2010年2月28日日曜日

幸福の進化論

10 時近くまで寝てしまった。 でも良く寝たような、全然寝られなかったような。 今日はちょっと寒い。 珈琲だけの朝食のあと、 午前中は翻訳仕事、掃除機がけ、洗濯など。 朝風呂に入ってから、昼食の支度。 豚リブの残りを使ってリゾット風のものを作ってみる。 適当に作ったわりに美味しい。 午後も翻訳仕事を少し。第3、4章を一通り見直して、 進行具合のサンプルとして編集者に送っておく。 全体で 10 章あって、分量で丁度三分の一くらい終わった。 珈琲を飲みながら、 「内乱記」(カエサル著/國原吉之助訳/講談社学術文庫) を読んだあと、 夕方まであれこれ。 夕食は御飯を炊いて、だしをひき、 豚肉生姜焼き、キャベツの千切り、冷奴、 沢庵、白菜の漬物、豆腐の味噌汁。 夜はお弁当のおかずを仕込んだり、 「プライスレス」(W.パウンドストーン著/松浦俊輔・小野木明恵訳/青土社) を読んだり。

人間は利得で気分が良くなる度合いよりも、 損失で苦しむ度合いの方が大きい。例えば、 一万円もらえる嬉しさより、一万円落としたショックの方がずっと大きい。 得になることが起こるかも知れないがその可能性がとても低いときには、 人間は賭けにでやすくなる。例えば、多くの人が宝くじを買う。 逆に、損になることが起こるかも知れなくてその可能性がとても高いときにも、 人間は賭けにでやすくなる。例えば、大損すればするほど、大穴狙いをしてしまう。 このような性質は「プロスペクト理論」として知られているが、 (非合理的なのに)なぜそうしてしまうのか、という理由は分からない。 プロスペクト理論を進化論的に説明しようとした キャメラー、ローウェンスタイン、プレレックは、 「人類は、幸福になるべく進化したのではなく、 生き延びて生殖すべく進化した」からである、とした。 そう言われてみればなるほど、 人間にとって幸福になることが困難であるのはもっともだ。

2010年2月27日土曜日

東京都庭園美術館

9 時過ぎまで寝てしまったが、 気候のせいか相変わらず良く寝た気がしない。 いつもの朝食のあと、午前中は昨日と今日の分の翻訳仕事。 朝風呂に入って、湯船で 「プライスレス」(W.パウンドストーン著/松浦俊輔・小野木明恵訳/青土社) を読む。 昼食は、しめじのアーリオオーリオ、豚リブのグリル、白ワインを一杯だけ。

午後は東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)を探訪に行く。 建物と庭の散策のつもりだったが、 今の企画展 「イタリアの印象派 マッキアイオーリ展」 も悪くなかった。 個人的には、通路に置かれていた、 前から突風が吹いて帽子を押さえる女性のテラコッタが一番良かったが、 企画展の絵に限ればシニョリーニの「セッティニャーノの菜園」 が良かったかな。 庭を歩いてまわっていたら身体が冷えたので、 カフェにて甘味代わりのグランマニエ付きのエスプレッソで一服してから帰る。

またお風呂に入ってから、夕食の支度。 鰤の塩焼き、鶏レバ生姜煮の最後の残り、出来合いのポテトサラダ、 白菜の漬物、沢庵、豆腐の味噌汁。

2010年2月26日金曜日

価格とはなにか?

8 時半起床。今日もなまあたたかい。雨が近そうな気配。 いつも朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 卵と長葱の炒飯、鰤の照り焼き、高野豆腐、白菜の漬物(自家製)など。 昼休憩に神保町まで散歩して、 「プライスレス」(W.パウンドストーン著/松浦俊輔・小野木明恵訳/青土社) を買って帰る。 最近はありふれてきた行動経済学の本だが、 その部類の中では一番質が良く、面白そう。 午後も時々、 「君主論」(マキアヴェッリ著/河島英昭訳/岩波文庫) を読む休憩を挟みながら、シェル作業と AWK スクリプト書きで過す。 そう言えば、恥ずかしながら、 シェルの "!$" と "!*" を知ったのは最近なのだが、 これを 15 年前から知っていたらどれだけの時間が節約できたことか。 18 時少し前に退社。

夕食は近所のベルギービール屋さんにて。 「プライスレス」を読みながら夕食。 フリッツ(モルトビネガー)、ムール貝のワイン蒸し、 菠薐草とサーモンのパスタ。 ビールはグリゼット・ブロンシュとサンマルタン・ブロンドを一杯ずつ。 菠薐草とサーモンのパスタが、良い意味で、鮭茶漬のようだった。 20 時少し前に帰宅。 お風呂に入って、湯船で 「プライスレス」を読む。 今日の夜は特に仕事なし。

