2009年8月31日月曜日

公案

10 時過ぎまで寝てしまった。 珈琲、オレンジジュース、トースト、ソーセージエッグの朝食。 台風の影響らしく、ずっと雨。 家計簿の決算と来月の予算を組んだりしているうちに、昼。 昼食は、野菜炒麺。お風呂に入って、湯船で「ナイン・ストーリーズ」 (J.D.サリンジャー著/野崎孝訳/新潮文庫)から、 「ド・ドーミエ=スミスの青の時代」を読む。 湯上がりにも、少し寝床に横になって、同書から「テディ」を読む。 世の中の多くは、サリンジャーというものは、 まだ顔にニキビが満載の少年少女の頃にはしかにかかるように愛読するものだ、 と思っているようなのだが、全くの誤読だ。 「ナイン・ストーリーズ」は冒頭に「隻手音声」の公案が掲げられていることから明白なように、 九つの公案であり、つまり、一生をかけて解こうとすることが目的であって答はない、 謎々の問題集なのだ。もちろん、公案を公案として受け取ることは難しい。 例えば、日本人のほとんどは、 頓知小僧の一休さんが将軍さまをやりこめた話として、 「隻手」の話を知っているのだが、それが公案だとは思っていない。 私が思うに、深い問題は時に、メタ問題やメタ「メタ問題」、 つまり公案の形を取るのだが、 それを普通のレヴェルの問題だとしか捉えられない、 ということが原因の誤解や不幸は、けっこう多い。

午後は、チェス・プロブレムを少し考えたり。 夕方、またお風呂に入って身体をふやかしてから、夕食。 鮪のづけ丼を作る。 と言っても、酢飯は昨日の残りなので、 醤油と味醂と胡麻油と赤ワインで漬け汁を作り、 鮪の切り落としをしばらく漬け込んで、適当に盛り付けるだけ。 他には、懐石沢庵と祇園風味醤油漬、玉子と茗荷と大葉の澄まし汁。 食後に煎茶。 酢飯が昨晩の残り、というところはやや不満だが、 昨日の秋刀魚散らしに引き続き、十分の出来だった。 ダリア叔母さんちのアナトールほどではないが、 私自身の舌と体調を知り尽した我が家のシェフである私の腕も、 まあまあの調子。 仕事以外に楽しいこともないので、この秋、冬はちょっと気合を入れて料理しようかな、 と今のところ思っています。

さて、夏休みも終了。明日から頑張ろう。涼しい日が続けばいいのだが。

2009年8月30日日曜日

休日満喫

9 時半頃起床。かなりの寝坊。寝室の前で猫がにゃあにゃあ元気に鳴いている。 ドアを開けるなり足首に噛み付かれ、専門用語で言えば腱反射で、蹴りを入れてしまった。 目がいたずらっぽくキラキラしているのではないかな、 と思って、猫を持ち上げて顔を見てみたが、 キラキラと言うよりは敵意か怒りにふさわしい表情をして、 鋭く「ニャー!」と言っていた。 競走馬なみの勢いでキッチンまで伴走してくるので、すぐに食事を与える。 食欲の秋だろうか。

猫はキャットフード、私は珈琲、トースト、ソーセージエッグの朝食。 洗濯機をしかけてから朝風呂に入り、 まだ自分が若さを失っていないか確認するために、 湯船で「ナイン・ストーリーズ」(J.D.サリンジャー著/野崎孝訳/新潮文庫) から「バナナフィッシュにうってつけの日」と「愛らしき口もと目は緑」を読む。 朝っぱらから湯上がりに良く冷えたビールを飲んで、 奥村チヨのメドレーを歌いつつ洗濯もの干し。 あなたを知ったその日から、恋の奴隷になりました。 右と言われりゃ右向いて、 そのあとは寝転んで「ジーヴスの帰還」 (P.G.ウッドハウス著/森村たまき訳/国書刊行会) を読んだり、影のようについてゆくわ、気にしないでね。 昼食は懐石沢庵と梅茶漬のパスタ、好きなときに思い出してね。 でたらめに作ってみたのだが、大変美味しかった。 食後はもちろん、あなた好みの、あなた好みの、昼寝。 少しのつもりが、二時間以上寝てしまった。

昼寝のあとは、また読書をしたり、 夕食のメニュを考えたり、「ジーヴスの帰還」を読んだり。 夕方になってスーパーに買い出しに行く。 外は昨日よりぐんと涼しく、すっかり秋。 雨模様のこともあって、肌寒いくらい。 秋雨としか思えないのだが、実際は台風の影響らしい。 安売り中の鮪の切り落とし、旬で特売中の秋刀魚の刺身などを買って帰る。 夕食は酢飯を作って、(鮪のづけ丼と迷った上、鼻の差で決定し) 秋刀魚の刺身のちらし寿司を作る。 上出来。白ワインを一杯だけ。外は大雨になった。 夜はまたお風呂に入ってから、 湯上がりにビールを飲みながら選挙速報観賞の予定で、休日を満喫。

2009年8月29日土曜日

夜から夏休み

9 時起床。寝坊。珈琲、トースト、ソーセージエッグの朝食のあと出勤。 今日は昨日よりさらに暑いし、湿度も高い。夏、再び。 まず、期日前投票に行く。 予想に反して投票所にはかなりの行列が出来ていたため、 投票にけっこう時間もかかり、出社したのは 10 時半くらい。

午前中は事務用。昼食は、コンビニエンスストアのお弁当。 午後はミーティング。特に出席する必要はなかったのだが、 自分としては色々と情報を得ることができて良かった。 周りのみんなが「ほにゃらら」と言っていたのは、 こういう意味だったのか、と知った単語が三つくらいあった。 最近、新人たちが OJT で配置されているおかげで随分と勉強になる。 新入社員の中で特に優秀なエリートが配置されているのだろうが、 定時出社なのにずっと遅くまで残っているし、 膨大なソースコードをもう十分に理解してコミットしているし、 社の未来は明るいなあ……、と思う日々。 とは言え、選挙にちなんで言えば、日本の未来が明るいかは疑問だ。 若者が投票に来ない、こんなことでいいのか、と若者の心配をする前に、 若くて優秀な人がみんなシンガポールあたりに流出してしまうのではないか、 と心配すべきじゃないかなあ。

夕方、退社。外は猛烈に蒸し暑い。 帰宅した瞬間から夏休みモードで、 まずお風呂に入る。湯船で、「ミンスキー博士の脳の探検」 (M.Minsky著/竹林洋一訳/共立出版)を読む。 湯上がりに、あっさり茄子でヱビスビールを一杯。 落ち着いたところで、玉子の炒飯を作る。 山のいものわさび風味と、祇園風味の醤油漬けも添えて、白ワインを一杯だけ。

2009年8月28日金曜日

もう一日

8 時過ぎに起床。珈琲、オレンジジュース、トースト、 ソーセージエッグの朝食のあと出勤。 今日はまた昨日よりちょっと暑い。とは言え、夏ではない。 郵便局で用事があったので、出社は少し遅れて 10 時前。 午前、午後とお仕事。 昼食はビル一階弁当。 夜にミーティングがあったので、退社は 20 時半くらい。 帰宅して、これから夕食の支度。 最後に余った鶏肉と野菜でソース焼きそば、 お漬物少々でワインを少し、というところかな。

