今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。
マスタプログラマはかく言われた。
「君が去るべき時が来た」
「プログラミングのタオ」 第9の書「結語」、9-0章
--- Silent Life of Dr. Hara, II
``The initial mystery that attends each journey is:
how could the traveller reach his starting point
in the first place."
(「全ての旅にまつわる最初の謎:
その旅人はそもそもどうやって出発点に辿りついたのか」)
ルイーズ・ボーガン(詩人)、訳文は原による。
今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。
マスタプログラマはかく言われた。
「君が去るべき時が来た」
「プログラミングのタオ」 第9の書「結語」、9-0章
今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。
新米が師に尋ねた。 「一つのコンピュータ会社がその他の全部をあわせたより大きいようです。 その会社は小人の国の巨人のように競争者の上を遥かに抜きん出ています。 そのどの部署の一つも業界を形作れるようです。どうしてなのですか?」
師は答えた。 「どうして君はそんな馬鹿な質問をするのかね? その会社は大きいが故に大きいのだよ。 もしその会社がハードウェアしか作っていなかったら、誰もそれを買わないだろう。 もしソフトウェアしか作っていなかったら、誰もそれを使わないだろう。 もしシステムの保守をしているだけだったら、人々は召使のように扱うだろう。 しかし、その会社はこれら全てを合わせ持っているのだから、 人々は神のように思うのさ! その会社は戦おうとしないことで、何の苦もなく征服するのだね」。
「プログラミングのタオ」 第8の書「ハードウェアとソフトウェア」、8-1章
今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。
良い農夫が自分の植えた作物を放置するだろうか?
良い教師がもっとも目立たない生徒とは言え見逃すだろうか?
良い父親が一人の子供でも飢えさせることがあろうか?
良いプログラマが自身のコードのメンテナンスを断るだろうか?
「プログラミングのタオ」 第5の書「メンテナンス」、5-4章
今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。
ワン王子のプログラマがソフトウェアのプログラミングをしていた。 彼の指先がキーボードの上で踊った。 プログラムは一つのエラーもなくコンパイルされ、 そのプログラムは優しい風のように動作した。
「素晴しい!」とワン王子は叫んだ。「おぬしの技術は完璧だ」。
「技術?」と言って、プログラマは彼の端末から振り返った。 「私が従っているのはタオ、すべての技術を越えたところにあるものです。 私がプログラミングを始めたときは、 プログラム全体を一つの塊として眼前に見ておりました。 三年後、私はもはやこの塊を見ませんでした。 代わりに、私はサブルーチンを使いました。 しかし今、私は何も見ません。全ての存在が形を持たない空虚としてあるのです。 私の感覚は何もせず遊んでいるだけです。
私の精神は、計画なしに思うままに働き、その性質そのものに従います。 簡単に言えば、私のプログラムが自らそれ自身を書くのです。 確かに、ときには困難があります。私は困難に出会うと、 ペースを落として、静かに観察します。 そして、私がプログラムの一行を書き換えると、 困難は漂っていた一吹きの煙のように消え失せます。 そして私はプログラムをコンパイルします。 私は静かに座り、仕事の喜びが私の存在を満すにまかせます。 私はしばらく目を閉じてから、そしてログオフするのです」。
「私のプログラマたちが皆、このように賢かったらなあ!」 とワン王子は言った。
「プログラミングのタオ」 第4の書「コーディング」、4-4章
今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。
マスタ・プログラマはかく言われた。
「三日間、プログラミングなしに過したら、 人生は無意味になる」。
「プログラミングのタオ」 第2の書「古の師たち」、2-0章
今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。
マスタ・プログラマはかく言われた。
「プログラマを多く、マネージャを少なく。 さすれば、全てが生産的になるであろう」。
「プログラミングのタオ」 第6の書「マネジメント」、6-0章
今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。
あるとき、一人の男がコンピュータのトレードショーにやって来た。 彼は毎日、会場に入る度に、入口の警備員にこう話した。
「私は大怪盗、特に万引の芸当で有名なのだ。 予告しておくが、このショーも略奪されずにはすまないだろうな」。
この宣言で警備員は大いに不安になった。 会場には何百万ドルものコンピュータ機器があったからである。 警備員はこの男を注意深く観察することにした。 しかし、その男は静かにハミングしながら、 ブースからブースへとぶらぶらするだけだった。
男が去るとき、警備員は彼を脇に呼び、服をチェックしたが、何も見つからなかった。
翌日のトレードショーに男はまたやって来て、警備員をたしなめてこう言った。 「昨日は大量の獲物をまんまと盗んでやったぞ。だが、今日はもっとだろう」。 これを聞いて、警備員はさらに綿密に観察し続けたが、何の甲斐もなかった。
トレードショーの最終日、警備員はもう好奇心を抑え切れなくなった。 「怪盗様、私は大変に悩んでいて、心穏かではいられません。 私の目をどうぞ啓いて下さい。あなたは何を盗んでいるのですか?」
男は微笑んだ。「私はアイデアを盗むのだよ」。
「プログラミングのタオ」 第3の書「デザイン」、3-1章
久しぶりの現状確認。講義もゼミも年内はあと一回だけ。 いつものようにゼミはどれもあまり進まなかったけれど、 まあ勉強にはなっているし、よしとしておこう。 修士ゼミは新しいことはほとんど出来そうにないが、 難しい理論を理解してまとめた、 と言うことで修士論文として認めてもらえるだろう。 数学については、12 月上旬にオーストラリアの研究会で講演、 先週に年末大シンポのショートコミュニケーションで話させてもらい、 宣伝活動はまあまあ。 オーストラリアへの機内でちょっと閃いたことがあり、 久しぶりに数学が進展したかも。 MSJ-SI のプロシーディングの締切が一月中旬なのだが、 まだ手をつけていない。新しい内容を書くわけではないので、 年末年始の作業で間に合うと考えている。 プロジェクトR("Return of Dr.H.")は停止状態。 今年中か、新年早々に引越しの見積りをしてもらわないと。 プロジェクト「K」が再開。 二回目の校正中。来年二月に出版されるらしいが、 編集者の言うことなので、予定は未定。
今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。
不可思議なことが形を成し、 静かなる空虚の中に生まれた。 ただ独り待ち、動かず、ただちに止まり、 しかし常に動いている。 それは全てのプログラムの源泉(ソース)である。 私はその名前を知らないので、 プログラミングのタオと呼ぶことにしよう。
もしタオが偉大ならば、オペレーティング・システムは偉大である。 もしオペレーティング・システムが偉大ならば、コンパイラは偉大である。 もしコンパイラが偉大ならば、アプリケーションは偉大である。 ユーザは喜び、世界は調和する。
プログラミングのタオは遥か彼方に流れ、 朝の風に乗って帰る。
「プログラミングのタオ」 第1の書「静かなる空虚」、1-1章
今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。
マスタ・プログラマはかく言われた。
「風なくして、草動かず。 ソフトウェアなくして、ハードウェア無用なり」
「プログラミングのタオ」 第8の書「ハードウェアとソフトウェア」、8-0章
今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。
マネージャがプログラマたちのところに来て、こう話した。 「君達の労働時間の件だ。 君達は朝 9 時に来て、午後 5 時に帰ることになった」。 これを聞いて皆は怒り、何人かはその場で辞職してしまった。
そこでマネージャは言った。 「分かった。プロジェクトが予定通りに終わる限りは、 君達が自分自身で仕事時間を決めていい」。 今度はプログラマたちは満足し、 昼頃やって来て、翌日の早朝まで働くようになった。
「プログラミングのタオ」 第6の書「マネジメント」、6-4章