2011年5月23日月曜日

中途半端な仕事

確か、ポール・グラハムの言葉だと思うのだが、 素晴しいハッカーになる方法は、 「退屈な仕事は一切しない、その代わり、 仕事をするなら絶対に中途半端なことはしない」 と自分と契約することなのだそうだ。 これこそ言うは易く行うに難し、 会社勤めでもフリーでも、これを実行できる技術者はほとんどいないだろう。 お金の問題とか、雇用を失うとか、そういうこともあるけれど、 私が思うに、一番難しいのはそこではない。

最近、私自身がデザインしたある仕様の実装を頼まれたのだが、 ただ面倒なだけの仕事に思えたので、その場で断った。 (忙しいからではない。私は基本的にいつでも暇だ。 暇なことが自分の仕事だとさえ思っている。) しかし、今日でもまだ少し、気になってしまう。 その断り方が、「そんなことをこの僕にさせるつもりか」 という雰囲気を漂わせていたような気がして。 おそらく、気になってしまう最大の理由は、 「引き受けたら絶対に中途半端な仕事はしない」 というところに自信がないからだと思う。 面白くない仕事はしない、と一点の曇りもなく言い切るには、 もし引き受けたら自分の仕事は完璧だ、 という自信がなくてはならない。 どんな簡単な仕事でも、絶対に中途半端な仕事をしない、 というレベルはとても高い。 そのハードルがものすごく高いのだ。

明日の夜は会食の予定がありますので、定刻に更新されないかも知れません。