明日は休日出勤だが、 月曜日は夏休み(二日目)なので、日、月と二日続けて休める。 買っておいた「ジーヴスの帰還」(P.G.ウッドハウス著/ 森村たまき訳/国書刊行会)でも、ゆっくり読みたい。 さて、もう一日頑張ろう。

2009年8月27日木曜日

L 予想の解決

8 時起床。いつもの朝食のあと出勤。 9 時半の定時より前に出社して、 午前、午後とお仕事。 昼食は近所のカレー屋さんにて、シーザーサラダと夏野菜のカレーライス。 定時の 18 時に退社。 昨日までよりちょっと蒸し暑いが、 それでも、これは夏の空気ではない。 大学時代にお世話になった Y さんが研修で霞が関に来ているというので、 夜は近所のベルギービール屋さんで会食。 23 時少し前に帰宅。

例年、夏休みになると、 二項定理の一般化である「新古典不等式」についての予想を解決すべく、 少し根を詰めて考えるのが常だった。 夏休みが二日しかない今年はどうか、というと、 実は先月のこと、この予想は解決したのである。 ちなみに「予想は正しい」という肯定的な解決だ。 残念ながら、初めて証明を与えたのはこの私ではなくて、 K 大の H さんなのだが、 論文は私との共著の形で投稿される予定。 証明の内容が公表されるのは、 10 月にある研究会での H さんの講演が最初になるはず。 何だか、ちょっと寂しい気持である。

2009年8月26日水曜日

機械仕掛けの神

8 時過ぎに起床。いつもの朝食をとって、出勤。 今日もまた涼しい。このまま秋になってくれれば良いのだが、油断は禁物だ。 シェイクスピアか、シェイクスピアと同じくらい頭の良い誰かが言っていたように、 運命というものは、ああこれで一息ついた、もうこれで一安心だ、 と思った丁度そのときには、 鉄パイプ片手にしのび寄って来て耳の後ろあたりに照準を定めているものだ。

定時くらいに出社。 午前、午後とお仕事。昼食はビル一階弁当。 今日一日も無駄に過ぎそうだったが、そろそろ帰ろうかなと思った頃に、 突然、コンピュータが私を理解してくれた。 ようやく、少しずつ分かりあえてきたのかも知れない。 コンピュータは人間に比べて遥かに単純なので、 いずれ理解しあえるし、悪意は一切ない。 その意味では、人間よりコンピュータ、あるいは機械の方が神に近いのではないかなあ、 と思った。 気分良く、定時に退社。 外は、やはりまだ秋の気配。

夕食は御飯を炊きつつ、少しキムチに漬けておいた鶏肉を焼く。 鶏肉と一緒に赤ワインを一杯だけ。 今日のお漬物(梅紫蘇きゅうりと、あっさり茄子) で、炊き立ての白御飯。 夜は C.L.ドジソンの翻訳作業をしたり。

2009年8月25日火曜日

キャロル式トーナメント

8 時半起床。また寝坊。涼しくなると、良く眠れる。 私は、春夏秋冬、いつでも良く眠れるのだが。 定時に少し遅れて出社。午前、午後とお仕事。 今日もコンピュータに「通訳」抜きで「直接」話しかける一日。 まだ意思の疎通がまるでうまく行っていない。 いつか仲良くなれるのかしらん。 天才プログラマの K さんが、 今日は手違いでお弁当を持って来ていないと言うので、 一緒に近所の豚かつ屋さんで昼食。18 時過ぎに退社。 外はすっかり涼しくなった。

帰宅して夕食の支度。鶏胸肉の野菜炒め、もやしとキムチの炒麺、 お漬物(山のいもわさび風味)。赤ワインを一杯だけ。 夜は C.L.ドジソンの翻訳をしたり、 「はじめて読む486」(蒲地輝尚/アスキー出版局)を読んだり。

ルイス・キャロルこと C.L.ドジソンによる、 通常のトーナメント方式の不公平を解決するアイデアは単純である (ただ、実行はけっこう面倒くさい)。 ある選手に負けた、ということだけではなくて、 ある選手に負けた選手に負けた、 という情報も使うのだ。 例えば、選手 A が選手 B に負け、その B は選手 C に負けたとすると、 A と C は試合をしていなくても、C の方が A より強いに違いない。 これを C は A より「仮想的に」強い、と言う。 この情報を使って、トーナメントの一段階が終わる度に、 各選手に対して、その選手より(実際に、か、仮想的に)強い選手の人数を数える。 そして、同じ人数の自分より強い選手を持つ選手同士を優先的に試合組みして、 自分に勝る者が何人いるか、の人数に差をつけていくのだ。 例えば、優勝、準優勝、三位(一名)の三名を入賞者とするなら、 自分より強い選手が三人判明した段階で、 入賞の可能性はないということだから、 その選手はトーナメント敗退となって対戦表から外される。 これを続けていけば、最後に入賞者が残るはずだ。 この方法によれば、通常のトーナメント方式のように、 二位の実力を持っているのに初戦で敗退して無冠とか、 実際は全体の半分以下の実力なのに準優勝する、 などという奇妙なことは起こらない。これで、 ずっと公平なトーナメントを行なうことができるだろう、 というのがドジソンの主張である。

2009年8月24日月曜日

The end of the summer

8 時半起床。寝坊。珈琲、トースト、ベーコンエッグの朝食。 外は今日も暑いが、湿度が低くて、爽やかな感じ。 知らぬ間に夏は過ぎ去っておりました……。 10 時少し前くらいに出社。午前、午後とお仕事。18 時過ぎに退社。 夕方にもなれば、すっかり秋の気配。 私の夏は明日も続く…と、口遊んでいたのも既に過去。 あの夏の光と影はどこに行ってしまったの。 ちなみに石川セリの「八月の濡れた砂」ですよ。 ええっ、知らない? ほら、井上陽水が彼女をくどくために目の前で作詞してプレゼントしたのが、 「ダンスはうまく踊れない」だっていう…、 えっ 、井上陽水も知らないんだ、 ほら、おげーんきですかー、って言ってた人なんだけど。 昭和は遠くなったのじゃのう……。スーパーで買い物をして帰宅。

帰宅して、夕食。 前菜のポテトサラダと白ワイン少しで一息ついてから、 鶏胸肉を黒胡椒と塩で焼く。 残っていた冷や御飯少しで玉子とマッシュルームのミニ炒飯を作った。 もちろん、お漬物も(梅紫蘇きゅうり)。 夜は、C.L.ドジソンの翻訳作業の他は、 不等式本や、計算機本など気楽に読書。

