2012年3月31日土曜日

春の嵐/更新終了

また 10 時間くらい寝てしまった。 寝坊したので朝食は珈琲、苺、キウィ、ヨーグルトだけ。 午前中は自宅であれこれ事務仕事と、朝風呂。 湯船の読書は 「デス博士の島その他の物語」(ジーン・ウルフ著/浅倉久志・柳下毅一郎・伊藤典夫訳/国書刊行会)より 「アメリカの七夜」。

雨が降り出さない内に神保町に出て、 カツカレーの昼食でエネルギィを補給してから、明日からスタートする会社のオフィスで肉体労働。 「スーパー総務」こと H さんが昨夜の内に一人で運び込んでくれた荷物を開いて、図書整理など。 作業はすぐに終わったのだが、午後から外は嵐。 読書などして雨風がおさまるのを待ち、夕方帰る。 嵐が過ぎたら、外はまた冬のような冷たさ。 夕食は御飯を炊いて、だしを引き、鶏肉とエリンギの塩だれ丼、冷奴、キャベツ酢漬け、菠薐草と麩の味噌汁。 食後に葡萄を少しと八朔を一つ。

今日をもって "The Return of Dr.Hara" の更新を終了します。
本日付けで今の会社を退職して、明日から始動する小さな小さな新会社に移りますので、区切りの意味で。 明日からは、 "The Adventures of Dr.Hara" で日々のログを更新しますので、またご贔屓に。

2012年3月30日金曜日

懐中時計で角度を三等分する

最近、9時過ぎに眠くなって即、寝てしまう。 風邪もひいているし、旅の疲れが出ているのかも。 朝食は珈琲、果物類とヨーグルト、笹身の塩焼、納豆、御飯、菠薐草と豆腐の味噌汁。 うっかり御飯を切らせて、お弁当はやむなくお休み。 出社して、ときどき肉体労働。 昼食は近所の中華料理屋にて。 夕方から、また肉体労働を少々。 帰宅して、夕食の支度。 菠薐草とエリンギのパスタ、鶏肉のソテーに新じゃが添え。 大した仕事をしたわけでもなく遊んでいたようなものだが、 そんな自分にもお疲れさまの意味で、よなよなエールを一杯だけ。 食後に葡萄を少しと八朔を一つ。

ほとんどの記事は高度過ぎて面白さが分からない "Futility Closet" だが、 数学パズル系と簡単なチェスプロブレム以外にも時々、私のハートにぐっとくる記事が。 例えば最近の、 "Time and Motion". コンパスと定規だけでは任意の角度を三等分することはできない、 という作図の不可能性は良く知られているが、 「懐中時計があればできる」というお話。 正午から、12 時の位置と長針が与えられた角度をなすまで、じっと待つ。 (例えば、90 度を三等分したいなら、長針が 3 時のところに来るまで 15 分間待つ。 ま、実際に待たなくても、竜頭を回せばいいんだけれど。) すると、あら不思議、いや当然のことながら、短針の方は 12 時の位置から丁度、 長針がなす角度の 12 分の 1 だけ進んでいる。 よって、短針のなす角度を倍の倍すれば(これはコンパスと定規で可能)、 それが長針のなす角度の三等分角。 Leo Moser という人の 1947 年のアイデア(と言うよりもジョーク)らしい。

2012年3月29日木曜日

新じゃがバタ

昨夜あまりに早く寝過ぎて、まだ「ラジオ深夜便」が放送されているような時間に起きてしまった。 珈琲と果物で目を覚ましたあと、朝風呂に入ってから、和風朝食の支度。 朝食に作っただし巻の残り半分をお弁当にも入れて、出勤。 午前、午後とお仕事。夕方退社。

夕食は、新じゃがのじゃがバタと、笹身と菠薐草の黄色いスパゲティ(カレー風味)。 パスタ料理に手間をかけた割に、茹でただけの新じゃがバタの方が美味しかった。 料理なんてそんなもの。 食後に苺を少しと、八朔を一つ。 八朔と言っても、今ではこんな時期に食べられるんだなあ。 お風呂に入って、湯船で 「デス博士の島その他の物語」(ジーン・ウルフ著/浅倉久志・柳下毅一郎・伊藤典夫訳/国書刊行会) より「死の島の博士」を読む。