2010年2月25日木曜日

未来の確率

9 時起床。寝坊。 急にあたたかくなったせいか、睡眠の質が低い。 寝たような寝なかったような、おかしな感じ。 いつもの朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 鰤の照り焼き、卵焼き、高野豆腐、沢庵、白菜の漬物(自家製)。 昼休憩に近所の本屋で、 「内乱記」(カエサル著/國原吉之助訳/講談社学術文庫) を買って帰る。 18 時少し前に退社。外はやはりあたたかい。 スーパーで買い物をして帰宅。 翻訳仕事を少ししてから、夕食の支度。 キャベツとアンチョビのパスタ、 豚リブのグリル、白ワインを一杯だけ。 リブ肉って美味しいけど、綺麗に食べられないし、 食べがいがあまりないような……。 食後も翻訳作業を少し。

数学に関する一通の文書で、世界を変えたほどの影響力を持つものは何か。 K. Devlin は、パスカル-フェルマー書簡だろうと答えている。 この超有名な数学者二人は、ある確率の問題を巡って文通で議論したことがあるのだ。 その問題は、簡単な例で書けば、以下のようになる。 「二人が 5 回勝負で勝ち越した方が賞金を総取りする賭けをした。 しかし、2 勝対 1 勝となった時点で、 この賭けを中止しなければならなくなった。 二人が賞金を公平に分けるには、どういう比で分ければよいか。」 今では、多分高校生でも解ける程度の問題だと思うが、 当時まで最高の頭脳がこの問題をああでもない、こうでもない、 と議論をし、さまざまな間違った答を出したあげく、 パルカルとフェルマーという大天才二人がようやく正解に到達したのである。 今から思えば、かなり奇妙なことだ。 しかし、「未来を数学的に考える」ということを認めること自体が、 人間にとって大きな障害だった証拠なのかも知れない。

2010年2月24日水曜日

8 時半に起床。今日もあたたかい。 いつもの朝食のあと適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 鰤の照り焼き、鶏レバの生姜煮、卵焼き、高野豆腐、ひじき五目煮、沢庵。 18 時少し前に退社。 まだコートは着ているものの、もう春だなあ。 帰宅して、お風呂に入り、 しばらく翻訳仕事。 夕食は卵と長葱の炒飯と、お弁当の作りおきのおかずあれこれ、 白ワインを一杯だけ。 食後に珈琲。 さらに翻訳仕事。

2010年2月23日火曜日

マキアヴェッリ

8 時半に起床。いつもの朝食のあと、 塩豚ごはんの残りで卵炒飯を作り、お弁当に詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 塩豚卵炒飯、鶏レバの生姜煮、高野豆腐、ひじきの五目煮、沢庵。 夜に面談の予定が入っていたので、夕食は近所のカレー屋さんにて。 食事から戻って、予定の面談を終えて退社。 帰宅してまずお風呂。 湯船で、 「君主論」(マキアヴェッリ著/河島英昭訳/岩波文庫) を読む。 amazon では訳文が読み難くて酷い、とよってたかってけなされていたが、 全然そうは思えない。 むしろ、きっちりした良い訳だと思う。 訳注や解説も力がこもっていて、読み応えがある。 …… なぜならば、新制度の導入者は旧制度の恩恵に浴していたすべての人びとを敵にまわさねばならないから、 そして新制度によって恩恵を受けるはずのすべての人びとは生温い味方にすぎないから…… (「君主論」第6章より)。 お風呂からあがって、さて、今日の分の翻訳仕事をしよう。

2010年2月22日月曜日

確定申告

9 時起床。寝坊。慌てていつもの朝食をとり、 お弁当を適当に詰めて出勤。 今日はかなり暖かい。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 塩豚ごはん、鰤の照り焼き、高野豆腐、卵焼き、ひじき五目煮、沢庵。 昼休憩に神保町の本屋で、 「プルタルコス英雄伝(上、中、下)」(プルタルコス著/村上堅太郎編/ちくま学芸文庫 ) を買う。 午後は早く切り上げて 16 時過ぎに退社し、税務署に確定申告に行く。 近い将来に所得税も上がりそうなので、 われわれ庶民としては辛いところだ。 お金持ちは稼ぐ必要がないからお金持ちなのであって、 実際ほとんど所得がなく、よってほとんど所得税もかからない。 庶民の嫉妬心をうまく誘導するのが、 マキャベリズムと言いますか、施政者の技量と言うものでしょうか。

帰宅して、お風呂に入り、湯船で 「プログラミング言語AWK」(A.V.エイホ、B.W.カーニハン、P.J.ワインバーガー著/足立高徳訳/UPS研究所) を読む。 何百万行、何千万行もある膨大な生のデータファイルを適当に要約して整形するのは、 常にちょっとしたパズルなのだが、 細々した余計なこともあれこれ付随するので、 その枝葉をどうやって落とすかが、これまたパズルだ。 夕食は、また鍋。白菜を買ってしまうと、つい鍋続きになる。 せめて趣きをかえて、キムチ鍋。あとは雑炊。 夕食の前後と、今日の分の翻訳作業。夜は読書など。 食事のあとかたづけをしつつ思う。 キッチンハイターが発明される前、主婦/主夫はいったいどうしていたのか……。

