る曇り空。洗濯は明日に延期。 掃除機がけの他、家事をあれこれ。 朝昼食は鮭を焼いて、きんぴらごぼう、浅葱入りのだし巻き、 三葉のお味噌汁、御飯。 お風呂に入って湯船で 「失われし書庫」(J.ダニング著/宮脇孝雄訳/ハヤカワ文庫) を読む。 午後は寝台でしばらく猫とうたた寝とか、読書とか。 午後には雲も薄くなり晴れ間も見えるようになってきた。 折角の連休だから、と思って、夕方近くなってから神保町に散歩に行く。 良く考えたら、平日の昼休憩と同じだけど。

せめて方向くらいは逆にすることにして、 普段あまり立ち入らない九段下方面から出発してみる。 まず、「二十世紀記憶装置@ワンダー」に入り、 二階の文庫コーナーで岩波文庫の中勘助の随筆などを物色。 折角なので、一階でシムノンを探したり。 ここから駿河台下に向かって、 適当に古書店を一つ一つひやかして行く。 「矢口書店」の外の壁の百円均一棚でポケミスを一冊買った。 途中で一本裏の道に移る。 「スヰートポーヅ」が閉まっているのを見て今日が日曜日だったことに気付く。 何となく土曜日のように思っていた。 うーん、胃袋は包子(ポーヅ)用に準備されていたのだが。 「上海朝市」で飲茶にする手もあるな……と思いつつ、 「ボヘミアンズ・ギルド」の二階で一服。目の保養。 つい平日の癖で「三省堂本店」に入る。 「卵をめぐる祖父の戦争」(D.ベニオフ著/田口俊樹訳/早川書房) など、新刊をあれこれ買ってしまう。 もうここまで歩いて来てしまったので、包子は諦めて、 夕食は「エチオピア」のチキンカレー(10倍)。

帰宅して、またお風呂。湯船で 「犬 他一篇」(中勘助著/岩波文庫)より「島守」を読み始める。 今日は固有名詞の多過ぎる日記だった。ちょっと反省。

2010年10月9日土曜日

塩鮭

10 時まで眠ってしまった。 朝から既に雨。今日は雨の一日らしい。 お茶で一服してから、朝昼食の支度にかかる。 塩鮭、きんぴらごぼう、きのこのマリネ、あさつき入りだし巻き卵、 三葉のお味噌汁、御飯。 日本酒を半合(五勺)ほどつけて、朝昼食。 ああこよひ我は富みたり / 五勺の酒あり / 塩鮭は皿のうへに高き薫りをあげ / 湯気たつ麦飯はわが飢ゑをみたすにたる / …… (中勘助「塩鮭」より)

お風呂に入って、湯船で読書。 「失われし書庫」(J.ダニング著/宮脇孝雄訳/ハヤカワ文庫) を読み始める。 午後も主に読書。 雨の日にはピアノ曲とミステリ小説が良く似合う。 夕食は、サンドウィッチの具の残りを使って、 再びサンドウィッチをあれこれ。 卵、ツナと玉葱微塵切り、ハムと胡瓜、タンドリーチキンと玉葱薄切り、 の四種類。ローヌの白ワインを一杯だけ。 サンドウィッチは本を読みながら食べられて便利。 夜も読書など。 またお風呂に入って湯船で "The Cauchy-Schwarz Master Class" (by J.M.Steele / Cambridge) を読む。

2010年10月8日金曜日

サラリーマンらしい週末

9 時過ぎまで寝てしまった。寝坊。 ヨーグルトとブルーベリーの朝食をとって、 昨夜のうちに仕込んでおいたサンドウィッチの具を慌ててパンの間に挟み、出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のサンドウィッチ。 ツナと玉葱、卵、胡瓜、タンドリーチキンと玉葱スライス。 神保町を散歩して、 本屋で「鳥の物語」(中勘助著/岩波文庫)、 「中勘助詩集」(谷川俊太郎編/岩波文庫)を買って戻る。 夕方から、外国のお客様との商談に同席。 二時間半くらいかかった。座っていただけなのに何故かくたくた。 こういうことを毎日、いくつもしている偉い人たちって、 本当に体力があるなあ……。私には到底、無理だ。

退社して、近所のベルギービール屋さんでレドール・ピルスを一杯。 一緒にフリッツ(粒マスタードとマヨネーズ)、 黒いソーセージの林檎のコンポート添え。 そのあと、博多ラーメンを食べて帰宅。 何だか、サラリーマンらしい週末じゃないかな?