2009年8月23日日曜日

お漬物

9 時起床。寝坊。珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグのいつもの朝食。 もう来週が選挙だし、ニュースでも見るかな、と TV をつける。 いつの間にか、どの政党の主張も政策も社会主義的になっていて、 全然区別がつかないような。 日本から資本主義ってなくなっちゃうのかな……。 今こそ、解毒剤として、アイン・ランドの「水源」や、 「肩をすくめるアトラス」を読んだ方がいいと思うなあ。 午前中は、C.L.ドジソンの翻訳作業とか、読書とか。

昼食は御飯を炊いて、京都のお漬物(瓜と茗荷のしそ風味)、ポテトサラダ、 鶏腿肉と玉葱のソテー。 食後にお風呂に入って、 湯船で「シルフ警視と宇宙の謎」(ユーリ・ツェー著/浅井晶子訳/早川書房)を読む。 一時間ばかり昼寝。 午後からは、「シルフ警視」を読んだり、 計算機の低レヴェルの勉強をしたり、 C.L.ドジソンの翻訳をしたり、短い間隔で切り替えながら過す。 もちろん、一つのことにもっと集中した方が良いのだが、 老人はそんなに長くも、深くも、集中力が持たないのだね。 夕食は冷や御飯、ポテトサラダ、お漬物二種(瓜と茗荷のしそ風味、山のいもわさび風味)、 もやしの味噌汁など。食後に煎茶。 最近、家での食事は、量を少なく、品数を多くするよう心がけています。

2009年8月22日土曜日

コハダとスズキ

8 時起床。珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグのいつもの朝食。 洗濯、掃除機がけなどの家事のあと、 昼食までは C.L.ドジソンの翻訳作業。 京都からワインとお漬物の配達が届く。 それで思い出して、9 月頭の生産者ディナの席に空きがないか、 電話して尋ねてみたが、流石にもう満員とのこと。 来週末の土曜出勤の代休を使えば行けるなと思っていたのだが、 いざというとき(?)のためにキープしておこう。 新入社員は 10 月まで有給休暇が発生しないので、大変なのだ (実際のところは、私が勝手に休んでも会社の誰にも気付かれないと思うが……)。 昼食は鶏肉ともやしの塩炒麺。白ワインを一杯だけ。 昼風呂に入って、少し仮眠をとったあと、また翻訳を進める。 夕方になって近所に髪を切りに外出。

蒸し暑い中を外出したついでに、 夕食も外で済ませることにして、神保町へ。 新刊書店で、「シルフ警視と宇宙の謎」(ユーリ・ツェー著/浅井晶子訳/早川書房)、 「はじめて読む486」(蒲地輝尚/アスキー)を買ってから、お鮨屋さんへ。 ここ最近、良い魚が食べたい感じだったので。 今日は珍しく客は私だけで、貸切状態。 ビールの小瓶を一本だけ。 ご主人と納涼歌舞伎の話などしつつ、 トロ、小鰭、鯵、鱸(昆布締め)、穴子、御飯抜きの玉子。 やっぱり夏は、小鰭や鱸が爽やかな感じがしてよろしいね。 旬というのは良くできているものだ。

2009年8月21日金曜日

自然な複雑さ

8 時起床。珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグのいつもの朝食。 今日もきちんと定時前に出社し、午前、午後とお仕事。 昼食は近所のお弁当屋さんのお弁当。 今日中に何とかここまでは、と思っていたところまでクリアした。 相変わらず、 デバグ用にダンプ表示する関数なんてどうでもいいものに二時間もかけて、 綺麗に表示するようにしてみたり(縦揃えしたり、お洒落に罫線引いたりね)、 逃避行動が多かったが。 一日なさざれば一日食わず、とは言え、夜のビール一杯くらいには値するだろう。

しているのはほぼ自明なことだが、何せいじっているコードが膨大な上に、 迷路のように入り組んでいるので、まさに五里霧中。 必要なものにたどりつくのも、 これが指しているこれが指しているものを指しているこれに指されているものを指している、もの、 という感じで、一苦労。 特に問題なのは、実際は単純なことをするのにも、 何が必要で何が不用なのか、どこから手をつけるのか、その勘所が分からないことだ。 しばらくして大体の名詞とその関係が頭に入れば、楽になると思うのだが。 おおむね、セオリーから入った頭の良い人は、 ものごとには最もシンプルなデザインがあって、 素直な抽象化によってそれが達成された結果、 半自動的に自明な形で問題が解決される、と信じがちだ。 それは、見果てぬ甘い夢、というものだね、と思えてきた。 複雑になるのはしょうがないので、せめて「自然な複雑さ」にする、 というくらいが落とし所のような気がする。 おそらく、良い技術者は、現実を良く知っていて、 ここらへんかな、という自然な複雑さを実感として知っているのだろう。

18 時過ぎに退社して、猛烈な蒸し暑さの中を帰宅。 帰宅してすぐにお風呂に入る。 湯船で「ミンスキー博士の脳の探検」(M.Minsky 著/竹林洋一訳/共立出版)を読む。 湯上がりにヱビスビールを一杯と、前菜のポテトサラダ、オクラのおひたし。 鶏の白ワイン蒸し焼きと、卵だけのミニ炒飯。 今夜は週末なので、仕事は抜きですよ。

2009年8月20日木曜日

風車の問題

8 時起床。珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグのいつもの朝食。 今日もきちんと定時前に出勤し、午前、午後とお仕事。 昼食は近所のタイカレー屋さんにて。 18 時過ぎに退社。 今日も暑いなあ……。秋はまだ来ないのだろうか。 近所のスーパーで買い物をして帰宅。 夕食は、オクラともやしのサラダ、鶏肉のハーブ焼き、 鶏肉を焼いたフライパンの残りでミニ炒飯を作り、キムチを添える。 白ワインを一杯だけ。食後にアイスコーヒー。 夜は、C.L.ドジソンの翻訳作業など。

最近、本を読んでいて、やはり素人考えは駄目だな、と思ったことがある。 私は常々、風力発電のタービン、あの巨大な風車のことだが、 何故あれはあんなにスカスカの三枚羽なのか、疑問に思っていた。 もっと沢山羽をつけて、もっと沢山の風を受け止めれば、 それだけ沢山の風のエネルギーを電力に変換できるのに、と。 結局、風車の羽に当たる前の風が持つ運動エネルギーと、 当たって風車を通り抜けた後の風の持つ運動エネルギーの差が、 電力に変換されるはずだ。ならば、 風を沢山受け止めれば受け止めるほど、いっそ全て受け止めてしまった方が、 沢山の電力が発電できるのではないか。 私はこのロジックは鉄壁だと思っていた。 ところが実は、私のこの考え方は間違いなのだ。

風車に入る前と、出た後の、風の持つ運動エネルギーの差が電力に変換される、 ということは正しい。 しかし、運動エネルギーは速度だけで決まるのではない。 運動エネルギーは質量にも比例するのである。 つまり、どれだけの「空気」が羽を押すか、を考慮しないといけない。 風車を通り抜ける風の量は、風車を通り抜けるときの風の速度、 大体、風車に入る前と出た後の速度の平均に比例するだろう。 つまり、この量について言えば、風車が風を受け止めないほど大きくなり、 風車が風を全く邪魔しないときに最大になる。 よって、電力にできるエネルギーを最大にするバランスは、 風を全部受け止めるのと、全部通り抜けさせるのとの、どこか中間にあるのだ。 実際、簡単な計算によって、風車は風の速度の全てではなくて、 3 分の 2 程度を奪うのが最適であることが分かる。