2010年2月21日日曜日

うどん

9 時起床。今日もまだ寒い。 珈琲だけの朝食のあと、 朝風呂に入って、午前中は今日の分の翻訳作業。 デカルトがパスカルの主張する真空の存在を認めず、 あいつ(パスカル)の頭の中こそ真空だらけだとホイヘンスへの手紙に書いた、 とかそういう下り。 昼食は、ラムチョップの残りと、しめじのアーリオオーリオ。 ワインを一杯だけ。 食後に昼寝をして、午後も翻訳作業や、 会社の仕事関係の資料読みなど。 夕方になって近所のスーパーに買い物に行き、食材を調達してくる。 帰宅して、お風呂に入って湯船で 「gnuplot の精義」(山本昌志著/カットシステム) を読みながら身体を温める。 お風呂から出て、 夕食は白菜と鶏肉の水炊き鍋。あとは饂飩。白ワインを一杯だけ。

鶏の水炊きのあとの饂飩の、私の流儀はこう。 鍋のあとの澄んだスープに生姜の薄切りを一人あたり一枚入れ、 (関西人なので)薄口醤油と日本酒で味を整える。この二つは大体同量。 饂飩を入れて、具は長葱の青いところを斜めに切ったものだけ。 何か柑橘類を少し絞って完成。 葱と柑橘類はなくても良いが、大抵、鍋の横にあるのでそれを利用する。 でも、生姜は必須。

夜は合間に読書や細かい作業などしながら、 明日からのお弁当の仕込み。 塩豚のかたまりの表面に少し焼き目を入れ、 そのまま米と土鍋に入れて炊き込む塩豚ごはん (塩豚を作ったのは、実はこれを試してみたかったから)。 鶏レバの生姜煮、高野豆腐のふくめ煮、鰤の照り焼き、卵焼きなど。

2010年2月20日土曜日

キーボード

深く眠ったせいか、かなり早く目が覚めた。今日は晴天。 いつもの朝食をとってから、朝風呂に入る。湯船の読書は、 「シャーロック・ホームズ最後の解決」(M.シェイボン著/黒原敏行訳/新潮文庫)。 読了。午前中は、洗濯に掃除機がけ、それから今日の分の翻訳作業。 昼食は自家製塩豚のカルボナーラ、 ラムチョップのグリル、ベビーポテトとエシャロット添え、 白ワインを一杯だけ。食後しばらく昼寝。

注文していたキーボードが届いた。 新しい PC 用のもので、会社で使っているのと同じ、 ascii 配列の(詳しく言えば Sun Type3 配列の) "HHKB Professional 2". 場所をとらないのと、コトコトした感じの打鍵感が好きなので、 もうこれに決めてしまっている。 欠点は価格が二万円ほどすることなのだが、 手首の健康と作業効率のためにはやむをえない。 キーボードにこる人は私の見るところ、 以下の 3 パターンが支配的だ。 "HHKB Pro" か、"Realforce" か、エルゴノミクス系。 三つめのエルゴノミクス、つまり人間工学系も意外といる。 デスク一杯に広がっていたり、不思議な曲線をえがいていたり、 そもそもキーボードに見えなかったりするので、職場では目立つ。 とは言え、本当に手首の痛みなどに苦しんでいる人には、 この選択肢しかないようだ。 例えば、半世紀後、キーボードは今の形をしているのだろうか。 そもそも消えてしまっているのだろうか?

「チェーザレ 1」(惣領冬美/講談社)を読んでいるうちに夜。 夕食の支度。冬が終わらない内に、鍋料理。 塩豚と鶏肉を使ってピェンロー風の鍋にしてみる。 適当に作ったわりにいい感じ。あとは雑炊にする。 やはり鍋のあとの雑炊に敵う料理なし。 白ワインを一杯だけ。 夜は確定申告書類のチェックと清書。

2010年2月19日金曜日

ドクタ

8 時半くらいに起床。 曇り空。まだかなり疲れているようで、ねむねむ。 いつもの朝食のあと出勤。 午前、午後とお仕事。 18 時くらいに退社して、スーパーで食材を買って帰宅。 春が近いらしいが、今日もけっこう冷える。 帰宅して御飯を炊いてだしをひき、 卵かけ御飯、塩鮭、沢庵、若芽の味噌汁など朝食メニュ。 食後に珈琲とチョコレート。 料理の支度の合間に翻訳作業をすすめ、 今日の分は片付けた。 さて、お風呂。 今夜と明日はゆっくり休もう……

そう言えばワークショップの間は十年ぶりくらいに、 (当たり前だが)「プロフェッサ」ではなくて「ドクタ」と呼ばれて、 若返ったような気持になった。 悪くないものだね(笑)。

