2008年9月27日土曜日

Tao 6-3

今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。

あるマネジャがクビになるところだったが、 彼のために働いているプログラマの一人が新しいプログラムを開発し、 それが有名になり良く売れた。 おかげで、そのマネジャはクビにならずに済んだ。

マネジャはそのプログラマにボーナスを与えようとしたが、 プログラマはそれを断って、こう言った。 「あのプログラムを書いたのは、それが面白いコンセプトだと思ったからです。 だから何もいらないですよ」。

マネジャはこれを聞いて言った。 「このプログラマは低い地位にいるが、 雇用者としての適切な義務を良く理解している。 彼をマネジメント・コンサルタントに昇進させてやろう!」

しかしこれを聞くと、プログラマはまた拒絶して、こう言った。 「私はプログラムが書けるから、存在しているのです。 もし私が昇進したら、みんなの時間を浪費する以外には何も出来ません。 もう行っていいですか?書いている途中のプログラムがあるので。」

「プログラミングのタオ」 第6の書「マネジメント」、6-3章

2008年9月22日月曜日

Tao 7-1

今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。

新人がマスタにこう尋ねた。 「東に巨大なる樹形構造があって、『会社本部』と呼ばれています。 それは副社長やら会計士やらで大きく膨れ上がり、 『よし、行け!』とか『こっちだ!』とか、 莫大な数のメモを送り出しているのですが、 誰もそれが何を意味しているのか知りません。 毎年、新しい名前が各部署につけ替えられるのですが、 何の役にも立ちません。 どうしてこんな不自然なものが存在し続けているのですか?」

マスタはこう答えた。 「君はこの巨大な構造を認識し、 それに何の合理的目的もないことに心乱れているのだね。 君はその終わりのない変動に面白みを感じられないかな? 君を守ってくれる部署の下で気楽にプログラミングできることを 楽しんでいないのかな? そうできれば、 どうしてその無駄なものに煩わされることがある?」

「プログラミングのタオ」 第7の書「企業の知恵」、7-1章

2008年9月15日月曜日

ディスカバー・キョート7(御所)

中秋の名月の日、お月見に御所に行く。 真夜中に京都御所の中の芝生に蓙を広げ、 男一人で美女たちに囲まれ、お茶と御萩をいただきながら満月を見る。 初老と呼ばれる年まで生きていると、こう言う良いこともあるんだなあ。 長生きはするもんじゃ。

勿論、本当の御所、つまり建礼門の中に入れるわけではないが、 その外側の敷地は昼も夜も入り放題で、 昼間は単なる近道として通り抜けする人も多い。 夜は流石にほとんど人はいない。 中は手入れの行き届いた、広々とした公園のようで、 いつでもひっそりとしていて、清らかな雰囲気。 こんなにオープンにしていても不届き者がいないのは、 流石に今の日本人にも神道が刷り込まれていて、 ここで失礼なことをするのは何かまずい気がする、と思うのだろう。

ちなみに、このお月見にあたって、事前に御所に連絡を入れたところ、 宮内庁から こころよく許可していただいた、とのことである。 ひっそりと、おとなしく、月を見ているくらいならば問題ないようです。

2008年9月13日土曜日

Tao 2-2

今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。

偉大なる師、チューリングはあるとき、 自分が機械になった夢を見た。 目が覚めて、彼はこう叫んだ。

「私は機械になった夢を見ていたチューリングなのか、 チューリングになった夢を見ている機械なのか、 分からない!」

「プログラミングのタオ」 第2の書「古の師たち」、2-2章

2008年9月7日日曜日

status quo

L 先生から新しいヴァージョンのノートが送られてきて、 私が間違いだろうと指摘したところが、 詳しく説明されていた。どうやら正しいらしい。 さらに次のステップのアイデアもメイルで次々、 送られてきた。こういうヴァイタリティはどこから来るのだろう。

何でもそうだが、偉い人は質よりも量がすごいなと思う。 最終的に製品に結実したものだけを見ていると品質に目が奪われるのだが、 やはりそれだけの品質のものを最後に残す人は、 最初のレヴェルで大量に生産しているものだな、と思う。 そう言えば、パリ在住の老大家 M 先生が、 数学者の偉さはゴミ箱の大きさで決まる、 と言ったらしいが、このことかも知れない。 だからと言って、自分はどうすればそうできるのか分からないのだが……。 今のところ、粛々と自分なりにノートを書き直してまとめているところ。

夏休みもあと三週間ほど。 宿題がどれくらい片付けられるかなあ。

Tao 1-2

今日の "The Tao of Programming"(G.James/InfoBooks)。原による試訳。

タオは機械語を生んだ。 機械語はアセンブラを生んだ。

アセンブラはコンパイラを生んだ。 そして今、一万もの言語がある。

それぞれの言語はつつましやかなものであれ、 それぞれの目的がある。 それぞれの言語はソフトウェアの陰と陽を表す。 それぞれの言語はタオとともにある。

しかし、避けられるならば、 Cobol でプログラミングしないように。

「プログラミングのタオ」 第1の書「静かなる空虚」、1-2章