2012年3月28日水曜日

効率

昨夜、食べ過ぎたので、朝食は珈琲、キウィとヨーグルト。 出社して、午前中は昨日の続きの肉体労働。 昨日の夕方と今朝でほぼ完了。成果が目に見える仕事はいい。 今日は週の中日でお弁当はなし。 昼食は近所のインド料理屋にて、骨付き鶏肉とレバーのカレー、ナン、サフランライス、ヨーグルトのデザート。 昼休みに古書店で、 ジーン・ウルフの「新しい太陽の書」シリーズ四巻揃い(表紙が天野喜孝イラストの旧版) を買う。

午後はミーティングから。 そのあとは、Excel に記入して、それを印刷して、それに判子を押して、 それを次の判子を押す偉い人に社内便で送る(社内便は一日一便)、 みたいなどうでもいい仕事。と言うか、仕事ではない。 効率を追求することを何か貧しいことであるかのように言うのが世間では普通だが、 実は、効率を追求して最適化することの方が、豊かなんじゃないだろうか。 余計なウェイトや無駄な余裕を、何故に人は良いことだと思うのだろう……。 と、しばし考察できたのは、余計や余裕や非効率性のおかげでしょうか。

夕方定時に退社して、帰り道のスーパーと果物屋で果物を見てまわって、帰宅。 夕食は鯖を漬け焼きにして、新じゃがと隠元の味噌汁を作り、冷奴、キャベツの酢漬け、御飯。 食後に葡萄と八朔。 夜は 「デス博士の島その他の物語」(ジーン・ウルフ著/浅倉久志・柳下毅一郎・伊藤典夫訳/国書刊行会) より、「アイランド博士の死」を読んだり。

2012年3月27日火曜日

彼女は猫じゃない

5 時くらいに目が覚めてしまった。眠い。 果物とヨーグルトのあと、いつもの和風朝食。 お弁当を作り、朝風呂に入ってから、出勤。 18 日ぶりに出社。 私が休んでいる間に部署の再編に伴う引越しなどがあり、フロアもすっかり様変わりしていた。 午前午後とお仕事(主に肉体労働)。定時に退社して、 ネットワークハッカー N さんとの会食のため移動。

夜は N さんご贔屓のイタリア料理屋にて。 旅の間、猫と家の面倒を見てもらった御礼を兼ねて。 トスカーナのワインと料理をあれこれ。 こんな贅沢も今日を最後にして、明日からはまた、いや、なおさら、つつましく暮らさねば。 昨日も家の猫にシー○・デュオをごく少量与えながら、 「あまり贅沢するとカップケーキ巡査に逮捕されちゃうから」 と諭したところである。 (IE は使ったことがないけれども、 この IE 宣伝ヴィデオに出てくるブサイクな猫は可愛い。 "The browser you Loved to hate" from YouTube. しかし、MSFT には「猫に頼るな」と言いたい。)

2012年3月26日月曜日

死島博士と旅の思い出

8 時くらいまで寝てしまった。果物と紅茶。 朝風呂のあと、洗濯などの家事。 昼食は久しぶりにだしを引いて、切干し大根と若布の味噌汁、梅とおかかのおむすび。 昼寝。午後も掃除などの家事。 夕方になって近所のスーパーへ食材の買い出し。 果物が豊かな食卓っていいな、と旅先で思い、 果物コーナーであれこれ見てみるが、種類が圧倒的に少なくて、圧倒的に高い。 まあしようがないのだが、明日は通勤の通り道の成○石井と果物屋を覗いてみよう。 夕食のメインは生鯖。塩をして常温に戻してから焼き、 他に冷奴、キャベツの酢漬け、御飯、新じゃがと隠元の味噌汁。

「ケルベロス第五の首」(ジーン・ウルフ著/柳下毅一郎訳/国書刊行会)、読了。 書名と同タイトルの最初の短編が面白かった。 次は「デス博士の島その他の物語」(ジーン・ウルフ著/浅倉久志・柳下毅一郎・伊藤典夫訳/国書刊行会)。 これも中短編集だが、「デス博士の島」という物語とその他の物語ではなくて、 「デス博士の島その他の物語」という物語とその他の物語がまとめられている。 特に最初の三篇の題名は言葉遊びになっていて、翻訳ではそれが分かり難いが原題では、 "The Island of Doctor Death and Other Stories", "The Death of Dr.Island", "The Doctor of Death Island". 著者まえがきには「おまけ」として、 "The Death of the Island Doctor" というショートショートも含まれている。 3 の順列は 6 通りあるので、まだ続編が書けるのでは。

旅の思い出その一。 3 月 12 日。気仙沼から一ノ関までのローカル線で、某有名人の御一行と一緒の列車になった。 と言っても芸能人ではないので、乗客は特に反応もなく、あるいは気付いてもいなかった。 単線なので対向列車の遅れが波及してこちらも少し遅れたため、 一ノ関駅でその御方と並んで構内をダッシュ。 ちなみに「ほぼ日」の人。おそらく気仙沼で活動しておられるのだろう。

