2010年10月31日日曜日

パスカルの間違い

10 時過ぎまで寝てしまった。 身体が冬眠しようとしているに違いない。 珈琲、ヨーグルト、ブルーベリーの朝食。 洗濯などの家事をしているうちに昼。 昼食はしめじとベーコンのアーリオオーリオ。 午後は 「森を抜ける道」(C.デクスター著/大庭忠男訳/ハヤカワ・ミステリ) を読んだり、おかずを作りおきしたり。 だしをひいて、高野豆腐、切干し大根など。 夕方、読了。モース主任警部が酒好きで意地悪でインテリで中年なのに、 けっこう女性にもてるところがいい。 夕食はまたキムチ鍋。あとは饂飩にしてみた。 剣菱を五勺ほど。

「世界を変えた手紙」 のような一般向け科学書の難しいところは、 普通の人に読んでもらうには内容が専門的過ぎず、 科学好きの方に読んでもらうには内容が平凡過ぎない、 というバランスである。 今回の「世界を変えた手紙」も歴史がテーマであるとは言え、 おそらく数学的内容については、 一般の方にはちょっと難易度が高く、 こういう本を良く読む数学好きの方やプロには既に知った話が多いかも知れない。 そこで訳者の工夫として、訳注で補足とつっこんだコメントの両方を加え、 また、紹介される歴史的文献へのアクセスを整理したりしてみた。

それでも数学好きな方にとっては、ちょっと物足りなかったかも知れない。 そういう方に、私からおまけのパズルを一つ。 このパスカルからフェルマーへの手紙の中で、 パスカルは「未完のゲームの問題(得点の問題)」 の三人バージョンを考え、間違った答を出している(第6章「ひどい混乱」参照)。 フェルマーの次の手紙ではこの間違いに対して、 「自明」なので説明するまでもない、としか書いていない。 そこで問題。 パスカルのこの「自明」な間違いの所在を指摘して、 フェルマーの方法で正しい答を導いて下さい。 実際、ここが書簡の最も精妙なポイントなのだが、 主題からすればディテイルに過ぎるからか、自身も「自明」だと思ったのか、 著者デブリンは解説していない。 私も(迷ったのだが)あえて訳注をつけなかった。 数学あるいは確率論のプロの方は、 天才パスカルともあろう者がどうしてこんな間違いをしたのか、 確率的思考の歴史から考察してみるのも面白いかと思います。