2009年6月6日土曜日

すべて僕に任せてください

8 時起床。珈琲とトーストの朝食。 家計簿をつけたり、掃除機がけをしたりの雑用のあと、読書をしたり、 不等式関係の練習問題を解いたり。 昼食は豚肉と野菜の炒麺。昼風呂に入って、そのあと昼寝。 今週は身体がかなり疲れているな、と感じていたので、 今日は休み放題。ついでに、普段は週に一日のところ、 今日、明日と二日間、アルコールを抜くことにした。 二時間近くも寝てしまった。夕食まで読書など。

今日の読書。「すべて僕に任せてください」(今野浩/新潮社)。
数理ファイナンスの研究拠点の一つ、 東京工業大学の理財工学センターを著者と共に作った某「天才助教授」の半生を元同僚が書いたもの。 私もちょこっとだけ数理ファイナンスの業界に爪先を突っ込んでいた(多分、過去形)ので、 生々しくてなかなか面白かった。 「きらめく才能はこうして削り取られていく」という帯の文句が痛々しい。 こういう大学理工系教員の激務は激しく偏在しているので、 実際、週に数時間くらいしか仕事をしない人もいれば(しかも年に30週だけ)、 一方では、講義にゼミに会議に学内行政に学会や研究会の世話役に実験に研究に、 あれにこれにあれにこれに、 と、いつ過労死しても不思議ないような人もいる。 この本によれば、大体一年 3500 時間以上働くあたりからが、 大学人としては「忙しい」とされるようだ(でも、給料はほぼ同じ)。 この物語の主人公が最後に倒れた 2002 年の 3 月上旬は、 R 大学の数理ファイナンス国際シンポジウム開催中で、 「白川倒れる」のニュースが飛び込んできたのを覚えている。 多くの人に衝撃を与えていたようで、 実際、シンポジウムを切り上げて東京に帰った参加者もいた。 そしてその月の間に、亡くなったのである。死因は全身に転移した癌だったらしい。 このセンターの看板としてIBMから引き抜かれた N 宮先生 (この本にも実名でちょっとだけ顔を出す)とか、 私の元同僚の A 堀先生とかも、身体には重々気をつけていただきたいものだ。 私の大学教員生活は非常に暇な上に楽しいことばかりだったが、 この二人はまさに VIP なので、いつも大変そうで、 大学と離れた私は時折遠い空からご心配申しあげている。 やっぱり A 堀先生のお誕生会、京都まで出張して参加すべきかも?

夕食は御飯を炊いて小鮎飴炊き、しらす、梅干しなどと味噌汁で、清く貧しく美しく済ませる。 夜は、ルイス・キャロルこと C.L.ドジソン (ドッドソン、のような発音が正しいらしい)のパンフレット読み、 をしようかな、と思ったが、過労で倒れないように明日にまわすことにした。