2010年2月18日木曜日

「エル・ブリ」とユージン・ファーマ

8 時起床。夜の間に雪が積もっていた。 いつもの朝食のあと出動。 今日も朝から、国際ワークショップ。今日が最終日。 体力が追いつかなくなってきたようで、眠い。 昼食は会場で用意してくれたスープとサンドウィッチなど。 最後の講演だけは所用で聴けなかったが、 午後もワークショップに出て、ほぼ全日程に参加できた。 帰宅して、しばらく仮眠をとり、夕食の支度。 塩豚とベビーポテトのパスタを作って食す。 夜は翻訳仕事。二日間まったく手をつけていなかったので、 その分を取り返す。

いや、やっぱり永遠に閉店というわけではない、 という スペインからのニュース("El Bulli will not close")。 世界最高のレストランとしては何かと注目が集まるのはしようがないが、 世界最高のレストランにしてはあまり良い経営手腕の下にあるように見えない。 レストランはもちろん良いシェフがいてこそだが、 また一方では良い経営者がいてこそ真価を発揮し、存続もするのである。 某経済学者は、 「エル・ブリ」のオーナーにファーマの80年以降の論文を送ってやれ、 と blog でこぼしていた。 かなり知的に高級なジョークだ。 ところで、 日本のウィキペディアに「ユージン・ファーマ」の項目がないのにちょっと驚いた (もちろん、本家にはある("Eugene Fama" in Wikipedia))。 日本は、現代ファイナンス理論を歯牙にもかけていない、という証拠だろうか。

2010年2月17日水曜日

国際ワークショップ二日目

朝から午前午後と、 数理ファイナンスと関連の数値計算についての国際ワークショップに参加。 昼休憩の一時間半の間に、 地下鉄で移動して会社に顔を出し、 デスクでお弁当を食べながらちょっとした仕事を片付けて、ワークショップ会場に戻る。 夜は東銀座にて、講演者たちを中心に公式の会食。 ゆっくりと食事が出てくる上品な店で、 お開きになったのは 23 時頃。 そして今ようやく帰宅。 明日も朝からワークショップ参加。 とりあえずは、お風呂に入ろう……。

2010年2月16日火曜日

国際ワークショップ初日

8 時起床。 いつもの朝食のあと、虎ノ門のワークショップ会場へ。 数理ファイナンスとその関連の数値計算の国際ワークショップ、と言うことだが、 おおむねスイスの ETH (エー・テー・ハー)軍団を、 (オーガナイザ曰く)日本のオールスターズで迎え打つ、という企画らしい。 今日の最後の講演が私の発表。 相変わらず、ぐたぐたの英語発表だったが、 ディザスタにも至らず、まあまあの出来だったか。 とりあえず、ETH の新しいリーダーには、"Very nice talk!" とねぎらってもらった。 今日の予定が済んだあとは、 オーガナイザ周辺と若い人達、スロヴェニアからのゲストと、 近所の蕎麦屋で宴会。 大体、最近の数理ファイナンスや金融工学と言われる分野は、 チューリッヒでお友達だったか、ウィーンでご学友だったかのどちらか(または、両方) の人に占められているようで、 イギリス学派としてはやや形見が狭いかも。 22 時近くにお開きにして、雪の降る中を帰宅。 寒い。とりあえずお風呂に入らねば。

明日もワークショップ。 自分の講演は終わったので、もう気楽。 明日の夜は公式の会食らしいので、また更新は遅くなります。

2010年2月15日月曜日

幕張

8 時半に起床。いつもの朝食のあと出勤。 午前中はいつものごとく過し、 持参のお弁当の昼食。鮭の腹身の塩焼き、 卵焼き、高野豆腐、沢庵。午後は幕張に移動。 最近、会社が幕張にビルを買って、 そちらにかなりの部署が引っ越した。 ちょっと(いや、かなり)遠いが、時々は互いに行き来をしなければならない。 そして、幕張は遠く、そして寒かった。夕方用事を終えて、 冷たい雨が降り冷たい風が吹き付ける中、幕張から帰る。 帰宅したときには、空腹の上に凍え切っていたので、 作りおきのお弁当のおかずを空腹におさめ、 お風呂の支度。

湯船で身体を温めつつ、 丁度届いたばかりの 「プログラミング言語AWK」(A.V.エイホ、B.W.カーニハン、P.J.ワインバーガー著/足立高徳訳/UPS研究所) を読む。 ちょっと悲しいことだが、年をとるにつれて、 よりパワフルな言語を使わないと、 賢くて成長の早い若者についていけない。 そんなわけで、密かに AWK の勉強など。 古いが、明快で分かり易い本だ。 AWK で簡単にアセンブラとかコード生成器まで書いてしまっていて、 ちょっと笑える。

お風呂から上がって、夕食の支度。 土鍋に水と昆布と酒を入れ、 深谷ねぎをどっさりと塩豚と饂飩を放り込み、 ぐつぐつと煮て、薄口醤油と石垣島ラー油少々で味つけ。 冷蔵庫にあるもので作った思いつき料理だが、久しぶりのヒット。 天才かな私……。これは店を出したら行列ができそうだ。 夜は明日の講演の準備を、さすがにそろそろしないと。

