今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。
あるとき、マイクロプロセッサの仕事をしているプログラマがいた。 彼は訪ねて来たメインフレームのプログラマにこう言った。 「ここで僕がどんなにうまくやってるか見て。 僕には自分自身のオペレーティング・システムとファイル保存デバイスがある。 それに、誰ともこのリソースを分けあわなくていいんだよ。 このソフトウェアは自己完結的で、使い易い。 どうして君は今の仕事を辞めて、ここで一緒に働かないんだい?」
メインフレームのプログラマはこの友人に彼のシステムについて話し始めた。 「メインフレームはデータセンタの霧の中で瞑想する古の聖人のように座っている。 そのディスク・ドライヴは機械の大海のように端から端までよこたわる。 そのソフトウェアはダイアモンドのように多面的で、 原始時代のジャングルのように入り組んでいる。
そのプログラムは一つ一つが独特で、 急流の川のようなシステムの中を動いていく。 それが、僕がそこで幸せにしている理由なんだ」
マイクロプロセッサのプログラマは、これを聞いて黙り込んだ。 しかし、この二人のプログラマはいつまでも、 友人のままでいましたとさ。
「プログラミングのタオ」 第8の書「ハードウェアとソフトウェア」、8-3章