2009年8月19日水曜日

Yak

8 時起床。今日はちゃんと起きられたが、 昨夜は眠りが浅く、かなり寝不足の感じ。 9 時半の定時よりも早く出社。 午前、午後とお仕事。昼食はまたビル一階弁当。 そもそも夏は低調なのだが、さらに今日は全く不調で、眠くてたまらない。 実際、だらだらと仕事の環境を整えているだけで一日が終わった。 これがこの業界で言うところの、「ヤク毛刈り」というやつだろうか。 つまり、仕事のための準備とか、道具作りに果てしなく時間を使ってしまって、 いつまでたっても本来の仕事に取りかからない状態である。 なぜ、ヤク の毛なのかは知らない。 一説によれば、ヤクの毛は非常に細く入り組んでいるので、 ヤク本体にたどり着くまでに大変手間がかかるの意だと言う。 そして私の見るところでは、 コンピュータ業界の人は格別、ヤク毛刈りが好きだ。 この逆の意味で、 木を切り倒すときにはその半分の時間を使っても斧を研げ、 とかいう言葉がある。確かにこの言葉にもいくらかの真実はあるが、 果てのない斧研ぎは、まさに「ヤク毛刈り」そのものである。 おそらく、この業界では、本来の仕事とそのための道具を作ることが、 そもそも非常に近いことと、 そして、自分好みのツールを作ったり磨いたりしている方が、 本来の仕事よりずっとずっと楽しいことが原因だろう。 また、明らかな逃避行動なのに一応は仕事に関係しているので、 罪悪感が丁度よいくらい、 ということも効いていると思う。

18 時過ぎに退社。 最近の東京は最高気温が 30 度を少し越すくらいで、 朝夕にはかなり涼しくなるのだが、 それも湿度が高いのでまだまだ暑苦しい。 帰宅して、ポテトサラダで白ワインを少しだけ飲みつつ、 御飯を炊く。今日のメインは親子丼。一緒に赤ワインを少し。 余った玉葱を消費するために思いついたメニュなので、伊丹流ではない。 今日はかなり身体が疲れているようなので、夜は特に仕事はなし。

2009年8月18日火曜日

ビールにサンドウィッチ

8 時半起床。また寝坊。 昨日の残りのチキンライスと珈琲、オレンジジュース。 郵便局で一つ用事を片付けて、10 時少し前に出社。 午前、午後とお仕事。昼食はビル一階弁当。 先週から新しい仕事の下調べを始めたのだが、 雲をつかむ様な話でどこから手をつけたものやら、 といまだ迷っていた。 同僚に道筋をつけてもらって、 ようやく明日からは何か作り始められるかな、という感じ。 前のタスクもそうだったが、常に始まりは五里霧中状態なので、 皆に教えを乞うところから始めることになる。それが新米というものだ。 新米なのでほとんど人の役には立っていないが、 自分の方は少しずつとは言え毎日賢くなることが、新米の身分の良いところ。

その相談で遅くなったので、退社は 19 時半くらい。 帰宅して、すぐにお風呂に入る。 今、湯上がりのヱビスビールを一杯で、 鶏肉とポテトサラダのサンドウィッチの夕食中。 ビールとサンドウィッチというのも、 やや村上春樹的過ぎるきらいがあるものの、 良いペアリングだ。 さらに村上春樹的に言えば、小確幸か。

2009年8月17日月曜日

キャロルとテニス・トーナメント

8 時半起床。寝坊。 珈琲豆が切れていたので、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグの朝食。 10 時少し前くらいに出社。午前、午後とお仕事。昼食はビル一階弁当。 18 時に退社。スーパーで買い物などをして帰宅。 今日も猛烈に蒸し暑い。 これでも例年に比べれば、相当の冷夏らしいのだが。 帰宅してすぐにお風呂に入る。 夕食には、オムライスを作る。 最近、トマトが高くて手に入らないので、かなり手抜きのオムライス。 ポテトサラダと一緒に、白ワインを一杯だけ。 食後に珈琲と、小さなチーズケーキ。 夜は、C.L.ドジソンの翻訳作業をしたり、 今日 amazon から届いた "The Sorcerer's Apprentice" (D.Bronstein and T.Furstenberg / New in Chess) をぺらぺらと眺めたり。

次に訳する、ルイス・キャロルこと C.L.ドジソンのパンフレットは、 "Lawn Tennis Tournaments: The True Method of Assigning Prizes with a Proof of the Fallacy of the Present Method" (仮訳題「テニスのトーナメント: 受賞者を決める正しい方法と、 現在の方法が誤りであることの証明」)。 あるテニスのトーナメントで、強い選手が最初の方で負けてしまい、 自分よりずっと劣る選手が準優勝したのを悔しがっているのを見たドジソンが、 もっと公平で優れたトーナメントの方法があるのではないか、 と研究したものである。 この論文はコンピュータ科学者の D.クヌースにも、 かの "The Art of Computer Programming" の中で言及されている。 しかし、ドジソンが提案した「正しい方法」は残念ながら、最適なものではなかった。 とは言え、最適問題として定式化されたのは 1929 年、 最適解が提案されたのが 1932 年、 さらにそれが実際に最適であることが証明されたのが 1964 年であることを思えば、 ルイス・キャロルは時代に先んじるセンスを持っていたと言えよう。

2009年8月16日日曜日

余生の暮らし方

昨夜ちょっと遅くまで、豊かさとか賢さがどういうものか思い出すために、 「笑いながら死んだ男」(D.ハンドラー著/北沢あかね訳/講談社文庫) を読んでいたせいか、9 時まで寝てしまった。 珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグの朝食。 午前中は、掃除機がけなど掃除をしたり、読書など。 昼食は冷蔵庫の残りものパスタ。食後に昼風呂に入り、 湯船で「カメレオンのための音楽」(T.カポーティ著/野坂昭如訳/早川書房)を読む。 丁度いい具合に、背筋が冷えた。 小一時間ほど昼寝をしてから、午後は C.L.ドジソンの翻訳仕事など。 夕食は、御飯を炊いて、若芽の味噌汁と常備菜あれこれの粗食。

既に使っていない古い PC を捨てようと思っていたのだが、 何か世の中の役に立つ仕事をしながら寿命を全うしてもらおう、 と思い直した。 IBM 社の World Commnunity Grid に登録して、 千葉大学と千葉県がんセンターの 「ファイト!小児がんプロジェクト」 に計算力を提供する 24 時間連続稼動の専用マシンにする。 一日ほど様子を見ていたら、 老体に鞭打って不眠不休で無理に頭を使っているせいか、かなりの発熱量。 しかも、そんなに頑張っても、 自宅でメインに使っている MacBook Pro が余力で計算するより、 数倍から 10 倍も遅い。 いや、しかし、しかしだよ。 適当に blog とか YouTube とか見ながら片手間にボランティアをしている現役ばりばりの壮年 MacBook Pro よりも、 「爺さんあんた今、輝いてるぜ……」、 とロートル PC の肩、とおぼしきあたりを軽く叩いて励まし、 せめてクーラーの下の涼しそうな良い場所に設置したことである。