その二。ブキッ・ビンタン街にて。 路上のテーブルで箸で蠅を追いながら肉骨茶の椀から排骨を手づかみで食べていたら、 通りすがりの観光客らしき小綺麗な女の子に写真を撮られた。 あれが噂の写ガールだろうか。 変なタグを付けてソーシャルネットワークにアップロードされたりしていませんように。

2012年3月24日土曜日

今日は山口

今日は連休最後のイヴェントとして、山口県の山奥にて会食。

新幹線の車中の読書。 「ケルベロス第五の首」(ジーン・ウルフ著/柳下毅一郎訳/国書刊行会)の他、 "This will make you smarter" ed. by J. Brockman, "The information diet" by C. A. Johnson.

2012年3月22日木曜日

Full breakfast

In-Room Breakfast, which is listed as "American" on the menu, but was actually the full English breakfast with baked beans, characteristic sausages, grilled tomatoes, fried mushroom, etc. It's OK and rather comfortable.

It's difficult to spend much money on food outside the hotel. Several kinds of Laksa, Bak-Kut-The (肉骨茶), and local fruits are specially nice and quite cheap.

Readings: "This will make you smarter" ed. by J. Brockman, "The information diet" by C. A. Johnson.

2012年3月21日水曜日

After you

Everyday the weather forecast says "Rainy, 25-32 degrees C". But it's always sunny or cloudy. Walking to Taman KLCC, to Bukit Bintang town, or to Imbi Market. Readings: Japanese translation of "The city & the city" by China Miéville, "This will make you smarter" ed. by J.Brockman.

In the elevator, a gentleman asked me. "What do you think, why I let you go in first?" "Don' kno. Why?" "Because I'm afraid of Booby Traps! HAHAHA!" "... I see... It might be tZhe tLue meaningu of Ladies First." "Right! How are you?" "Good. How ar U?" "Perfect!", he said cheerfully. He must be American.

2012年3月19日月曜日

The city and the cities

The breakfast: coffee, orange juice, many kinds of strange fruits, a kind of Laksa (curry flavour noodle, maybe Malay or Nyonya?), and dim sum.

Walking around the city. It's hot, but not so much. The air is not good in the centre of the city. Sometimes reading (Japanese translation of "The city & the city" by China Miéville) at a cafe or stalls. Iced caffè latte, Nasi Lemak, etc.

The local foods are much mixtured by many cultures: Malay, Chinese, Indian, Islamic, Nyonya, etc. The city is also a "Crosshatch", i.e., a patchwork or a mozaic of many foreign cities, which are super modern, quite antique, high-tech, tropical, Western, or Eastern.

2012年3月18日日曜日

Kuala Lumpur

I arrived at Kuala Lumpur.

I saw a young man reading a book whose cover says 「台所」with the very large fonts. After a few seconds, I solved the little puzzle; that must be The novel by Banana, Y.

2012年3月17日土曜日

今日は東京、神田

今日は東京にいました。東京は雨。 久しぶりに会ったら猫がややツンデレになっていたような。 でもすぐにいつもの感じに戻った。 単に私を忘れていただけのような気がする。 「あんた、誰」ってフリではなくて、実は本当に「あんた、誰」 って思ってた、とか。

夕方から、神田の蕎麦屋にて会食。

2012年3月15日木曜日

昼は小樽、夜はススキノ

札幌にしばらく滞在中。今日は小樽まで鈍行で往復してみた。小樽港で氷点下の吹雪と深い緑色の海に心が洗われた。夜はススキノへ。鮨屋にて、近海もののあれこれ、地元の米と酒。

私は特に鉄道に興味がないのだが、小樽への車窓の風景はなかなか良かった。列車の旅は良いものだな、と。振り返ってみると、一ノ関と気仙沼との間の大船渡線も味わいがあった。二両だけのワンマン電車で、内装はどう見ても市バスなのだが、快速に「スーパードラゴン号」なんて名前がついているところも素敵。

2012年3月13日火曜日

今日は苫小牧

仙台から船に乗って苫小牧に着いた。

船の中で聞いた天気予報では、曇りのち晴れ、とのことだったが、港から雪が降り始めた。最高気温は1度らしい。港から路線バスで苫小牧駅へ。烈しく雪の降るホームで「北斗」を待つ。車中では駅弁のかにちらしと、"This Will Make You Smarter: New Scientific Concepts to Improve Your Thinking" (J.Brockman編/Harper Perennial)から一章。

