今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。
象牙の塔の魔法使いが、 試験のため最新の発明をマスタ・プログラマのところに持ってきた。 魔法使いがマスタのオフィスに大きな黒い箱を運び込むのを、 マスタは静かに待った。
「これは集積的、分散的、多目的ワークステーションだ」 と魔法使いは説明を始めた。 「 プロプライエタリOSと、第六世代言語と、 多重芸術的ユーザ・インタフェースを装備し、 人間工学的に設計されている。 これを助手に構築させるのに数百人年かかったよ。 すごいだろう?」
マスタは眉をわずかに持ち上げ、 「たしかにすごい」と言った。
魔法使いはさらに続けた。 「会社の上層部が、みんながこのワークステーションを新しいプログラムの開発プラット フォームに使うよう指示したところなんだ。 賛成してくれるかい?」
「もちろん。これをすぐにデータセンタに運ぶことにしよう!」 とマスタは答えた。そして、魔法使いは上機嫌で、彼の塔に帰った。
数日後、新米がマスタ・プログラマのオフィスにやってきて言った。 「私の新しいプログラムのリストが見つからないんですけど、 どこにあるか心当たりがありませんか?」
マスタは答えた。 「ああ。そのリストならデータセンタのプラットフォームに積み上げられてる」。
「プログラミングのタオ」 第7の書「企業の知恵」、7-3章