2009年8月15日土曜日

お盆 / ヴァージョン管理

8 時起床。珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグの朝食。 お盆だからと言って特に何もなし、普通の週末。 これで疎遠になっている娘が帰って来てでもくれれば、 いつまでもややこしいことを言っていないで、 幸せとか将来というものを真面目に考えなさい、と説教したり、 お迎えが来る前に孫の顔が見られるのかのう、と愚痴をこぼしたりしたいのだが、 そんなこともない。 十年前に、リーマン予想を解決するまで実家には戻りません、 と家を飛び出して行ったきり、行方知れずなのだが、 あの娘は今頃どこで何をしているのだろうなあ、 都会の案山子になってはいないだろうか……。 なんてことを、世間の親はお盆に思うのだろうか。

昼食は焼きそばと赤ワインを一杯だけ。 TV をつけると、今日も京都では古の雅を舞台に連続殺人事件が起きていた。 狩矢警部の娘であるカメラマンが、祇園の高級クラブのママ(涼風真世)から、 花を閉じこめた氷を作って妹と遊んだ昔話を喫茶店で聞かされている。 なるほど、つまり犯人は真世姐さんで、動機は生き別れになった妹の復讐、そして、 これから起こるだろう密室殺人事件のトリックは氷の中に仕込まれた毒薬だな、 と全てを知り、TV のスイッチを切ってお風呂に入る。 京都では毎週二回くらい古の雅を舞台に殺人事件が起きている。 件数をならすと、おそらく全ての老舗店と伝統芸能で、 12 回ずつくらい発生する勘定だろうか。

食後に昼風呂に入って、湯船で読書。湯上がりにミモザを飲んで、 少し昼寝。のつもりが、2 時間近く熟睡。 夕食の支度の時間まで、C.L.ドジソンの翻訳など。 この翻訳作業のヴァージョン管理にも早速 "git" を導入。 以前に TK 大の N さんと積分論の教科書の翻訳をしたとき、 作業用に CVS か svn のサーバ立てましょうか、 と尋ねられたことがある。 大勢でソフトウェア開発するわけでもなし、二人で原稿を書くだけのために ヴァージョン管理システム 導入なんて、 「N さんって、ハイテクおたくだなあ…」と心の中で思いつつ、やんわりお断わりしたものだった。 しかし今は私も、プログラムに限らずどんな生成物でも、 共同作業であってもなくても、ヴァージョン管理すべきだ、と思っている。 非常に便利で革命的な「ライフハック」なのに、 プログラマ以外には全く知られていない珍しい例だとさえ思う。 実際は簡単なことなのだが、 今のところ普通の人が日常的に使うものとは想定されていないので、 敷居が高いのだろう。 夕食はポテトサラダの残りとカルボナーラ。白ワインを一杯だけ。 食後に小さなチーズケーキと珈琲。

2009年8月14日金曜日

石川風

8 時起床。珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグの朝食のあと、出勤。 9 時半くらいに出社。午前、午後とお仕事。 昼食は近所の居酒屋さんのランチメニュで、石川風カツカレー。 昨日、フライとソースについて語っていたら食べたくなったので行ってみたら、 このお盆の時期に店を開けていたばかりか、 ちゃんと「石川風カツカレー」が今週のメニュに入っていた。 石川とは共通点を感じるなあ、、、と思いつつ、ウスターソース味のカツカレー。 本屋で「入門 git」(T.Swicegood著/でびあんぐる監訳/オーム社) が新刊で出ているのを見つけて、買って社に戻る。 ローカルに使う手軽なヴァージョン管理システムとして、 "git" が良さそうだなあ、とちょうど思っていたので。 18 時過ぎに退社。 今日はかなり涼しい。風の音にぞ驚かれぬる。もう残暑ですね。

帰宅して、まずお風呂に入ってから、夕食の支度。 前菜にポテトサラダの残りとキムチで、ヱビスビールを一杯だけ。 鶏の笹身、胡瓜、錦糸卵、キムチの冷やし中華。 週末の夜なので、今夜は仕事抜きでのんびり。

2009年8月13日木曜日

フライとソースの思い出

8 時起床。珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグの朝食のあと、出勤。 今日も定時の 9 時半より早く出社できた。 午前、午後とお仕事。昼食は近所の中華料理屋さんにて。 夏野菜とレバの炒めものとか。 18 時過ぎに退社。 今日も激しく蒸し暑い。 帰宅してすぐにお風呂に入り、湯上がりにミモザを一杯。 夕食は、前菜にポテトサラダのあと、スーパーの魚屋さんの真鰺の握り鮨。 うーむ、やはり真鰺は美味しいなあ。白ワインを一杯だけ。

私はポテトサラダを見るとウスターソースをかけたくなりますとも、庶民ですから。 鰯のフライなんかもウスターソースが一番だと思ってますよ。 と言っても、フライにソースは和歌山の習慣らしい。 おそらく地域的な貧しさの故だろう、 少なくとも私の実家では、天麩羅やフライの類にウスターソースをかける。 つまり、それより高級なソースは伝わっていなかったし、 天つゆなんてものも見たことがなかったし、 塩と何とかで食べるのだとかいうスノビズムとも全く無縁の世界である。 玉葱だけのかき揚げにソース、なんてけっこう美味しいものなのだが、 豊かに育った諸君らは知らないだろうなあ。

何となく季節は夏に決まっていたような記憶があるのだが、 鰯や鯵や小振りの海老は開いてフライ、 芋や茄子などは薄切りにして天麩羅、玉葱や人参は千切りにしてかき揚げ、 という調子で、じゃんじゃん揚げて、どんどんウスターソースをかけて食べるのである。 あれは今思っても、一大イベントで、ものすごく美味しかったけどなあ。 揚げたても勿論美味しいが、次の朝なんかに、 残って冷たくなった上に、しっとりしてしまった、 玉葱だけのかき揚げを食べるのも楽しみだった。 まあ、育ちをひけらかすようなので、 内緒にしているんですけどね。

2009年8月12日水曜日

document

8 時起床。珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグの朝食のあと、出勤。 今日は定時の 9 時半より前に出社できた。 午前、午後とお仕事。昼食はビル一階弁当。 分からないことだらけなので、とりあえず昨日、 「この仕様書ってどこにあるの?」と天才プログラマ K さんに尋ねたら、 勿論ないのでソースコードを読め、そして自分で書け、 との話だったので、やむを得ず、コード読みとマニュアル書きをする。 必要なマニュアルを自分で書く、って、何かが間違っているような気もするが、 まあそういうものだ。 理想的な世界では、まず仕様書を書き、設計が完全に終わった段階で、 さらに全てのテストコードを書き、これを通れば完璧だとなった時点で、 プログラミングを始める(らしい)。 しかし、そのような形でドキュメントが書かれることはまずない。 大抵の優秀なプログラマは、 ドキュメントなんてのんびり書いている暇はないし、 しかも、本人はソースコードから全てを読み取れるので、 何故そんなものが必要なのかも分からない。 18 時過ぎに退社。台風一過か、今日は涼しい。