2012年3月12日月曜日

今日は気仙沼

今日は気仙沼にいました。大船渡線の列車の中では、時折り車窓を眺めながら「レオナルド・ダ・ヴィンチの手記」(杉浦明平訳/岩波文庫)を読んだ。

夜、仙台港から船に乗る。

2012年3月11日日曜日

今日は仙台

今日は仙台にいました。夜は雪。雪ひらが雨のように速く降る。鮨屋にて宮城の酒と魚。

"This Will Make You Smarter: New Scientific Concepts to Improve Your Thinking"(J.Brockman 編/Harper Perennial), 「ゴールデン・パラシュート」(D.ハンドラー著/北沢あかね訳/講談社文庫)など。

2012年3月10日土曜日

今日は東京

今日は東京で、目刺しを焼いたり、出来合いのチキンカツをオーヴントースターで温め直したり、お風呂に入ったり、本を読んだりしていました。

2012年3月9日金曜日

休暇前夜

朝から雨。いつもの目刺し定食の朝食のあと出勤。今朝もツインテール祭りは続いていた。と言うより、3 月 9 日の今日が本番らしい(「語呂合わせか!」と、ようやく気付く)。出社して今日も粛々とお仕事。昼食は近くの鰻屋にて会食。そのあとすぐに幕張に移動し、事務用を片付ける。社員食堂で「千のプラトー」(ドゥルーズ&ガタリ著/河出文庫)を読みながら一服してから、再び神保町に戻る。夕方から、ベルギービール屋にてネットワークハッカー N 氏と会食。明日からの休暇の間の家と猫の世話を頼んだので、その打ち合わせも兼ねて。

明日から 17 日間の休暇をとります。その間、基本的に連絡はとれませんが、私信に限り、メイルや twitter のメッセージに応答するかも。また、休暇中、このページは不定期更新になります。通常リズムの更新に戻るのは、今月 26 日(月)の夜以降です。

2012年3月8日木曜日

青緑色の日

いつもの目刺し定食の朝食のあと、お弁当を作って出勤。私の通り道にある某所はこの頃、きゃりーぱみゅぱみゅが春の卒業生たちに「うぇるかみゅかみゅ」と呼びかけるポスター群でピンク色の雰囲気なのだが、今朝は何となく青緑色のムードの人が集まっている。なぜだろう。

と思いつつ出社。昼食は持参のお弁当。こぶちりめんじゃこ、昆布の佃煮、キャベツ酢漬け、うずら卵の燻製、御飯。午後も淡々と過して、夕方退社。青緑色に集まる人々が数十倍くらいに増えていて、朝の謎が解ける。初音ミクのコスプレをした、少女たちや妙齢の女性たちや妙齢の男性たちで芋の子を洗うかのようになった道をかきわけて何とか通り抜けた。中には普通のゴスロリの女の子たち(と妙齢の女性たち)もけっこういたようだが、初音ミクとゴスロリとは相性が良いのだろうか。そう思ってみると確かに初音ミクのファッションはゴスロリ風味なのかも。

いやあ、東京ちゅところはほんのこつおそろしかところたい、ばってん糸魚川越えた向こうはもう鬼とアヤカシば住むところじゃて婆ちゃんが言っとったのは嘘やなかったと、と思いつつ帰宅。夕食には、メインに出来合いの餃子を焼いて、溶き卵とえのき茸の中華風スープ、玉葱のレモンピクルスとキャベツの酢漬け。デザートにパン・オ・ショコラを一切れ。

2012年3月7日水曜日

背中に猫

昨夜あまりに早く寝過ぎたせいか 4 時に目覚めてしまった。寝床で読書していると、猫がドアの前でうるさい。私の目が覚めたことに敏感に気付き、起きているのならさっさと食事をサーヴしやがれ、あるいは寝室に入れろ、と要求しているらしい。しようがなく部屋に入れてやる。本を読んでいるうちに、猫を背中に乗せたまま二度寝してしまった。7 時起床。珈琲、バナナ、ヨーグルトと苺ジャムのあと、目刺し、納豆、キャベツの酢漬け、青葱の味噌汁、御飯の朝食をとって出勤。昨日の温かさがまだ残っているのか、空気がなまぬるい。

今日は水曜日なのでお弁当はなし。昼食は近所の鮨屋にて。今日は小鰭と干瓢が美味しかった。お鮨はその日に美味しかったものに対して、「やっぱり鮨は、小鰭と干瓢巻だよね」などと思うもので、また別の日には「鮨といったら縞鰺でしょ」なんて思う。でも、やっぱり穴子。いや、煮はま。いや、かすご。

