2009年12月28日月曜日

クロイソス王の悟り

9 時起床。 珈琲だけの朝食。 「愚者の黄金」(G.テット著/平尾光司監訳・土方奈美訳/日本経済新聞社) を読んだり、 お風呂に入って湯船で 「自然科学における数学的方法」(G.ポーヤ著/細川尋史訳/シュプリンガー・ジャパン) を読んだり。 アルキメデスは偉大だなあ、とか思っているうちに昼。 昼食は王将餃子とシャンパンを一杯。 昼間から飲んで眠くなり、ちょっと寝床に横になろうかな、と思ったら、 また 3 時間近く寝てしまった。 これではいかん、と換気扇の掃除をする。 最近の洗剤は優秀だが、それでもけっこう大変だった。 夕食は、キムチ肉豆腐。ヱビスビール。 肉豆腐のあとのだしで雑炊。

「歴史 (上)」(ヘロドトス著/松平千秋訳/岩波文庫) の最初のあたりに、賢人ソロン、クロイソス王、キュロス王の有名な話が出てくる。 確か、N.N.タレブの「まぐれ」にも象徴的に紹介されていた。 クロイソス王が権勢の頂点にあって世界中の富を手中にしていたときに、 賢人ソロンを招いて、世界一幸福なのは誰だと思うか? と尋ねる話だ。 もちろん、自分が世界一仕合せな人間だと思っての質問である。 ソロンが彼の名前を一番目にも二番目にも挙げないのに苛立ち、 この王こそは幸福だと思わないのか、と訊く。 ソロンは、人間の一生およそ七十年、 二万六千二百五十日に同じ日は一日たりともないこと、 未来のことは何も分からないこと、そして、 幸福とは何であるか、幸福と幸運はどう違うかを語る。 王はソロンを馬鹿者だと思って追い返す。 しかし、このずっと後にクロイソスはペルシアを攻めて逆に捕えられ、 キュロス王に薪の上に縛りつけられて火をつけられたところで、 ソロンの言葉の意味を悟る、という話である。 歴史の父、とも呼ばれるヘロドトスだが、 今の歴史の本とは違って、 こんな説話や真偽の怪しい伝説が豊富に含まれていて面白い。