9 時に目が覚めた。ああ、よく寝た。 寝床でしばらく、「哲学者たちの死に方」 (S.クリッチリー著/杉本隆久・國領佳樹訳/河出書房新社) を読んでから起き出す。珈琲だけの朝食。 洗濯機に洗濯を任せながら、家計簿つけなどの家事。 昨日、届いた新しい土鍋の手入れにお粥を炊く。 このお粥は出来たら、鍋に入れたまま一日ほど放置するので、 昼食に食べられるわけではない。 一方で、昼食は、じゃが芋のスライスのサラダ、油揚げと菠薐草のフェデリーニ。 細いパスタって何となく「蕎麦」や「素麺」のイメージに作ってしまう。 特に茹で加減。 これは日本人風なのかも知れない、と常々思っている。 本場のイタリア料理ではどうなんでしょうか。
午後は一時間ほど昼寝をして、ぼうっとしているうちに、 この季節だともう外が薄暗くなってくる。 洗濯物を取り入れると、まだ乾ききっていない。 やむを得ず浴室の乾燥機で干し直して、 近所のスーパーに買い出しに行く。 夕食は御飯を炊いて、 鰤の照り焼き、牛蒡の煮付け、焼き油揚げ、菠薐草のおひたし、 大和芋のとろろ、長葱としめじの味噌汁。 最近は主婦っぽく何品も作ってしまう私。いつでもお嫁に行けそう。 食後に煎茶。
夜はまた「哲学者たちの死に方」を読んだり。 ディオゲネス・ラエルティオスの「ギリシア哲学者列伝(上、中、下)」 (加来彰俊訳/岩波文庫) は私の寝床での愛読書の一つだが、その現代版の趣き。 昔、入試の採点場で「ギリシア哲学者列伝」を読んでいたら、 他学科の先生に「さすがH先生だ」と感動されたのだが、 実際は、哲学者たちの変なエピソードが満載の週刊誌的な本である (それと知って、「さすが」とおっしゃたのかも知れない)。 例えば、ディオゲネス・ラエルティオスは各哲学者を紹介したあと時折、 その哲学者に捧げる自作の詩を得意気に記しているのだが、 これがしばしば失笑してしまうほどショボい。 こういう気軽な感じが、「哲学者たちの死に方」にも遺伝していて、 テーマが重いわりに気楽に読める。