寝坊。9 時まで寝てしまった。 珈琲、オレンジジュース、ベーコンエッグ、トースト、バナナの朝食。 午前中は掃除機がけの他は、 「コフィン・ダンサー」(J.ディーヴァー著/池田真紀子訳/文春文庫) を読む。読了。事故による四肢麻痺で引退した元科学捜査官リンカーン・ライムと、 その目と手足になって働くアメリア・サックスのシリーズの二作目。 このシリーズは第一作「ボーン・コレクター」しか読んでいなかったのだが、 相当の量が文庫になってきたので読み始めた。 「コフィン・ダンサー」も相変わらずのディーヴァー節で面白かった。 昼食は、冷や御飯に生湯葉とあさつきをのせて沢庵を添え、熱い味噌汁をかけて食べる。 食後に少しだけ、アルザスのピノ・ブランを飲んで、一時間ほど昼寝。 午後は、読書など。 夕食は、半兵衛麩のよもぎ麩と利久坊をオーヴンで少し焼いて味噌田楽にし、 あとは素麺。食後に煎茶と笹巻麩。しばらく、お麩三昧だ。 夜は数学など。
ディーヴァーはリンカーン・ライムのシリーズに限らず、 常に天才的探偵と天才的犯人の戦いが主題で、 ワンパターンと言えばそうなのだが、割と好きな作家だ。 ジャーナリズム学科の出身で、記者や弁護士を経てから作家になっただけあり、 調査と描写が行き届いている。 「コフィン・ダンサー」では、いつものように科学捜査が詳しく描かれる他に、 登場人物の一人がパイロットなので、飛行機操縦が詳細に描写される。 他の例では、ハッカー同士の戦いを描いた「青い虚空」(J.ディーヴァー著/土屋晃訳/文春文庫) も、相当勉強したのだろうな、という感じがした。 「青い虚空」で一つ感心したのは(前にも書いたが)、 ハッカーが一宿一飯の恩義に、壊れていた掃除機を直して行くところだ。 普通ならその「ハッカー」がいかに凄いか、いかにホンモノか、 ということを描写するのに、CIA のシステムに侵入した、とか書いてしまうものだ。 しかし、このハッカーは他の人が寝ている間に、 ディナーナイフと胡桃割りを工具代わりに掃除機を直すのである。 連れの刑事が、掃除機にも詳しかったのか、と驚くと、ハッカーはこう言う。 「知らなかった。だけどなんで動かないのか興味があったんだ。 いまはもう掃除機のことなら完璧だ」。 私が思うに、まさにこれがハッカーだ。