帰宅してまずお風呂に入り、湯上がりにシャンパンを一杯だけ。 もやしと胡瓜と蒸し鶏の冷やし中華を作って、夕食。 食後に赤ワインを少し。 夜はまた C.L.ドジソンの翻訳とか。

2009年8月11日火曜日

はじめての

8 時半起床。やはり少し寝坊。 こんなに眠くて仕方がないのは、低気圧のせいに違いないったら違いない。 珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグの朝食のあと、 雨の中を出勤。何とか 9 時半に出社。 午前、午後とお仕事。昼食は近所のタイカレー屋さん。 大体、先週で前のタスクが一段落ついたようなので、 今週からはまた次のことを始める。 しかし、(4 ヶ月前もそうだったが)何にも知らないまっさらな状態なので、 「はじめての○○○」とか「○○○つくろう」とかいった、 挿し絵の沢山入っている入門書を読んで勉強している状態。 こんなので大丈夫なんだろうか。 いやそれよりも、今ふと振り返ってみると、 4 ヶ月もかけて全然大したことの出来ていない自分にちょっと幻滅。 18 時過ぎに退社。 雨は午前中で降り止んで午後は良い天気になったと思っていたら、 不穏な黒々とした曇り空。また夜に一雨ありそうだ。

帰宅してすぐにお風呂に入る。 湯上がりに、ミモザを一杯。 老い先の短い身じゃ、これくらいの贅沢は許される……。 夕食は、鶏笹身と野菜の塩炒麺。ワインを一杯だけ。 夜は C.L.ドジソンの翻訳など。

2009年8月10日月曜日

鰹の叩き

8 時半起床。やはり少し寝坊。 珈琲、オレンジジュース、トースト、ベーコンエッグの朝食のあと出勤。 今朝は雨模様。10 時頃出社。 午前、午後とお仕事。昼食はビル一階弁当。18 時過ぎに退社。 黒々とした雲に覆われて今にも大雨になりそう。台風の影響だろうか。 しかし、運良く降られずに帰宅できた。

帰宅してすぐにお風呂。 湯上がりに、ミモザを作って飲む。ようやく生きた心地。 夕食は、出来合いの鰹の叩きを使って、鰹の散らし鮨を作る。白ワインを一杯だけ。 鰹の叩きが随分と残ったのだが、鰹だけだと赤の方が良いかなあ、 と思って、鰹をお供に「今月のおすすめ」からローヌの赤を少しだけ。 む、セールで 1500 円ほどの値段になっていたが、これはかなり美味しい。 覚えておこう、と思っても、そこは老人の哀しさ、 飲み終わったころには忘れているのであった。 鰹の叩き、というものも誰が考えたのやら、美味しいものじゃのう……、 さて、なんていうワインだったっけ。

夜は、C.L.ドジソンの翻訳など。 数学関係のパンフレットから選んだものは大体終わったので、 次は政治関係から。政治関係と言っても、 ほとんどは「公平な選挙の方法はあるか」といった数学的なもの。

2009年8月9日日曜日

夏休み(前編)終了

9 時起床。また寝坊。どうしてこんなに眠れるのかなあ。 珈琲、トースト、ソーセージエッグ、バナナの朝食。 軽くエクセサイズをして、午前中は論文読みなど。 昼食は蕎麦を茹でて、盛り蕎麦。午前中に、今月のワインが届いた。 今回のアドヴァイザにお任せの三本にはシャンパーニュが含まれていたので (ゴセ・ブラバン の レゼルヴ・ブリュット・グランクリュ NV)、 午後すぐにお風呂に入って湯上がりにシャンパーニュを一杯だけ。 しばらく昼寝。午後は論文の計算チェックなど。

夕方になって、食材の買い物のため近所のスーパーまで外出。 そう言えば、この三日間、一歩も外に出ていなかった。 バートラム・ウースター氏が「大変な教訓」として、 「人生において、人は二つの道を選び取れる。 一つは田舎の邸宅に引きこもって水槽を覗き込んでいることだ。 もう一つは颯爽として異性に対する魅力十分で暮らしてるってことだ。 両方ってわけにはいかないんだな」と言っていて、 確か、天才執事ジーヴスも「おおせの通りでございます」と答えていた。 私の人生は概ね、前者の大通りの真ん中を驀進しているようなので、 気をつけた方がいいのかも知れない。 外に出ると、まだ夕方なのにまっくら。 黒々とした、大災害を予感させるような一面の雲に空が覆われている。 慌ててスーパーまで歩き、急いで買い物を済ませて帰宅する。 帰宅した途端に、外は土砂降りの大雨になった。セーフ。 帰宅して、夕食の支度。御飯を炊いて、牛丼と澄まし汁を作る。 食後に白ワインを少し。

夏休み前半も終了(後半は月末の三日間)。 また明日から仕事かあ……。 なんとなく、夏がいよいよ始まったか、くらいの印象なのだが、 暦ではもう残暑なんですねえ。 夏休み(前編)最後のイヴェントとして、 湯船で「よしきた、ジーヴス」(P.G.ウッドハウス著/森村たまき訳/国書刊行会) を読み、一人バスルームで大笑いする。

2009年8月8日土曜日

灰被姫 (Cendrillon)

9 時起床。寝坊。 珈琲、トースト、ソーセージと目玉焼き、バナナの朝食。 年も年だし、通勤往復の徒歩以外にも、少しは運動しないといけないかなあ、と思い、 一畳分くらいしかスペースのない独房でも、看守が目をはなした隙の 5 分間で出来るという、 やや過酷なエクセサイズをする。ちょっと「プリズン・ブレイク」。 実は昨日も同じエクセサイズをしたのだが、おかげで身体のあちこちが痛い。 年寄の冷や水とはこのことかのう……。

午前中は、掃除機がけの他は、「数学的にありえない」(A.ファウアー著/ 矢口誠訳/文春文庫)の下巻を読む。 登場する邪悪な科学者に、トヴァスキーとその同僚のハンネマンというのがいるのだが、 おそらくこの名前は、行動経済学のトヴェルスキーとカーネマンをもじったのだろう。 翻訳名がずれているだけで、全く同じ名前を拝借しているのかも知れない。 著者は行動経済学に何か恨みでもあるのだろうか。 残りを読了。ほんとに荒唐無稽で、休暇用には丁度良かった。