明日から火、水、木と虎ノ門あたりで数理ファイナンスの国際ワークショップ。 帰宅時間が不明なので、更新時間も不安定になるかと思います。

2010年2月14日日曜日

「エル・ブリ」閉店の経済学

9 時くらいに起床。珈琲、トースト、苺ジャムの朝食。 今日は良い天気だ。午前中は洗濯、掃除機がけ、 今日の分の翻訳仕事など。 昼食は卵と長葱の炒飯で白ワインを一杯だけ。 お風呂に入って、湯船で 「明日をどこまで計算できるか」(D.オレル著/大田直子・鍛原多惠子・熊谷玲美・松井信 彦訳/早川書房)を読む。 お風呂のあとは、しばらく昼寝。 その後は夕食の時間まで、講演の準備と読書など。 夕食は御飯を炊いて、塩鮭、だし巻き卵、高野豆腐、豚汁。 食後にワインを一杯だけ。イル・バチャレ。 夜も講演の準備など。主にセリフつけ作業。

世界最高のシェフによる世界最高のレストランとされる 「エル・ブリ」 が閉店するというニュース (リンク:New York Times Blog on Dining Out "El Bulli to Close Permanently")。 夏の時点では期限付きの閉店とされていたが、 一昨日の金曜日に、オーナーのフェラン・アドリアの口から "permanently" に閉店することが発表された。 「エル・ブリ」に行ったことがあるかどうかで、 「グルメ」と「それ以外」に分けられる昨今、 悔しい思いをしている方も多かろう。 オーナーによれば閉店の理由は、 驚くべきことに、毎年 50 万ユーロずつ赤字(!)だったから、だそうだ。 ちなみに、「エル・ブリ」には 48 席しかなく、 かつ、一年間に 6 ヶ月しか開かない。 このわずか 8 千席に対して、 控えめな数字でも 30 万人の予約申し込みがあると言われている。 それで何故、赤字閉店になるのか、不思議だ。 需要が圧倒的に供給を越えている状態のまま、 赤字倒産することがありうるのだろうか? そもそも、なぜそんな赤字を放置していたのか。 例えば、なぜ値上げしなかったのか。 「エル・ブリ」のディナの値段はそれほど高くない。 実際、「エル・ブリ」より高いレストランは、 東京に数え切れないほどある(らしい。良く知らないけどね)。 これをチャレンジングな経済学的問題であると捉えた人が多いようで、 プロ、あるいは市井の経済学者たちがこの「エル・ブリ」問題を議論している。 面白くて、うっかり blog を読んで周ってしまった。

2010年2月13日土曜日

肉食

8 時くらいに目が覚めた。 珈琲をマグカップに入れて、寝台でしばらく読書など。 起床して、翻訳仕事など。 昼食は、焼き饂飩。 豆腐を入れて、溶き卵と鰹節で仕上げ、チャンプルー風にしてみた。 白ワインを一杯だけ。 少し昼寝をしてから、午後も翻訳作業と、PC 周りの雑用など。 合間に、塩豚を仕込んだ。 amazon から S.Wolfram の "A New Kind of Science" が届いた。 値段が安いので油断していたら、千ページ以上もあった。 R.Penrose の "The Load to Reality" を読んだときにも思ったが、 やはり肉食べてる人たちには敵わないなあ……、と。 明日から肉食にしよう(嘘)。

お風呂に入ってから夕食の支度。 御飯を炊いてだしを引き、 豚肉生姜焼きと、ベビーポテトと長葱の味噌汁、沢庵など。 夜は来週の講演準備を少々。

2010年2月12日金曜日

偶然を生かす

昼頃に出社。 近所の新刊書店で、 「統計学とは何か --- 偶然を生かす」(C.R.ラオ著/藤越康祝・柳井春夫・田栗正章訳/ちくま学芸文庫) を買う。 ずっと絶版になっていた統計学の啓蒙書の名著が、 ちくま学芸文庫で復刊。 啓蒙書といっても、プロが読んでも得るところのある、 面白くて、教養にあふれていて、格調高いものだ。 私も以前に図書館で借りて読んで、 科学的な内容にも感心したが、それ以上に、インドのインテリはほんとうに凄いな、 と思ったものだ。 是非一冊欲しいと思っていたのだが、文庫で出してもらえるとはありがたい。 たとえそれが、常にびっくりするような値段のちくま学芸文庫でも。 18 時半くらいに退社。 今日はまた真冬。帰り道の冷たさと言ったらなかった。 帰宅して、鍋焼饂飩を作る。 ひじき五目煮の最後の残りと白ワインを一杯だけ。 食後に珈琲と、生クリーム大福。

