中秋の名月の日、お月見に御所に行く。 真夜中に京都御所の中の芝生に蓙を広げ、 男一人で美女たちに囲まれ、お茶と御萩をいただきながら満月を見る。 初老と呼ばれる年まで生きていると、こう言う良いこともあるんだなあ。 長生きはするもんじゃ。
勿論、本当の御所、つまり建礼門の中に入れるわけではないが、 その外側の敷地は昼も夜も入り放題で、 昼間は単なる近道として通り抜けする人も多い。 夜は流石にほとんど人はいない。 中は手入れの行き届いた、広々とした公園のようで、 いつでもひっそりとしていて、清らかな雰囲気。 こんなにオープンにしていても不届き者がいないのは、 流石に今の日本人にも神道が刷り込まれていて、 ここで失礼なことをするのは何かまずい気がする、と思うのだろう。
ちなみに、このお月見にあたって、事前に御所に連絡を入れたところ、 宮内庁から こころよく許可していただいた、とのことである。 ひっそりと、おとなしく、月を見ているくらいならば問題ないようです。