2012年1月21日土曜日

冷蔵庫との対話

曇り空。今朝も寒い。 いつもの朝食。朝風呂。 本を読んだりして、のんびり。 「ドゥルーズ 解けない問いを生きる」(檜垣立哉著/NHK出版、シリーズ・哲学のエッセンス) など。 昼食は蕪入りの鰊蕎麦。 しばらく昼寝ののち、 冷たい小雨の降る中、近所の公立図書館へ。 借りていた本を返却し、ついでに少しばかり調査をして、また本を借りて帰る。 「サン=テグジュペリ著作集4 『母への手紙・若き日の手紙』」(サン=テグジュペリ著/清水茂・山崎庸一郎訳/みすず書房)、 など。 帰り道のスーパーで食材を買って帰宅。

午後は読書と、料理の仕込み。 玉葱のピクルスと、豚肉の水煮を作っておく。 夕食は御飯を炊いて、 鰤の照り焼き、ひょうたんかぼちゃの煮付け、蕪の酢漬け、豚汁、御飯。 久しぶりに「有次」の料理用刷毛が活躍。今日のメニュは我ながら完璧だった。 食後に緑茶。 夜も、「ドゥルーズ」など。

私は学生の頃に買った冷蔵庫をいまだに使っていて、 おそらく二十年は生活を共にしてきた。 もちろんあちこち調子が悪くなっていて、 冬などは普通の冷蔵室が冷凍になったり、 逆に勝手に霜取りモードになったり、なかなかに扱い難い。 温度設定のダイヤルが内部に一つあるのだが、 これも絶妙の調整が必要で、 世界広しと言えども私にしか、まともに使えないだろう。 感覚で大体のところにセットしてから、 そのときの気温や湿度や冷蔵庫の中身にあわせて直感で、チョンと上か下に押す。 「この機械でコンマ・ゼロ1ミリを出せるのは、 こいつと毎日二十年間つきあってきた俺の指先だけ、 俺がやらなきゃスペースシャトルも飛ばないんだぜ……」 と町工場のシボリの達人みたいな台詞を猫に語りつつ、 今日も私は冷蔵庫と対話している。 ただ一つの気掛かりは、この技術の継承者がいないことである。