「祖国なき男」(G.ハウスホールド著/村上博基訳/創元推理文庫)、読了。 傑作の続編にありがちなことだが、特に書く必要はなかったような。

2010年2月10日水曜日

重い本

今日はいつもよりちょっと早く目が覚めた。 曇り空で、気温も低い。 いつもの朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。鶏肉の甘辛煮、半熟茹で卵、 ひじきの五目煮、沢庵、の海苔弁当。 18 時くらいに退社。 外は冷たい霧雨。昨日はもう春が来たかと思ったのだが。 明日は雪になるかも知れないそうだ。 帰宅して、しばらく翻訳仕事をして、夕食の支度。 オムライスを作る。冷蔵庫の都合で、食卓には冷奴も。 ワインを一杯だけ。

最近、H.P.Langtangen という人の書いた、 "Python Scripting for Computational Science" (Springer) を読んでいる。 便利な良い本なのだが、欠点は兎に角、重いことだ。 750 ページもある上に、やたらに重い。 よっぽど、いい紙を使っているのだろうか。 Springer の本の紙質にはそんなに良い印象がないのだが、 売れ筋の本は贅沢に作っているのかも知れないなあ。

明日の夜は会食の予定がありますので、更新はお休みします。

2010年2月9日火曜日

肉食系

8 時半に起床。 いつもの朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 途中の SBUX で珈琲を買って、出社。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 沢庵の散らし鮨、鶏肉の甘辛煮、半熟茹で卵、ひじき五目煮。 昼休憩に神保町の新刊書店まで散歩。 急にまた暖かくなったので、コートはなし。 「シャーロック・ホームズ最後の解決」(M.シェイボン著/黒原敏行訳/新潮文庫) などを買って帰る。「ユダヤ警官同盟」で一気に名を上げたシェイボンの新作。 午後も適当にお仕事をして、18 時過ぎに退社。

帰宅して、夕食の支度。 ラムチョップとベビーポテトとエシャロットにオリーヴ油をかけて、 一緒にオーヴンで焼く。 エシャロットと羊肉のいい匂い。 焼きあがったところを、大皿に全部いっぺんに山盛りに盛って、 ポテトとエシャロットに塩胡椒し、端からじゃんじゃん食べる。 別に誰も見ていないし、肉なんか骨を手で持って食べた。 何故かちょっとした、カルニヴァーレ。ハンニバル・カニヴァル状態(?)。 いやー、うまいね羊は。 おそらく、上品なレストランなら三人前くらいの量を食べた。 もちろん食事は誰かと一緒に食べた方が美味しいに決まっているのだが、 一人には一人にしか出来ない食べ方と美味しさがあるのではないか、 と考えたわけでも何でもなくて、 特に理由のない発作。 おそらく、普段の清らかにも貧しい生活の反動だろう。 一緒にニュージーランドの赤。これも、 羊が一杯いる国だからあうんじゃないかな、という程度の理由。 食後に珈琲と、チョコレート&ラズベリーのチーズケーキ。

2010年2月8日月曜日

鰹を焼く

8 時半頃に起床。今日も良い天気で、寒い。 いつもの朝食のあと、お弁当を詰める。 鰹を焼いていたら、出勤が遅くなった。 10 時半くらいに出社。 週末の間に引っ越し作業が行なれたので、いつもと違うフロア。 ここは仮住まいの予定だが、実際、それがいつまでになるかは不明。 午前中はほぼ開梱と整理。 昼食は持参のお弁当。 鰹のステーキ、半熟茹で卵、ひじき五目煮、沢庵。 午後はぼちぼちと仕事をして、 17 時半くらいに退社。

夕食は、鰹の叩きの散らし鮨、卵の御澄まし。 食後に、生クリーム大福と煎茶。 鰹の代わりに、沢庵の微塵切りを使って、 明日のお弁当用の貧乏散らしを作る。 あとは、卵焼きと、、、焼き鳥でも作っておくか。 夜は翻訳仕事など。

2010年2月7日日曜日

新幹線サーヴィス協会会員

8 時起床。今日も寒い。 お風呂に入って、湯船で 「日本世間噺体系」(伊丹十三著/新潮文庫)を読む。 本当か嘘か分からない数ページほどの短い世間噺が集められている本。 この中の「新幹線にて」を読んで、これだ、と思わず膝を叩こうとしたが、 湯船の中なので、ぽちゃんと水面を打った。 新幹線をホームで待つ主人公が、 手持ち無沙汰で何となく手足を動かしていると、 「会員の人だね?」と声をかけられる。 どうやら偶然に何かの暗号に合致してしまったらしい。 好奇心にかられた主人公は、 何の会員なのか分からないままに、うまく話をあわせて、 入会金 5 千円と今日の分の 3 千円を払う。 「品物」はあとで席に届けるという。 謎の男は元は医者で、今は好きな書の道を追求しながら、 この「商売」をしているらしい。 主人公は一旦その男と別れて、新幹線の席で「品物」を待つ。 そして、届けられたものとは……。 これを読んで、おそらく伊丹十三自身がこの「商売」を利用したかっただけではなく、 おそらく、この「商売」をしてみたかったのだろう、と思った。