肉野菜炒麺のあと、午後はしばらく昼寝。 目が覚めるとやけに暗い。もう夜かなと思ったが、 今にも降り出しそうな雲の厚い曇り空なのだった。 TV で歌舞伎座の俳優祭の「灰被姫(シンデレラ)」を観ながら、 玉三郎もお年を召されたなあとか(失礼)、雀右衛門ってまだご存命だったんだ(失敬)、 とか思いつつ、昼寝からの目覚しのアイスコーヒーを飲む。 実は、私は院生時代に歌舞伎にこって、数年間は毎月のように歌舞伎座に通っていた。 俳優祭の悪ふざけというか親父ギャグが痛くて、 客席で苦々しい顔をして観ている通気取りの嫌な若者だったのだが、 今となっては丁度いいくらいだね(笑)。 八月と言えば「納涼」だし、十数年ぶりにまた歌舞伎座に行ってみようかなあ……

夕食は冷蔵庫の残り野菜のアーリオオーリオで、白ワインを一杯だけ。 食後に珈琲。 夜は、論文読みとか、翻訳の仕事とか。

2009年8月7日金曜日

improbable

8 時半起床。 珈琲、トースト、ソーセージと目玉焼き、バナナの朝食。 家計簿つけなどの雑用。 "MasterMoney2" をしばらく使ってみているのだが今一つ。 Excel で自作するのも面倒だし、悩ましい。思えば、 "MS Money" は MicroSoft 製品にしては抜群に使い良いソフトウェアだったのになあ……。 朝風呂の湯船で読書。 「闘うプログラマー」(G.P.ザカリー著/山岡洋一訳/日経BP社)の残りを読了。 洗濯をしてから、昼食は盛り蕎麦。食後は一時間ほど昼寝。

午後も夏休みを満喫。と言っても、昼寝、お風呂、読書、くらいしかすることがないので、 午後も読書。 「数学的にありえない (上・下)」(A.ファウアー著/矢口誠訳/文春文庫)を読み始める。 ずば抜けた計算力を持つギャンブル中毒の大学非常勤講師(統計学)が、 実験的治療の副作用で、ある「能力」を身につけてしまい、 各国の秘密機関に狙われるという荒唐無稽なサスペンス小説。 偶然、確率、統計、などが背景になっているので、これは読まねば (とは言え、文庫版が出るのを待っていた)。 本の冒頭に、主人公の統計学の講義からの「引用」があるのだが、 毎年百万分の一の確率で起こることが 700 万年間で起こる確率はほぼ 700 パーセントだ、 だから 7 回起こるはずだ、などと書かれている(問題: 正しくは何パーセントでしょう?)。 これは主人公の変調を示す引用なのか、単に著者の確率論の理解に問題があるのか、 今のところ不明。 まあ、700 万年で起こる回数の期待値が 7 回、ということは正しいので、 おそらくこれを指して世間では 700 パーセントと言うのであり、 目くじらを立てるほどのことではないのかも知れない。 ついでに言えば、 引用されている数学者「ルイ・バチャリエ」も「バシュリエ」 と訳する方が普通だろう。 長い間、数学史からも経済学史からも忘れ去られていたが、 初めて株価の動きをランダムな増分の積算と捉えて数学的に分析したことで、 最近では金融工学の創始者と持ち上げられることの多い人物である。

夕方に洗濯物をとりいれた途端に、雷をともなう嵐のような大雨。 またお風呂に入ったあと、夕食の準備。 夕食は、少しだけ残っていた冷や御飯で、キムチ炒飯。 御飯の量は少しだが、肉食化計画で買った牛肉の残りをかなり使ったので、 十分過ぎるくらいの満足感。アルザスのリースリングを一杯だけ。 夜は翻訳とか、論文読みとか、CPU のアーキテクチャの勉強とかしたかったのだが、 今日は折角の夏休みなので、終日自堕落に過すことに決めて、 「数学的にありえない」を読んだり。

2009年8月6日木曜日

白ビール、黒ビール

8 時半起床。かなり寝坊。 珈琲、トースト、ソーセージと目玉焼き、バナナの朝食のあと出勤。 10 時くらいに出社。午前、午後とお仕事。 昼食はビル一階弁当。18 時過ぎに退社。 今日も曇り空で蒸し暑い。 明日の金曜日は夏休みを申請したので、明日から三連休。 既に気分は休みモードで、夕食は会社の近所のベルギービール屋にて。

まず、白ビール(グリゼット・ブランシュ)を一杯。 ムール貝のオーヴン焼きとフリッツで、 読書しながらゆっくり白ビールを飲む。日の高いうちから飲むビールは美味しいなあ。 次は、修道院黒ビール(アベイデ・ロック)に切り替える。 ずわい蟹とトマトのパスタを食べてから帰る。 ちょっと食べ過ぎたので、少し遠いが家まで歩いて。 40 分くらいで帰宅。

2009年8月5日水曜日

男のカレー、女のカレー

8 時起床。またちょっと寝坊。 珈琲、トースト、ソーセージと目玉焼き、バナナの朝食のあと出勤。 9 時半くらいに出社。またちょっと出社時間が遅くなってきた。 午前、午後とお仕事。昼食は近所のタイカレー屋さんにて。 いつものタイカレー屋さんまで、肉食系になってきたらしくて、 「男の夏カリー」というメニュが出来ていた。 どうやらチキンカツカレーらしい。タイ風なのにチキンカツ。 「女のカリー」もあって、そちらは夏野菜が沢山入っているらしい。 どう考えても「女のカリー」が好みなのだが、 もちろん、ためらうことなく、「男の、お願いします!」 と漢らしく注文したことであった。 食後は食前よりも何故か疲れていたが、もののふらしく食べた充実感はあった。 午後は疲れ気味に仕事をして、18 時過ぎに退社。 夕食はまたハンバーグ。つけあわせは、じゃが芋、マッシュルームなど。 そのあとのフライパンで、冷や御飯少しを使ってミニ炒飯。赤ワインを一杯だけ。

とは言え、 もう肉食に疲れてきた。肉食だと、どうしても量やカロリーが多くなるのが問題で、 熱効率の良い私にはそれがまた疲れる。 やはり私には、めかぶ、とか、冷ややっこ、が良く似合う。 手にとるなやはり野におけ蓮華草、の句の心はこれだろうか(ちょっと違うかな……)。 私にとって動物性蛋白質は、 一週間とか二週間に一回、稚鮎の天麩羅とか、縞鰺のお鮨とか食べれば、 それでもう十分過ぎるような気がする。

2009年8月4日火曜日

牛丼

8 時起床。ちょっと寝坊。 珈琲、トースト、ソーセージと目玉焼き、バナナの朝食。 まず開店早々の銀行に行き、あれこれ用事を片付ける。 納入期限は両方とも 8 月末だが、 思い切って住民税(分割第二期)と所得税(予定納税第一期)を払う。 かなりの出血。今日は少し遅れて 10 時頃、出社。 午前、午後とお仕事。昼食はまたビル一階弁当。 大体、今のタスクも一区切りの雰囲気で、今月はのんびりできそうだなあ、 と思っていたら、放っておいてはくれないようだ。 次は何をさせましょうか、みたいな相談のあと、19 時少し前くらいに退社。 帰宅して、御飯を炊き、牛丼を作る。だって、肉食系ですから。 赤ワインを一杯だけ。

今日の購入本。 「ミンスキー博士の脳の探検 -常識・感情・自己とは-」 (M.ミンスキー著/竹林洋一訳/共立出版)。 マーヴィン・ミンスキーってまだ健在だったんだなあ。 ところで、 原題は "The Emotion Machine"とミンスキーらしい良い題名なのに、 変な翻訳タイトルなのは、日本が「脳」ブームだから?