2010年10月7日木曜日

たい焼き少女

8 時くらいに起床して、 珈琲、パン、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食のあと、 適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は、「人生の短さについて」(セネカ著/茂手木元蔵訳/岩波文庫) を読みつつ、持参のお弁当。 塩鮭、あさつきのだし巻き卵、きのこのマリネ、鶏肝の生姜煮、御飯。 今日はもう一つ調子が出ず、16 時半くらいに退社。 調子の良い日はそれなりに、調子の良くない日もそれなりに。 スーパーで買い物をして帰宅。 明日の週末弁当はサンドウィッチにしようと、 あれこれ食材を買う。 できればトマトを使いたかったが、いくら何でも値段が高過ぎて買えず。 野菜は胡瓜と玉葱だけで我慢しよう。 あとは、ハムとツナとタンドリーチキン、それから卵サンドだな、勿論。

帰宅して、冷奴と日本酒を半合ほどで一服。 「弟の家には本棚がない」(吉野朔美著/本の雑誌社)を読む。 一息ついてから、夕食の支度。 鮭としめじと舞茸の炊込みご飯の残りを温め直して酢橘をしぼり三葉を飾る。 他に塩鮭、きんぴらごぼう、三葉と豆腐の味噌汁。 夜は本を読んだり、サンドウィッチの具を仕込んだり。

昼に神保町を散歩していたら、 口にたい焼きをくわえた女の子が自転車で走り過ぎて行って、 美味しそうだなあ、と思った。 四角っぽく見えたし、場所からして、神田達磨の羽根付きたい焼きだな。 普段は間食しないし、甘いものもあまり食べないけれど、たまにはいいかも。

2010年10月6日水曜日

相対性理論

またしてもたっぷり寝てしまい、9 時過ぎに起床。 慌ててヨーグルトとブルーベリーだけを食べて、 お弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 鮭としめじと舞茸の炊き込み御飯、レバニラ炒め、ニラ玉、 きのこのマリネ、蕪の酢漬け。 夜にミーティングが予定されていたので、 夕方、近所で早めの夕食。ポテトサラダとハヤシライス。 19 時半くらいに終了して、20 時少し前に退社。 今、帰宅して、鶏肝の生姜煮と赤ワインで一服。

夕食をとっているときに、近くに座っていたカップルが、 相対性理論について熱く語っていた。 相対性理論は分かりやす過ぎて過小評価されているとまで嘆く男子に、 流石に神保町、M治大学の学生だろうか、 と思って何とはなしに聞いていた。 女の子はいかに相対性理論が好きかと言う説明に、 「嵐と同じくらい好き」と言うので、 ふーむ、気象学が専門なのだろうか、と思っていると、 男の子の方は「ビビアン・スーより好き」と主張し始め、 その聞き覚えのある名前に、 ビビアン・スーって中国系の天才理論物理学者だったっけ、 と首をかしげたところで、勘違いに気付いた。 学園祭で「相対性理論」と「ブラックビスケッツ」のどっちをコピーするか激論中の、 アマチュアバンドのカップルであった。 (ウィキペディア項目「相対性理論(バンド)」)

2010年10月5日火曜日

中年と初老

8 時半くらいに起床。 珈琲、パン、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食のあと、 適当にお弁当を詰めて出勤。午前、午後とお仕事。 昼食はセネカの「人生の短さについて」(茂手木元蔵訳/岩波文庫)を読みつつ、持参のお弁当。 レバニラ炒め、ニラ玉、しめじと舞茸のマリネ、蕪の酢漬け。 昼休みに近所の本屋で「神保町公式ガイド」を買う。 17 時くらいに退社して、 本屋で「人、中年に到る」(四方田犬彦著/白水社)を買って帰る。 帰宅して、きんぴらごぼうで白ワインを少し飲んで一服。 そのあと、夕食の支度。 鮭としめじと舞茸の炊き込み御飯、茗荷と豆腐のお味噌汁。 白ワインをもう少し。 お風呂に入って、湯船で 「人、中年に到る」を読む。しみじみ。 とは言え、いくらなんでも、四方田版「エセー」は言い過ぎ。