午前中は洗濯と掃除機がけの合間に python の勉強をしたり。 昼食は三葉と鰹のスパゲティ。出鱈目に作ったわりに美味なり。 上出来だったので、白ワインを一杯だけ飲むことにする。 食後に一時間ほど猫と昼寝。 珈琲とチョコレート&ラズベリーのチーズケーキ。 また python で遊んだり、翻訳仕事をしたり。 夕食は、御飯を炊いて、伊丹十三流の親子丼。 夜は、翻訳仕事の他は、PC の設定など。 私は「かな漢字変換」が skk でないと日本語が書けないので、とりあえずその設定。 のち、段々と環境設定していく予定。 そうだ、明日からのお弁当のおかずを仕込まないと。

2010年2月6日土曜日

残りもの散らし鮨

昨夜はかなり早く寝たので、7 時には目が覚めていた。寝床で読書など。 起き出して、まずお風呂に入る。湯上がりに珈琲だけの朝食。 早朝よりは天気が良くなってきたので、洗濯。 午前中は python の練習に、小さなスクリプトをいくつか書いた。 昼食は、キムチ炒飯、生姜焼き、三葉と卵の御澄まし。 食後に紅茶と、ヴィタメールのチョコレート。 しばらく昼寝、のつもりが、また二時間以上も寝てしまった。 食材を買い出しに行かなくてはいけないのだが、 寒いし、外は風が激しくふいているし、その気になれない。 また python の入門本を読んだり、 またお風呂に入ったりしているうちに、夜。 夕食はやむなく、冷蔵庫の残りで散らし寿司。 白ワインを一杯だけ。 食後は、翻訳作業。 先日、第一章のお試し版を編集者にチェックしてもらった。 これを参考にして、今日明日中に第一章、二章を訂正する予定。

注文していた PC が届く。 本体は注文のついでみたいなもので、大きめのモニタが欲しかったのが主な購入理由。 最近、年のせいか、横に二枚並べてもノートブックの狭い画面では辛くて。 本体は重箱一段くらいの大きさの小型、低価格、低性能 Linux マシン。 コンピュータって安くなったなあ……。

2010年2月5日金曜日

海苔巻弁当

8 時半起床。今日も良い天気で、良く冷える。 いつもの朝食のあと、週末限定スペシャル弁当を詰めて出勤。 今日は、午前、午後とデータのバックアップと、引越の準備。 先週末、今週末と二回に分けて、 かなり大規模なオフィスの引っ越し作業が行なわれている。 今週末は私の属するフロア。今日、梱包。月曜に開梱。 昼食は、持参のスペシャル弁当。 と言っても、昨日の太巻きにおかずの残りを詰めただけ。 午後も力仕事など。 しかし、予想以上に早く終わってしまって、 16 時前にすることがなくなった。 隣の天才プログラマ K さんと雑談ののち、 引っ越し作業で喉が乾いたという口実で、K さんと一緒に近所のベルギービール屋へ。 フリッツ(モルト・ビネガー)と鶏レバのペーストでビールを飲む。 K さんはお家で愛妻料理が待っているので先に帰り、 私はそのあと、今日のパスタ料理(ナポリタン)を食べてから帰る。 外はかなり寒い。 お風呂に入って、湯船で読書。 「明日をどこまで計算できるか?」(D.オレル著/大田直子・鍛原多惠子・熊谷玲美・松井信彦訳/早川書房)。

2010年2月4日木曜日

You know you're grown up when....

8 時半起床。珈琲、トースト、苺ジャムの朝食。 適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 鰤の照り焼き、高野豆腐、切干し大根、沢庵の海苔弁当。 夕方退社。 帰宅して、少し翻訳仕事。 そのあとお風呂に入り、湯船で 「中年を悟るとき」(J.ハンソン著/伊丹十三訳/南伸坊画/飛鳥新社) を読む。 大人になったと感じるときのあれこれが、 一ページに一つ、二つくらいずつ書かれているという本。

朝のコーヒーの量が増えたようだ。なかなか目が覚めない。特に冬がいけない。
歩くのはいい運動だよ。
仕事に無能な奴を見ると心底腹が立つ。
「だからそういったろうが!」と怒鳴る前に言葉を飲み込んでしまうこの余裕。
人間、見てくれや人柄も大切だけど、でも、なんたって大切なのは、エネルギー、不屈の精神、ユーモアの精神だと思う。

と言った感じが続くのだが、 訳者のあとがきに伊丹十三版もあって、同じ日本人だからか、 こちらの方がしみじみするような気がする。

朝起きたときに、すでにして疲れている。
ほどよく飲む、という境地にはいまだ至っていない。
「エート、ホラ、ホラ、あの俳優なんてったっけ」。映画の話の半分はこれだ。
そろそろ蕎麦の打ち方でも習うか。
「いい女」がいなくなったなあ。今の女は、あれはただの子供だ。
楽しいうちに死にたい。