2009年8月3日月曜日

肉食系

8 時起床。ちょっと寝坊。 昨日の残りのカレーと冷や御飯で、朝からカレーライス。 珈琲を一杯。定時の 9 時半くらいに出勤。 午前、午後とお仕事。昼食はビル一階弁当。 二日間の夏休みは、今週末の 7 日(金)と月末の 31 日(月)に決定。

定時の 18 時に退社。今日も蒸し暑い。今にも雨になりそうだったが、 帰宅するまでは何とか降られずに済んだ。 8 月は昨年の住民税の分割納税(二期目)で気が重いのだが、 帰宅したら今度は今年の所得税の予定納税(一期目)の通知が来ていて、 なおブルーになる。 どちらもどうせ払うものがまとまって来たり、先払いになったりしているだけなので、 言わば朝三暮四なのだが、精神的ショックが大きい。逆から見れば、 いかに給与所得者が納税額に無頓着でいられるか、ということだろう。 「分割払い」&「天引き」の魔力は絶大だ。 いま消費者にお金を使わせようと努力している方々は、 税務署からテクニックを学んだ方がいい。 これはなんだか覚えのある心持ちだな、と思ったら、 麻雀でバカヅキの面子がいて、 かっぱぎにかっぱがれているときと同じ気持ちじゃないだろうか。 はい、満貫。はい、親ッパネ。おっと高い方ツモ、タンピン三色ドラドラに裏裏、 って感じで。

夕食は、ハンバーグステーキに、 つけあわせはダイスに切ったじゃが芋とマッシュルームのバター炒め。 あとで、ガーリックライスの卵入りとキムチ。赤ワインを一杯だけ。 食後にアイスコーヒー。 酷暑ニモ負ケズ、苛税ニモ負ケズ、と無理に、肉食系に変身中。

2009年8月2日日曜日

水風呂の湯船

8 時起床。昨夜はかなり夜更しだったのに、ちゃんと 7 時台に目が覚めた。 身体が朝型になりつつあるのだろうか。あくまで私にしては、だが。 今日は昨日までに比べて急に涼しい一日。 珈琲、トースト、オムレツ、トマト、バナナの朝食。 午前中は読書など。昼食には蕎麦を茹でる。 普段観られない TV ニュースを観つつ、盛り蕎麦。 午後はまずお風呂に入って、湯船でお湯が冷たくなるまで読書。 昨日からの続きの意味で、「監督 小津安二郎」(蓮實重彦/ちくま学芸文庫)。 このまま死ぬ、っていうのが良い死に方かも知れないなあ……、 と思うくらい、ほど良く身体が冷えたところで、昼寝。 夕食の支度まで、また読書など。 夕食は、「フランス料理を私と」(伊丹十三/文藝春秋) を読みながら気長に玉葱を炒め、スパイスからカレーを作る。 御飯を炊いて、じゃが芋とトマトとピーマンの野菜カレー。 赤ワインを一杯だけ。 夜は翻訳の仕事など。

2009年8月1日土曜日

フランス料理を私と、を私と

9 時くらいまでゆっくり寝た。 珈琲、トースト、ソーセージと目玉焼き、バナナの朝食。 洗濯、家計簿つけ、手紙類の整理などの家事。 昼食の支度まで、読書。 「フランス料理を私と」(伊丹十三/文藝春秋)から、 「小津安二郎」の回(鼎談の相手は蓮實重彦と岸恵子)を読んだり。 お好み焼き屋でのキスシーンの話とか、しみじみする。

この本は「フランス料理と私」ではなくて、 「フランス料理を私と」であるところが味噌。 伊丹十三氏が「諸先生方のお宅へ押しかけてはフランス料理教室を実演する」 というものである。各お宅へ出張して料理するのは伊丹氏本人。 毎回、辻調フランス料理主任教授(当時)の水野邦昭先生とその助手(岩井清次さん)を伴って訪問し、 水野先生に直接指導してもらいながら、伊丹氏がフランス料理を作る。 例えば「小津安二郎」の回では、 タンポポのサラダのミモザ風、舌平目のクネル巻き帆立貝添え白ワインソース、 鶏のヴィネガー風味リヨン風だった。 ここのパートはレシピとして使えるように、 先生や伊丹氏の説明とともに場面毎にカラー写真が豊富に入っている (とは言え、本格的過ぎて、家庭でレシピとして使えるとは思えない)。 そして出来上がった料理を、 その回のテーマの専門家であるお家の方と一緒に食べながら、 気楽にお話をするのだ。 テーマは、「育児論」(岸田秀)、 「神話学」(北沢方邦)、「言語学」(西江雅之)、「進化論」(日高敏隆)、 「男と女」(山本哲士)、「小津安二郎」(蓮實重彦と岸恵子)、 「錬金術」(種村季弘と辻静雄)、などの全 12 回である。すごすぎる。 これだけの材料をつめこんで、毎回多くて 30 ページという、超贅沢。 最終回は伊丹氏がコンソメ作りにチャレンジするのだが、 この本自体が本格的なコンソメであると言えよう。

しかも、料理を食べながらの会話が実に良い。 「小津」の回の岸恵子なんか、大したことは言っていないのに、 実に良くって、読んでいるとうっかり涙がこぼれるくらいなのだ。 また、最終回では辻静雄先生が「錬金術」をテーマに、 料理、料理人、教育などについて語っている。 こんなことを簡単に教わっちゃっていいのだろうか、 と思うほどの英知が山盛りだ。 この回を読むだけでも読む前より十倍賢くなる。 例えばですね、料理人にとって味の鑑定家である必要があるのか、 という質問に対して、あっさり「ないと思う」と答えて、 では何が大事か、次のように言っているのですよ。 料理人は肉体労働者なのだ、とにかく早く作れること、 作るという作業のスピードがまず大切だ、 そのためには体力がいる、それから食べ物商売だから、 疲れたときの顔がいいやつ じゃないとだめだ、と。 「くたびれちゃった時のね、顔つきのいいやつじゃないと」、だそうだ。 疲れたときの顔がいいやつですよ、あなた。 どきっとしますよ、これは。 毎回、こんなに話が面白いのは、 やはり伊丹氏には聞き書きの才能があったのだろう。 今では TV でも、芸能人が料理をして、 一緒に食べて、雑談する、というようなものがいくらでもある。 しかし、この本を読むと、比べるのも失礼だとは言え、 TV がいかに遅れていて、 いかに下らない安物であるか、ということが分かる。 しかしグルメ番組は跋扈していて、 この本(1987年刊、2500円)はずっと品切れになったままだ。

昼食はナポリタンと赤ワインを一杯だけ。 午後はまずお風呂に入って、少し昼寝……と思ったら、 また 3 時間も寝てしまった。相変わらず、いくらでも眠れる。 夕食は冷やし蕎麦など。