2010年5月23日日曜日

宝くじと第一子効果

7 時半くらいに目が覚めた。寝床で、 「非才!」(M.サイド著/山形浩生・守岡桜訳/柏書房) を読了してから起床。 今朝は雨。珈琲、トーストの朝食。 いつものようにインタネットでニュースを読んでいたら、 大変に味わい深い街角インタヴュの記事を見つけた。
「無駄な支出は改められるべきだが、買わないと当たらないと思い続けて30年。 当たらないのはわかってるが、なくなると夢が1つなくなってしまう」(東京都江戸川区会社員、55 歳男性)。
「宝くじを買うためにお金をためていたこともあるぐらいなのに。信じられない。 宝くじを削るぐらいならほかのことを削ってくださいと言いたい」(東京都私立大学四年生、22 歳女性)。

これは、ジョークなのだろうか……、それとも新聞編集者の悪意だろうか。 いや、人間に対するとても深い洞察を与えているかも知れない。 どうして人々は宝くじを買うことを「夢を買う」と呼ぶのだろうか、 実際は「夢を売り渡している」のに……、 などとしばらく考えてから、午前中は翻訳の索引作り。 取り敢えず、宝くじは算数が苦手な人への税金(罰金?)だ、 という言葉は名言のようだ。 昼食はキャベツとアンチョビのパスタ。白ワインを一杯だけ。 食後に昼寝。ちょっとのつもりだったが、実際はまた 3 時間くらい寝てしまった。 そのあと翻訳の索引作りの作業。

18 時から NHK 教育でサンデル教授の講義を観る。 ハーバードの学生たちに「この中に第一子はどれくらいいるか」と手を挙げさせて (7割くらいそうだったようだ)、 第一子に偶然生まれることの不公平な有利さに注目させていた。 しかし、これはちょっと適切でない。 そのあたりの公園で調べても 7 割くらいは第一子かも知れないので、 第一子が特に有利であることの調査にはなっていない。 特に一人っ子の場合に自動的に第一子になることの効果が大きいし、 他にも色んな効果がごっちゃになっている。 これを補正するのはかなり難しい統計学的問題で、 ラオの「統計学とは何か」(C.R.ラオ著/藤越康祝・柳井春夫・田栗正章訳/ちくま学芸文庫) でも議論されていたと思う。 実際、第一子として生まれることや、 長男として生まれることの有利さは存在するようなので、 めくじらを立てることではないが。

夕食は回鍋肉、卵炒飯、もやしのナムル、豚でだしをとった葱と生姜のスープ。 赤ワインを一杯だけ。