2011年5月18日水曜日

ブラック・スワン

六本木ヒルズで「ブラック・スワン」を観る( 公式サイト )。 黒い白鳥と言っても N.N.タレブではなくて、 ナタリー・ポートマンがアカデミー賞、 ゴールデン・グローブ賞などで主演女優賞を受賞した映画の方。 ポートマンが怖過ぎる。 「レオン」であんなに可愛かった女の子がこんなことに。 ついでに言えば、ちょい役のウィノナ・ライダーも怖過ぎる。 「ビートルジュース」や「シザーハンズ」 であんなに可愛かった女の子がこんなことに。 映画は異様なまでに濃密な素晴しい出来栄えだったが、 バレエをやっている女の子は心を傷めるから観ない方が良いと思う。 実際、今日も劇場には、 歩き方とファッションからしてダンサーだな、 と一見して分かる女の子がちらほらいたが、 映画が終わったあと表情がこわばって、歩き方まで変になっていた。

それで思い出したのだが、 昔、私がまだ若くて、何故か美女に限ってはもてもてだった頃 (思えば、あれがきっと人生最後の三度目モテ期だったのだろう)、 そんな美女の一人と「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」 を渋谷の映画館に観に行った。 イギリスが誇る悲劇の天才チェリスト、 デュ・プレを題材にした伝記的な映画である。 エミリー・ワトソンの壮絶な演技の評価が高かった。 この映画も「ブラック・スワン」に匹敵するか、それをも凌ぐ、 濃密で心に痛い映画で、特に表現者の心に悪い。 観ている途中から嫌な予感がしたのだが、 映画が終わったあと、彼女は軽い貧血を起こしていた。 「吐きそう」と言う彼女を連れて、 渋谷の雑踏の中、静かな喫茶店を探すのが大変だった。

「ブラック・スワン」の方は母娘もの、「デュ・プレ」の方は姉妹もの、 という背景もあるので、 そのあたりにもミートしそうな女性は、なお注意されたい。 ただ、どちらの映画も、 日常から二時間を割いて観るに十分に値することは、保証できると思う。