夕食に太巻きを作って、ラモネのアリゴテを一杯で食す。

2010年2月3日水曜日

キムチ鍋と赤ワイン

少し寝坊。9 時前に起床。 今日も寒い。いつもの朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。 鮭の甘塩焼き、九条葱入り卵焼き、高野豆腐、切干し大根、 沢庵、の海苔弁当。 17 時半くらいに退社。 外はかなり冷え込んでいる。 雨が降ったら確実に雪になりそうだ。 帰宅してお風呂に入り、夕食の支度。 丁度、ワインが届いたので、 赤ワインであっさり風味のキムチ鍋。 そのあとは久しぶりに饂飩。饂飩もいいよねぇ。 最近の冷凍饂飩はあなどれない。 食後に珈琲とチョコレート&ラズベリーのチーズケーキ。 夜は翻訳仕事と、お弁当のおかず作り。 鶏腿肉と鰤をそれぞれタレに漬け込んで焼く。

コーネル大学のプレプリントサーバ arXiv が資金を求めている、 というニュースを twitter で知る。 高価な論文雑誌へのアクセスがほとんどない大学外の科学者にとって、 プレプリントサーバは大変に有り難い存在だ。 しかし、寄付先は一番良いと思う一つだけにするのが、 経済学的なロジックとしては正しいらしいので、 私には既にオプションがない。 とは言え一応、心に留めておくことにする。 私自身は読む一方で、アップロードしたのは最近の共著論文が初めてだったが、 読むのも書くのも両面でお世話になっている人は多いだろうし、 世界中の科学者に与えている影響は測り知れないと思う。

2010年2月2日火曜日

雪の朝

8 時半起床。外が眩しいなあ、と思ったら、 やはり雪が積もっていた。でも、ちょっと地面が隠れるくらい。 珈琲、トースト、苺ジャムの朝食のあと、 適当にお弁当を詰めて出勤。 BBC Radio4 "In Our Time" の「真空について」 の回の録音を聴きながら、歩いていく。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。炒飯、鮭の甘塩焼き、九条葱入りの卵焼き、 高野豆腐、切干し大根、キムチ。 17 時半くらいに一段落ついたので退社。 今日はかなり寒い。スーパーで買い物をして帰宅。 少し翻訳仕事に手をつけてから、お風呂に入る。 夕食は御飯を炊いて、だしをひき、 白菜と豚肉の塩炒め、切干し大根、沢庵、九条葱と豆腐の味噌汁。 夜は翻訳仕事の続きと、講演のスライド書きの作業。

2010年2月1日月曜日

プロフェッショナルとは……

8 時半起床。良い天気。でも今日は夜から雪が降るそうだ。道理で寒い。 紅茶、トースト、苺ジャムの朝食。お弁当を適当に詰めて出勤。 午前、午後とお仕事。 昼食は持参のお弁当。鮭の甘塩焼き、九条葱入りの卵焼き、 高野豆腐、切干し大根、沢庵。17 時半くらいに退社。 外は冷たい雨。まだ雪にはなっていない。 身体が冷え切っていたので、帰宅してすぐにお風呂に入る。

湯船で、 「メニューは僕の誇りです」(斉須政雄著/新潮社)を読む。 「いつか無心なお客になって料理を食べてみたい。 それが僕の夢です。そういう権利は僕にだってあると思う。 でも、そのときは仕事をおりるときです。」 という箇所にちょっと感動。 プロフェッショナルとはそういうものなのだろうな……。 私は逆に、生涯一アマチュア、 何も極めない、常に何をやっても素人でいる、 というのがモットーなのだが、 やはり真摯なプロフェッショナルには憧れを感じる。 とは言え、この態度は厳し過ぎるような気もしないでもない。 真にプロたる、例えば、ソムリエは、 素直に、ああ美味しい、とワインを飲むことはない。 常にプロとして全身全霊を打ち込んで味わうワインに、 ああ美味しい、などという、なまぬるい感動はないのである。 もしあったとしても、 それはソムリエという仕事を辞めた引退後のことなのだ。 彼(彼女)は、そんな「ただの人」に戻れる日を夢見つつ、 普段は感覚を鈍らせないため、 フィルターをかけた水道水だけを飲み、今日も垂直試飲会に向かう。 たまさか恋人とワイングラスを傾けるときにも、 美味しいね、という彼女(彼)に微笑みながらも、 心の中では秘かにこう思うのだった。そんな贅沢は私には許されていない、と…… なんて、こんなローザンヌ前のバレリーナみたいな調子では、 ちょっと厳し過ぎるよなあ、と思う。

お風呂から出て、 しばらく、TeX Shop の beamer 環境をインストールしなおしたりの PC 周りの仕事をしてから、夕食の支度。 また手抜きで、鶏キムチ鍋。あとはまた雑炊にした。 寒いとどうも、鍋料理で手抜きしてしまう。 夜は、講演のスライド作りと、翻訳仕事をそれぞれ小一時間ずつ。