2011年10月8日土曜日

推敲の鬼

ああ良く寝た。珈琲で目を覚ます。 朝食は朝カレー。手製の胡瓜のピクルスつき。 朝風呂に入って、湯船で "Dead Famous" (C.O'Connell 著/ Berkley Novel) を読み始める。マロリー・サーガの第七作目。 ちょっと寝台に横になったら、また二時間以上も寝てしまった。 目覚しの昼食(?)。ブルーベリージャムのホットサンドウィッチと紅茶。 午後はいつもの休日のように読書や、料理の仕込みなど。 茄子の煮浸し、玉葱のピクルスなどを作る。

夕食の支度。メインは蒸し鶏。朝から塩をしておいた腿肉を、生姜と葱の青いところを敷いて蒸す。 その間に冷たい高野豆腐の卵とじを食べながら待ち、 蒸しあがったところで蒸し鶏。 豆苗を添えて、レモンと醤油ベースのドレッシングで食す。 私は長い間、ドレッシングは既製品の方が美味しい、 特に「○ューピー」を侮るな、と主張していたのだが、 最近、悟るところがあって、上手に作れるようになった。 そのあと蒸し鶏で出た汁をのばして塩とレモンで味を整え、 乾麺の稲庭うどんを入れて温麺にする。

夜は私的プロジェクト関連の作業や、読書など。 「十蘭万華鏡」(久生十蘭著/河出文庫)より、「雲の小径」、「川波」を読む。 十蘭は推敲の鬼として知られていて、同じ話を何度も書き直している。 実際、この「川波」に出てくる、 世界大戦の開戦間際に女がドイツの船で、男がシベリア鉄道で、 別々にヨーロッパに向かってパリで逢引をしようとする、という別れ駆け落ちのモチーフ、 別の短篇で何度も読んだような気がする。 その度に全体のストーリィは違うのだが、このモチーフのところだけ、ぴったり同じ。 女の夫がロンドン勤めの名士だとか、 女の実家は 24 歳までに結婚するという掟がある名家だとか、 ディテイルが全く一致している。 お気に入りの材料であるが、この材料をどう料理するべきか、と何度も試したのだろう。