2009年7月8日水曜日

Nothing or Something

7 時過ぎに起床。今日も蒸し暑そうだ。 珈琲、オレンジジュース、トースト、茹で玉子の朝食のあと、出勤。 8 時半くらいに出社。 午前、午後とお仕事。昼食は近所の居酒屋のランチメニュで、ハンバーグ定食。 夕方 17 時過ぎに退社。サマータイム作戦は着々と進行中。 スーパーに立ち寄ってから帰宅。 帰り道の蒸し暑さにうんざり……。 洗濯機に洗濯を任せつつ、夕食の支度。 ざる饂飩と、冷たい高野豆腐と絹莢。 白ワインを一杯だけ。食後に珈琲と、レーズンチャイルド。 夜は、数学とか、翻訳とか。

19 世紀末に "Educational Times" という雑誌の中で、 ルイス・キャロルこと C.L.ドジソン(ドッドソン)を中心にして、 線分の上にランダムに一点を選ぶときに、 それが事前に決めておいた点と一致する確率はゼロなのか、 という議論が繰り広げられていた。 意見はおおむね、「全くのゼロである」派と、 「無限に小さいがゼロではない何か」派に分かれていた。 ちなみにドジソンは後者だった。 これは現代的な確率論の立場からすれば間違いで、ゼロが正しい。 しかし、21 世紀の現代でも、そう普通の人に説明すると、 「でもその点が選ばれるかも知れないじゃないか、 つまり確率はゼロではないだろう」、と反論されることがある。 まさにそこが味噌で、「確率がゼロである」ことと、 「絶対に起こらない」ことは同じではないのである。 ここのところを厳密にとらえて理解するには、 ルベーグ積分論の成立を待たねばならなかったので、 19 世紀末にはやはりここで皆が行き詰まっていた。 ところが、面白いのは、「無限に小さいがゼロではない」派のはずのドジソンが、 正しい思考実験を問題として提出しているのだ。 つまり、線分上にランダムに一点を選ぶとき、 その点が線分を同じ長さで割れないような二つの長さに分ける確率はいくらか、 逆に、そうならない確率はいくらか、とこの雑誌に出題している。 つまり、選んだ点が有理数である確率、無理数である確率を問うているわけで、 そこまで迫っていながら、何故、正しい道へ歩めなかったのか。 答が分かっている我々からしてみれば、ちょっと奇妙な感じさえする。