2009年8月31日月曜日

公案

10 時過ぎまで寝てしまった。 珈琲、オレンジジュース、トースト、ソーセージエッグの朝食。 台風の影響らしく、ずっと雨。 家計簿の決算と来月の予算を組んだりしているうちに、昼。 昼食は、野菜炒麺。お風呂に入って、湯船で「ナイン・ストーリーズ」 (J.D.サリンジャー著/野崎孝訳/新潮文庫)から、 「ド・ドーミエ=スミスの青の時代」を読む。 湯上がりにも、少し寝床に横になって、同書から「テディ」を読む。 世の中の多くは、サリンジャーというものは、 まだ顔にニキビが満載の少年少女の頃にはしかにかかるように愛読するものだ、 と思っているようなのだが、全くの誤読だ。 「ナイン・ストーリーズ」は冒頭に「隻手音声」の公案が掲げられていることから明白なように、 九つの公案であり、つまり、一生をかけて解こうとすることが目的であって答はない、 謎々の問題集なのだ。もちろん、公案を公案として受け取ることは難しい。 例えば、日本人のほとんどは、 頓知小僧の一休さんが将軍さまをやりこめた話として、 「隻手」の話を知っているのだが、それが公案だとは思っていない。 私が思うに、深い問題は時に、メタ問題やメタ「メタ問題」、 つまり公案の形を取るのだが、 それを普通のレヴェルの問題だとしか捉えられない、 ということが原因の誤解や不幸は、けっこう多い。

午後は、チェス・プロブレムを少し考えたり。 夕方、またお風呂に入って身体をふやかしてから、夕食。 鮪のづけ丼を作る。 と言っても、酢飯は昨日の残りなので、 醤油と味醂と胡麻油と赤ワインで漬け汁を作り、 鮪の切り落としをしばらく漬け込んで、適当に盛り付けるだけ。 他には、懐石沢庵と祇園風味醤油漬、玉子と茗荷と大葉の澄まし汁。 食後に煎茶。 酢飯が昨晩の残り、というところはやや不満だが、 昨日の秋刀魚散らしに引き続き、十分の出来だった。 ダリア叔母さんちのアナトールほどではないが、 私自身の舌と体調を知り尽した我が家のシェフである私の腕も、 まあまあの調子。 仕事以外に楽しいこともないので、この秋、冬はちょっと気合を入れて料理しようかな、 と今のところ思っています。

さて、夏休みも終了。明日から頑張ろう。涼しい日が続けばいいのだが。