健康診断の結果が帰ってきて、 昨年からの要経過観察項目の他はすこぶる良好。 ろくに仕事をしていないせいか、目が良くなっていた(遠視?)。 R 大学を辞めてから「背が伸びた」とまで言われる私だが、 既に初老の身、安心はできない。 新明解国語辞典によれば、「しょろう(初老)」とは、 「肉体的な盛りを過ぎ、 そろそろからだの各部に気をつける必要が感じられるおよその時期。 【もと、四十歳の異称。現在は普通に六十歳前後を指す】」 とのことである。 新解さんは、相変わらず親切というかお節介だが、 この定義によれば現在でも四十歳くらいでいいはずだ。

2010年10月4日月曜日

Walker の箱詰めパズル

10 種類のワインを合計 120 本買った。 家には 12 本入りのケースが 10 箱ある。 もしワインの各種類が 12 本ずつだったならば、 各ケースに一種類ずつ丁度納めることができたのだが、 残念ながらワインは種類によって 5 本しかなかったり、 20 本以上あったりと、本数がまちまちだ。 そこで各ケースに一種類だけ、というのは諦めて、 二種類までは入れて良いことにすれば、 全てのワインをケースに納めることができるだろうか? 解答はあとで。

8 時半くらいに起床。 珈琲、パン、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食のあと、 適当にお弁当を詰めて出勤。午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 しらす散らし鮨、ニラ玉、鶏肝の生姜煮、きんぴらごぼう、蕪の酢漬け。

与えられた離散確率分布を持つ乱数を発生させる必要があって、 午後は実装を考えていた。 私は(今はやくざでも)根はまっとうな数学者なので、 「与えられた確率分布の分布関数の逆関数に一様乱数を代入すればよい、以上。」 という認識しかなかった。 しかし、実装を始めてみると意外と面倒臭い。 それで、ふとクヌース本を参照してみると、 A.J.Walker という人が提案した「独創的な」方法があって、 とても高速だと書かれていた。 一様乱数に対して大小関係を一度判定するだけで、 望みの乱数が発生させられる、という信じ難い主張のあと、 そのアルゴリズムについては演習問題 x.x.x 番を参照のこと、 とある。 そしてその演習問題を見てみると、 上記と同じパズルが(ワインではなく、色つきの立方体の話で)書かれていて、 一瞬、演習問題の番号の誤植かと思った。 しかし、しばらく考えてのち、まさに目からウロコが落ちる、 アーハー体験をしたのだった。

17 時くらいに退社。 帰宅してまず、レバニラ炒めでローヌの赤ワインを一杯だけ。 お、素晴しい相性だ。どうでしょう、レバニラ炒めにローヌ赤。 そのあと、昨日のしらす散らし鮨で「吉田蔵」純米を冷やで半合ほど。 冷や、って言ったら、常温のことですよね。

パズルの解答。可能である。 実際、k 種類のワイン、n 本入りのケースが k 個、 ワインが合計で k かける n 本あるとき、 各種類が何本であろうが常に、各ケースに二種類以下になるようにできる。 次のようにすればよい。 まず、一番本数の少ない種類のワインを全部一つめのケースに詰める。 そして、一番本数の多い種類のワインで、そのケースの残りを埋める。 ここで状況を見てみると、 一つめのケースには確かに二種類以下のワインが詰められた。 そして、残りのケースとワインは、 数は一つずつ減ったが元の問題と同じ状況になっている。 だから、上の手続を繰り返していけば、 二種類以下のワインが詰められたケースが次々に出来て、 最終的に一箱と一種類だけのワインが残り、すべて解決。

2010年10月3日日曜日

失われた絵本を求めて

珈琲、ヨーグルト、ジャムの朝食。 「果つる底なき」(池井戸潤著/講談社文庫) を読み始める。 都市銀のサラリーマンってのも大変な商売なのだなあ。 朝昼食はえぼ鯛のひらき、きんぴらごぼう、 蕪の酢漬け、御飯、豆腐としめじと浅葱の味噌汁。 お風呂に入ってから、午後は読書とおかず作りを交互に。 しめじと舞茸のマリネ、鶏肝の生姜煮、韮玉を作り、 「果つる底なき」を読了。 夕食は冷奴、きんぴらごぼうのあと、 紀州産釜茹で「しらす」の散らし鮨、卵の御澄まし。

