8 時半に起床。 珈琲、トースト、林檎ジャムの朝食。 先月に亡くなった創業者 CEO の A さんの社葬のため、 直接ホテルに行くことにする。 式が終わって、出社したのは 15 時くらい。 少し仕事をして 18 時に退社。 新刊書店で、D.ハンドラーの新刊 「ダーク・サンライズ」(北沢あかね訳/講談社文庫)を見つけて購入。 映画評論家ミッチのシリーズ。 もうゴーストライター、ホーギーのシリーズは書いてくれないのかなあ。 帰宅して、夕食はおでんの残り。 冷や御飯が残っていたので炒飯も作る。 夜は「枕頭問題集」の翻訳を一題だけ。
A さんはまだ 50 歳だったらしい。 私が十数年前に A 社に就職したときには、 当時社長の A さんはまだ 30 代の半ばだったことになるので、 思えば若い会社だったのだなあ。 私自身は多分、数回くらいしか、A さんと話したことがない。 確か初めて直接にお話ししたのは、 私が学位をとっても就職先がなくてぶらぶらしているところ、 当時副社長、現 CEO の K 博士にスカウトされたとき。 A さんと K 博士二人に、 山の上ホテルのレストランでステーキを御馳走してもらった。 数学の博士を雇おうとする零細企業ってすごいなあ、 と失礼なことを思っていたのだが、 帰り道に A さんが、 「K 君が、こんなにかしこいやつは久しぶりに見た、って言うからさー」 と笑っていた。 何故それを覚えているかと言うと、 そのとき私は、「『初めて見た』の間違いだろう?」 と思ったからである(嗚呼、当時私はまだ 20 代の生意気盛りだったのである。 若さって素晴しい)。 そんなお世辞に騙されて一年間お世話になったのだが、 すぐ辞めて大学に勤め、 そして十数年が過ぎて、 またこの四月から「出戻り」としてお世話になっている。 ただ一つ残念なのは、 出戻ってから一度もお会い出来なかったことだ。 最後に直接お話ししたのは、 数年前、天才プログラマ K さんの結婚式の披露宴会場だった。 十年前にわずか一年で辞職したのを気まずく思っていたのだが、 半分冗談で「また A 社に戻ってもいいですか?」と尋ねたら、 「是非!」と握手してくれたのであった。