昼休みの散歩に本屋を見て周る。「〜しなさい」とか「〜はやめなさい」とか命令形の本のタイトルが目立つようになったのは、いつ頃からだろうか。相変わらず増えこそすれ、減る気配はない。私もあやかって、「命令形タイトルの本を買うのはやめなさい」っていう自己実現本でも書こうかなあ。

夕方退社。夕食は鰤の漬け焼き、えのき茸のバター炒め、もろきゅう、切干し大根の味噌汁、御飯。

2012年3月6日火曜日

ダブル・ブラインド

今朝も雨。珈琲と果物、ヨーグルトなどで目を覚ましてから朝食の支度。目刺しを鉄網で焼く。他に納豆や、切干し大根と青葱の味噌汁など。手製のサンドウィッチを持って、雨の中を出勤。今朝の雨は温かい。出社して粛々とお仕事。急に事務仕事で忙しくなってきた。何だか気持ちが慌しくて、書き出せば小一時間でできそうなスクリプトに手をつける気がしない。夕方退社。外はやけに温かい。帰宅して夕食の支度。御飯を炊いて、だしを引き、鰤の照り焼き、きゃべつの酢漬け、えのき茸と青葱の味噌汁。

"Edge"というサイトが、毎年、著名な科学者などに質問をする企画があって、昨年は「全ての人の認識方法を改善するだろう科学概念は?」だったのだが、進化生物学者の R.ドーキンスが「二重盲検法」と答えていて、ちょっと感心した(ドーキンスの回答(英文))。二重盲検法とは、実験者と被験者の両方ともが実験対象の性質を知らないままに実験を行う手続きのことである。例えば、ある新薬の効果を人体実験で試すときに、被験者が「こちらが新薬だ」と知っていたら、そう思うだけでその薬が効いてしまったり(「プラセボ効果」)、何かしら結果に影響を与えるかも知れない。また、実験する側も「こちらが新薬だ」と知っていると、そのことが何らかの理由で実験結果や判断に影響を与えてしまうかも知れない。二重盲検法はランダム化などによってこの情報を覆い隠し、両方のバイアスを取り除く。

私は人類の未来に楽観的だが、ドーキンスほどには人間の知性を信じていない。彼の言うように二重盲検法が人々の常識となることによって、「我々はより広く批判的、懐疑的に考える習慣を身につけ、認知的な思考方法が改善されるばかりか、世界を救うだろう」、とまでは流石に思えない。どちらかと言えば、たとえ小学校から全ての人に二重盲検法を教えても、相変わらず人々は占いやおみくじや迷信に夢中で、何かを拝んだり、崇めたりして、自ら不自由に留まり、互いに苛めあい、殺しあっている可能性の方が高いとは思う。それにもかかわらず、ドーキンスの発想は面白いし、おそらく、深い。例えば、日本人の全員が二重盲検法に通じていたら、この一年間はどうだったろう。

2012年3月5日月曜日

雨の月曜日

朝から冷たい雨。レモンティと果物で目を覚ましてから朝食の支度。鯵のひらき、もろきゅう、納豆、切干し大根と麩の味噌汁。お弁当のサンドウィッチを作って出勤。出社して粛々とお仕事。昼食は持参のチーズと胡瓜、卵と胡瓜のサンドウィッチ。夕方退社。外はまだ雨。帰宅して夕食の支度。出来合いの餃子を焼き、キャベツの炒めもの、溶き卵と青葱とえのき茸の中華風スープ。夜は残りのキャベツをザウアークラウト風の漬物にしたりの仕込み作業。

昨日の、地下室のランプの問題の解答。ヒントとして「白熱電球」と強調したので、易し過ぎたかも。地下室で明かりが点いているかどうか確認するだけでは「あれかこれか」しか分からないのに、スイッチは三つある。よって、それ以外の情報を何か得ない限り、問題は解決しない。答の一つとしては、まずスイッチ1をしばらくオンにしておいてから切り、続けてスイッチ2をオンにして、地下室に行く。もし、ランプが点いていればスイッチ2、ランプが点いていなくて、かつ電球を触って温かければスイッチ1、電球が冷たいままならスイッチ3がランプにつながっている。

その他の気の効いた別解としては、スイッチ1をオンしてから数ヶ月ほど待ち、スイッチ2をオンにして地下室に行く。電球が寿命で切れていたら、スイッチ1がランプにつながっている。いや、昔の電球というものはだね、寿命でフィラメントが焼き切れて、電球の中でその焼き切れたものがさらさらと音を立てるので分かったものなんじゃよ、若者たち。