吉野朔美の本ねた漫画エッセイ 「本を読む兄、読まぬ兄」(吉野朔美著/本の雑誌社) に、子供の頃に読んだはずの記憶の絵本を探しに行く、 という話がある(でも上野「国際こども図書館」に辿りつかない)。 私にも強烈に記憶に残っている絵本が二冊ある。 むしろ、記憶に残っているのはこの二冊だけなので、 他に与えられていなかったのかも知れない。 一冊は、「ピンクのくじら」という絵本。 一頭だけピンク色にうまれた子くじらが母くじらとはぐれてしまって、 その母親を探すという話。 しかし、このピンクのくじらがサーカスに売られて見世物になったり、 川の中でお母さんを見つけたと思って近付いたら水に沈んだグランドピアノだったり、 子供の胸をえぐるような哀しいシーン続出の絵本だったように思う。 もう一冊は、「ももいろの川は流れる」という本。 ストーリーはほとんど覚えていないのだが、 SF的な設定で、そのシュールで哀しい悪夢のような雰囲気が強烈だった。 大人でもこんな夢を見たら二週間くらい立ち直れないようなムードだった。

どちらも、今もし手に入っても読む勇気がわかないが、 一応、amazon で調べてみると 「ももいろの川は流れる」(矢野徹・鈴木義治著/フレーベル館/1971年)、 amazon での取扱い不可。 データでは「71 ページ、文庫」となっているが、私の記憶ではもっと大きなサイズだったと思う。 また、1981 年に「桃色の川は流れる」(矢野徹著/角川文庫)が出ていて、 古書として扱っていた。 こちらは 266 ページもあるので、 おそらく絵本版の内容、もしくはそのリライト短編を含む作品集なのだろう。 「ピンクのくじら」については、偶然同名のタイトルを持つ別の本があったが、 私の昔読んだ絵本は、そもそも amazon の項目になかった。 タイトルの記憶違いかも知れない。

2010年10月2日土曜日

コクトー

けっこう早起き。 しかし寝床から起き出すのが、かなり大変だった。 珈琲、ヨーグルト、ジャムの朝食のあと、 洗濯機をしかけ、合間に 「伝奇集」(J.L.ボルヘス著/鼓直訳/岩波文庫)を読む。 次は掃除機がけなどの掃除。 家事が一段落ついてから、朝昼の支度。 えぼ鯛のひらきを焼いて、切干し大根、蕪の酢漬け、 御飯、豆腐と茗荷と浅葱の味噌汁、ヱビスビール。 お風呂に入って、湯船で「伝奇集」を読んでから、 一時間ほど昼寝。 午後も読書など。 「伝奇集」の中の「八岐の園」の部を読了。 夕方になって食材を買い出しに行く。 夕食は一品料理、鶏レバのスパゲティーニ。 「お母さんは『赤毛のアン』が大好き」(吉野朔美著/本の雑誌社) を読みながら、気長に玉葱を炒める。 マンガなのであっと言う間に読めてしまい、 その勢いでパスタを食べながら 「本を読む兄、読まぬ兄」まで読んでしまった。

夜は、 「ぼく自身あるいは困難な存在」(J.コクトー著/秋山和夫訳/ちくま学芸文庫) を読んだり。 笑われそうだけど、私は若い頃、 コクトーみたいになりたい、ってちょっと思ってたんだよなあ。 うーん、青春って赤恥。

2010年10月1日金曜日

週末スペシャル弁当作りのために、ちょっと早起き。 朝食は珈琲、ヨーグルトとブルーベリー。 外は曇り空なので、週末スペシャル弁当作りを決行。 雨の日はお弁当を抱えて歩けないので、雨天の場合は来週に延期である。 風呂敷に包んだお弁当を小脇に抱えて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参の週スペ弁。 今日の目玉は鯛の昆布締めの散らし鮨。他に鶏もも肉の照り焼き、 浅葱入りのだし巻き、鶏砂肝の大蒜炒め、切干し大根、蕪の酢漬け、酢橘。 今週は鯛と鶏肉にかなりお金がかかっている。 500 円台で売っては利益が出ないだろう。 弁当屋を開くのは難しそうだ。 17 時過ぎに退社。

帰宅して、鶏砂肝の大蒜炒め、だし巻き卵の残りでギネスを一杯。 珍しく砂糖を入れて作ってみた、だし巻きが美味しい。 疲れているのかなあ。 そのあと、鯛の昆布締めで鯛茶漬を作って食す。賀茂鶴を少し。 たいちゃ、うまい。高価だったが、二日間で鯛を堪能した。 人生って何かにゃ、人生とは一個の幻想、あるいは誤謬なのかも知れないにゃ、 と時折、猫に話しかけながら、 英訳で読むのに疲れたので和訳で 「伝奇集」(J.L.ボルヘス著/鼓直訳/岩波文庫)を読む。