2012年1月12日木曜日

邪悪な統計家の問題

いつもの朝食のあと、出勤。 昼食は持参のお弁当。 実家でもらった御節用の蒲鉾と焼豚、 大根の漬物、春菊のおひたし。 夕方退社。 スーパーで一個あたり 30 円強の玉葱をまとめ買いすべきか、しばし熟考。 私も、天下国家を考えることだけに集中して、 こういった雑務はすべて秘書に任せたいのは山々なのだが、 そんな贅沢は許されていない。 「生きることなんて、召し使いに任せておけ」と言ったのは、誰だったかなあ。 ヴィリエ・ド・リラダンだっけ、レーモン・ルーセルだったっけ。 夕食は御飯を炊いて、メインは肉じゃが。 他に、春菊のおひたし、蒲鉾、里芋と自家製干し大根の味噌汁。

確率・統計系の blog でちょっと話題になっていた問題。
いま、あるコインが歪んでいないか、検証したい。 そこで、知り合いの統計家に検定を依頼した。 彼が言うには、「このコインを3022 回投げて実験したところ、 半分丁度より 72 回多い 1583 回表が出ました。 公平なコインで偶然にこのような偏りが起こる理論的確率は 1 % 以下と非常に低いですから、 このコインは表側に偏っていると判断します」、 とのこと。教科書通りの典型的な統計的検定である (有意水準 1%、信頼区間 99% の仮説検定)。 その実験の記録も残っていて、数字に間違いはない。 私は、なるほど、と一旦は納得したのだが、後でふと疑惑が浮かんだ。 3022 回という中途半端な実験回数は変ではないか? 普通なら千回など、切りの良い回数にするものだ。 ひょっとしたら彼は、 表裏の割合が望みの有意水準に入るまでコインを投げ続け、 それが達成されたタイミングで 実験を止めたのではないか?

まず注意として、 公平なコインでも投げ続ければいずれどこかで、 1% の有意水準に入る歪みが(確率 1 で)得られる。 したがって、 もしも彼にこのコインを貶める邪悪な意図があれば、 このズルは(ほとんど)確実に可能だ。 その場合、実験結果は(ほとんど)確実に起こることが起こっただけであり、 結果には何の意味もないのではないか。 私は一体、どう考えればいいのだろうか。 疑惑が生じた以上、単に「この実験はナンセンス。」でお仕舞いなのか、 それとも、この問題について何か統計的な判断が可能なのか?

(かなりの難問で、対象はセミプロ以上。 プロであっても明快な説明ができる人、or 統計的推論に明晰な信念を持っている人は稀だろうと思います。 明日、答に関連する blog とその内容をいくつか紹介しますが、 おそらく本当の「答」はないです。)