2012年3月4日日曜日

地下室のランプの問題

「古楽の楽しみ」を聴きつつ珈琲を入れる朝。リクエスト特集の日曜日は「定番」に流れ過ぎる傾向があるなあ……それはそれで週に一日くらい良いものだが。バナナ、オリーヴ入りのパン、茹で卵などの簡単な朝食。朝風呂に入って、湯船で「マレー蘭印紀行」(金子光晴著/中公文庫)を読む。午前中は洗濯などの家事やあれこれ。昼食はカレーライス、キャベツの千切り、ペールエールを一本。しばらく昼寝をしてから、午後も家事三昧。掃除機がけ、トイレ掃除、玄関の掃除、エトセトラ。夕食の支度の時間。メインはハンバーグの残りだったのだが、急に何だか足下が冷えてきたので、おかしな食べ合わせだが味噌煮込みうどんを追加してしまった。

重い話が続いたので、お口直しにお気楽なパズルを一つ。P.Winkler によれば、このパズルはかなり前に大流行したらしいが、私は知らなかった。
地下室に続く階段の扉の前に、三つのスイッチがある。このうちの一つは地下室の中の白熱電球ランプにつながっている。残りの二つは完全なダミーで何にもつながっていない。しかし、貴方はどれが本物のスイッチか知らない。残念ながら、スイッチの場所から地下室の明かりを確認することはできない。ここで問題。スイッチをどうにかしてから一回だけ地下室を訪れることで、どれが電灯のスイッチかをつきとめたい。さて、どうすればよいでしょう?

2012年3月3日土曜日

もっと眠れる美女の問題(解答)

今朝もけっこう寒い。 珈琲、ヨーグルトと苺ジャムで目を覚ましたあと、 昨日にアートショップで買った 「フェルメールの食卓 暮らしとレシピ」(林綾野著/講談社)より、 目玉焼きのせチーズトーストを作ってみた。 朝風呂に入ってちょっとゆっくりしてから、 地元の公立図書館に借りていた 「レオナルド・ダ・ヴィンチ 神々の復活(上・下)」(メレシコーフスキイ著/米川正夫訳/河出書房新社) を返却に行く。昨夜、読了。 昼食は鯵のひらきを焼いて、他にキャベツの炒めもの、納豆、長葱の味噌汁、御飯。 午後は神保町に出て、ミーティング。 そのメンバで夕食はタイ鍋料理屋にて。

一昨日昨日 の「眠れる美女の問題」の解答(?)。
先にお断わりさせていただく。今のところこの問題に正答はないし、今後もおそらくない。 実際、現在も主に哲学の方面で議論が続いている。 数学や数学的確率論に詳しい方々は、まさに今、 「何を言っているんだ、1/3 に決まってるじゃないか。やっぱり文系の人間は馬鹿ばかりだな」 と思ったかも知れないが、まあ、そうでもないから、もう少しお付き合いいただきたい。 少なくとも、数学を適用する側が客観性というものをあまりにナイーヴにとらえていると、 そこに潜む哲学的、意思決定論的、宇宙論的、量子力学的、 エトセトラの重要な論点を見逃すかも知れない。

純粋に数学的確率論の立場から言えば、 この問題は「表が出て、今は月曜の朝」、「裏が出て、今は月曜の朝」、「裏が出て、今は火曜の朝」 の三つの事象にどう確率を割り振るかという問題に過ぎない。 そして、この三つに同じ確率を与えることが、 客観的視点から全てのありうる可能性を公平に数えるという意味で正しい。 さらに、応用的確率論の立場からすれば、 この実験を何度も繰り返したとき、コイン投げの結果が表であった割合が 1/3 に収束する以上は、 本来の一回切りの実験の問題の答も 1/3 でしかありえない。 確かに、「すごく眠れる美女の問題」のように極端なケースを考えると、 ほぼ確実に裏が出た、という一見は直観に反する判断をすることになるし、 さらにこれを敷衍すると、かなり強い形の「人間原理」 ("Anthropic Principle")を認めることにもなりかねない。 しかし、(私も含めて)多くの数学者は 「だからどうした。その通りだ。以上、マル。他に考えたい(もっと大事な)問題があるから失敬。じゃ」 と答えるかも知れない。 「いや、ちょっと待って。だと、輪廻転生も認めるわけ? 輪廻転生が正しい確率の方が無限に高いわけ?」 「ああ、そうそう。その通り。じゃ、多変数複素解析学の講義に遅れるから」。

しかし一方で、もう少し注意深く考えてみれば、 これは数学的な確率論の枠組みがうまく設定できないタイプの問題であることも分かる。 問題は、コイン投げの結果によって「コイン投げで表が出た世界」と「裏が出た世界」 に分かれる一方、それに対して歪んだ形で、 忘れ薬を飲むことにより「月曜日の美女」と「火曜日の美女」 に被験者自身が重複化されることである。 そのため、「同様に確からしい」事象群を設定しようとすると、 (被験者自身の推論において)仮想的な被験者を勘定に入れるか入れないかの選択肢が生じ、 どちらも立脚点としては弱く、問題で設定されたねじれにフィットしない。 念のため繰り返すと、 全ての可能な世界に渡って勘定するのが通常は正しい確率計算の手続きなので、 おそらく数学者には「1/3 説」が強くアピールするのだが、 他ならぬ「私(被験者、美女)」自身も重複化されるため、 主観的な、あるいは客観性が曖昧な状況での、確率判断としては必ずしも正しくない。

そして、ここから生じる矛盾を端的にえぐり出すために、 本来の「眠れる美女の問題」を微妙に変形した数々の問題が知られている。 例えば、日曜日の夜に行うコイン投げは、月曜日の質問の後に行っても同じように思われる (昨日今日とこの問題を深く考えて下さった方にも、この指摘は衝撃的なのではないだろうか)。 また、忘れ薬を飲む代わりに、被験者をコピーして 「美女の生霊」を生成することにしても同じように思われる。 また、コイン投げをやめて、 単に「表の週」と「裏の週」を交代に繰り返すことにしても同じように思われる。 また、コイン投げの代わりに「シュレディンガーの猫」実験を用いて 「シュレディンガーの眠れる猫美女」はどうなのか……。

「眠れる美女の問題」 ("Sleeping Beauty Problem") は、1990 年代あたりに端を発し、 そのあと A.Elga (2000) が「1/3 説」の立場で、 D.Lewis (2001)が「1/2 説」の立場でそれぞれの論文を発表して両陣営の論争が始まり、 その後、今までの十年間に(主に哲学の分野で)多くの研究論文が書かれている。 特に熱心に研究を続けているのは、Oxford 大学の N.Bostrom で、 人間原理バイアスと確率論の関係についての著書 "Anthropic Bias - Observation Selection Effects in Science and Philosophy" がある。 この本はBostrom のホームページからたどって、 pdf の形で無料で読むことができる。 なお、昨日に挙げた「すごく眠れる美女の問題」は Bostrom の ”Sleeping Beauty and Self-Location: A Hybrid Model”. Synthese, 157(1), 59-78 (2007) で提出された変形問題の一つである。 私自身は Bostrom の議論に納得していないが、 この論文には沢山の変形問題が出ていて面白い。

2012年3月2日金曜日

すごく眠れる美女の問題

また急に気温が下がったせいだろうか、ちょっと寝坊してしまった。 慌てて珈琲、バナナ、ヨーグルトと苺ジャムだけの朝食をとり、 超適当なお弁当を作って出勤。 夕方定時に退社して、近所のカレー屋で夕食をとり、渋谷へ。 夜は Bunkamura にて 「フェルメールからのラブレター展」 を観に行く。

昨日の「眠れる美女の問題」 の解答、と言うより解説。
今日のところは、有力な答の候補として「3 分の 1」と「2 分の 1」の二つの主張を紹介する。 さて、どちらが正しいでしょう。または、正解は別にあるのでしょうか。

ではまず、「3 分の 1」説から。 一言で言えば、眠れる美女が目覚めて質問を受けた時点で、 「表が出て、今日は月曜日」、「裏が出て、今日は月曜日」、「裏が出て、今日は火曜日」 の三つの可能性があり、これらは彼女にとって「同様に確からしい」からである。 もしコイン投げの結果が裏ならば、 彼女は月曜の質問のあとにその記憶を完全に失うので、 月曜の目覚めと火曜の目覚めは全く同じであり、確率も等しい。 また、月曜日の目覚めの時点において、 昨夜のコイン投げで表と裏が出た確率が等しい、ということも正しいだろう。 実際、眠れる美女が月曜に目覚めた時点で、私が「今は月曜日の朝です」 と教えてから質問をしたと想像してみればよい。 以上の二つを認めれば、単純な算数で、上の三つの可能性の確率は等しい。 よって、確率は 3 分の 1 でなければならない。

一方の「2 分の 1」説。 美女が日曜日に眠りについた時点では、 彼女はコイン投げの結果について表が出る見込みは 2 分の 1 と判断するはずだ (コインは公平であるという事実に基いて)。 そして、今、眠りから目覚めた時点において、 彼女は日曜日の夜より何ら新たな情報を持っていない。 月曜の朝なら昨夜から寝ていただけだから何も知らないし、 火曜の朝なら昨日の記憶は失っているのでやはり何も知らない。 したがって、表が出た見込みは彼女にとって 2 分の 1 のままでなければならない。 上の「3 分の 1」説の誤ちは、 今日が月曜日であるときに表と裏が出た確率を同じとしたところにあり、 実際は、表の確率は 2/3 である。 なぜ、1/2 より多いかと言えば、 「今日は月曜日」という情報を得た分である……

しかし、「3 分の 1」説からすれば、 美女が日曜日の眠りにつく時点で、いや実験の内容を承知した時点ですら、 「3 分の 1」と(未来の自分は)判断するべきだ、ということになり、 「2 分の 1」説の論拠自体が既におかしい。 実際、この実験を何回も、例えば千回繰り返してみたらどうか。 千回のうち 500 回ずつ表と裏が出る、と単純化してよいだろう。 裏が出た 500 回では美女は月曜と火曜の両方で質問を受けるので、 最初に挙げた三つの可能性が 500 回ずつ合計で 1500 回起こることになり、 そのうち、表が出たのは 500 回である。 貴女が毎回賭けをするならば、表が出る確率は 1/3 と判断するべきではないのか……

もう一日、悩んでいただくために、 さらに実験を極端にして、「すごく眠れる美女の問題」を考えてみよう。 この実験の条件は上とほぼ同じだが唯一の違いとして、 コイン投げで裏が出た場合に月曜と火曜の二日だけではなくて、 百万日の間、実験が続けられる (眠れる美女は睡眠と忘却のおかげで歳をとらない)。 美女は毎回、質問のあとに薬を飲んでその日のことを忘れるので、 目が覚めた時点では常にそれが何日目なのか、 はたまた、表が出て、ただ一回だけの月曜日なのか、分からない。 この場合、「3 分の 1」説ならば、表が出た確率は 100 万分の 1 以下になる。 これは何だかおかしい。 一方で「2 分の 1」説ならば、 今日が月曜日だと知ったときには、表が出た確率は裏より 100 万倍ほど高いと判断しなければならない。 これも何だかおかしい。 さらなる解説は明日に続く。

2012年3月1日木曜日

眠れる美女の問題

6 時に起床。 猫のそっけなさからして、今朝は温かいのだな。 珈琲、自家製の苺ジャムとヨーグルト、バナナ、 ハムエッグ、玉葱のピクルス、オリーヴ入りのパン。 朝食のあと、お弁当用のサンドウィッチを作って、出勤。 人はパンのみにて生くものにあらず、されどまたパンなくして人は生くものにあらず。 「貧乏物語」(河上肇著/岩波文庫)より。 昼食は持参のお弁当。チーズと胡瓜、ハムと胡瓜のサンドウィッチ。 昼休憩にハンドラーの新刊「ゴールデン・パラシュート」(D.ハンドラー著/北沢あかね訳/講談社文庫) を買った。 夕方、定時に退社。 夕食は御飯を炊いて、ハンバーグ、千切りきゃべつの炒めもの、 干し大根と干し人参のお味噌汁。食後に紅茶とパン・オ・ショコラを一切れ。

「眠れる美女の問題」というものを知った。
貴女は以下の実験の手順を知った上で、被験者になることに同意した。 貴女は日曜の夜に眠りにつく。そのあと私が密かに、公平なコインを投げる。 もし表が出たならば、貴女は翌日の月曜日に目覚めたときに、私から質問を受け、 そこで実験は終了する。 もし裏が出たならば、貴女は同じく翌日の月曜日に目覚めたときに、私から質問を受けるのだが、 月曜にあったことを完全に忘れる薬を飲んで再び眠りにつき、 火曜日に目覚めたときに私から再び質問を受け (しかし貴女は昨日の記憶を失っているので「再び」とは気付かない)、 そこで実験が終了する。 以下のように、尋ねられる質問は全て同じである。 今、貴女は眠りから目覚めた。目の前にいる私が寝台の傍らで貴女に訊く。 「日曜の夜にコインの表が出た、ということの確からしさはいくらでしょう?」。 言い換えれば、これが賭けなら表に賭けますか、裏に賭けますか。 そのオッズがどれくらいなら賭けますか?